訪問歯科で入れ歯を作る。「費用」と「治療回数」をわかりやすく説明します。
こんにちは。訪問歯科専門の歯医者ブロガー、白たぬきです 。
普段、いつも通りの生活をしていると口から食べるということは当たり前のように感じます。
それだけに歯がなかったり入れ歯が合わないような、歯や口の中にトラブルを抱えている人にとっては、一刻も早く治したい症状になります。
栄養をとるということはもちろん、 話したり笑ったりする日常的な動作に大きく影響してしますからです。
このとき、治療するうえで気になることのひとつに「費用」があるのではないでしょうか。
歯の治療は高価格だと思われがちです。
もちろんインプラントや矯正のように高額な治療もありますが、それ以上に保険で賄える範囲はかなり広くなっています。
訪問歯科のサービスを使って入れ歯(義歯)を作る場合もそうです。
入れ歯を、それも訪問してもらって作ると、一体どれくらいの費用になるのか不安ですよね。
さらにいえば、治療期間や回数も気になるのではないでしょうか。
歯科治療は何回も通院するイメージを持っている人も多いと思います。
後何回で治療が終わるのか。
分からないと不安ですよね。
訪問歯科を自宅や施設に呼んで、入れ歯を作るときにかかる費用と治療期間を説明したいと思います。
- まずは保険証の確認
- 次に治療場所の確認。診療をうける場所は自宅?施設?それとも病院?
- 最大で4万円。訪問歯科で入れ歯を作る費用。
- 1回につき最大2000円。完成後の調整。
- 完成までの治療回数は約5回。
- まとめ
まずは保険証の確認
まずお持ちの医療保険証とあれば介護保険証を用意してください。
ここでは1割負担の方を前提にお話ししているので、3割負担の方は料金を3倍にして計算してください。
医療保険証や介護保険証には負担割合が記載されています。(介護保険証は負担割合証がついています。)
次に治療場所の確認。診療をうける場所は自宅?施設?それとも病院?
今度は患者さんがどこで治療を受けるかを確認してください。
自宅で受ける場合と老人ホームや病院のような施設で治療を受ける場合は料金が異なります。
施設で診療を受けた方が費用は少し安くなります。
これは保険制度で決まっているためです。
最大で4万円。訪問歯科で入れ歯を作る費用。
歯の本数や状態によって費用は変わってきます。そのため詳細な値段は個人個人によって微妙に異なります。
歯が多く残っていればいるほど、その状態が良ければ良いほど費用は安くなります。
また今回は純粋に入れ歯に関わる費用のみを説明しています。
事前に抜かなければいけない歯があったり、 虫歯を治療する必要がある場合は別途費用がかかります。
下の表を参考にしてみてください。
訪問歯科での入れ歯作製費用の目安
残っている歯が5本より多い | 残っている歯が5本以下 | |
---|---|---|
上下どちらか片方作る場合 | 〜10000円 | 〜20000円 |
上下両方作る場合 | 〜20000円 | 〜40000円 |
1回につき最大2000円。完成後の調整。
入れ歯の違和感は個人によって差があるため、一度で慣れる方もいれば違和感を感じ続ける人もいます。
特に初めて入れ歯を入れた場合や、 長期間入れ歯を使用していなかった場合は調整に時間がかかることが多いです。
さらに本音を言ってしまうと、担当した歯科医師の技術力にも影響されるのも事実です。
調整費用の目安
自宅 | 施設、病院 | |
---|---|---|
1回につき | 1500〜2000円 | 〜1500円 |
完成までの治療回数は約5回。
入れ歯は入れ歯を作り始めてから完成までに4回から5回の診療回数で完成します。
型取り
↓
かみあわせ確認、高さ決め
↓
歯の色や形、顎への適合確認
↓
完成
精密度を上げるために、それぞれの過程で2回ほど診療回数を増やすことがあります。
その後慣れるまで調整していきます。
3〜4回、必要なことが多いです。
まとめ
よく「入れ歯があれば食べられる」というお話を患者さんやそのご家族かがされることがあります。
はっきり言うとそれは間違いです。
今回は入れ歯のお話ですが、食べるためには「嚥下」という能力も必要不可欠です。
入れ歯の機能が「咬みきる」ことだとすると、嚥下の機能は「飲み込む」ことです。
口に入ってきた食べ物を「咬みきって」「飲み込む」。
この2つが揃って初めて、口から食べたことになります。
つまり入れ歯だけあっても、嚥下ができなければ食べることは難しいのです。
嚥下が弱いと肺炎や窒息の原因にもなり、食べることがリスクになる場合もあります。
このことをしっかり説明してから入れ歯の作製を開始するかどうかが、歯科医師を選ぶ基準にもなると思います。
歯や口のトラブルのつらさは、自分が経験するまでわかりません。
私自身も入れ歯を使っているわけではなく、実際の違和感や痛みを感じることはできません。
けれども診療するという意味では、歯がボロボロの歯医者さんよりは説得力があると思っています。
なにより早めの予防が、歯の寿命を伸ばすことに間違いはありません。
積極的な受診をおすすめします。
実際に治療をうけるときの参考にしてみてください。