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【歯科医師の転職】「訪問歯科求人サイト」と「知り合いの紹介」を比較した。おすすめは全部です。

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訪問歯科で働きたいと考えている歯科医師の先生へ。



・求人を探す方法は2つ。「求人サイト」と「知り合いの紹介」


・それぞれメリットとデメリットありそう。


・もし具体的にサイトがあったら知りたい。


今回の記事ではこういった疑問に答えつつ、「求人サイトによる転職」「知り合いの紹介による転職」の両者を比較していきます。


■本記事の内容

・おすすめは?「求人サイト」と「知り合いの紹介」の比較
・使えるものはすべて使う
・おすすめの求人サイト


僕は歯医者になって10年以上訪問歯科診療に関わってきて、 何回か転職を経験しました。転職すると精神的にかなり疲労して、大変な思いもしました。


知り合いが紹介してくれた病院に転職したこともありますし、求人サイトを使って転職したこともあります。


現在は毎日のように介護施設や精神病院、急性期の病院や障害者施設で診察する傍ら、大学で高齢者歯科の講義を担当しています。専門は「摂食・嚥下」です。



Twitterで情報発信しているので一応信頼の担保になると嬉しいです。

『歯医者になって3年目(大学病院所属)のとき、病気を複数抱える患者さんの抜歯を担当することに。かなり緊張感のある症例で、吐くほど悩んでいたら「キミが動脈切っても、私がなんとかする。好きにやれ。」と声をかけてくれた先輩がまぶしすぎて、自分もこうなりたいと思ったし、動脈も切らずにすんだ』




おすすめはどっち?「求人サイト」と「知り合いの紹介」の比較。

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それぞれのメリット・デメリット


情報の信頼性

求人サイト◯ 知り合いの紹介◎ 


情報の信頼性は知り合いの紹介の方が高いです。「求人サイト」からもおおよその情報を知ることができますが、「知り合いの紹介」だともっとつっこんだ話を腹を割ってすることができるからです。


病院の様子や雰囲気などもリアルで確認することができます。募集してる経緯とか、前任の退職理由とかそういうところまでわかることもあります。


気になるところはなんでも聞けますよね。事前にどういう職場の環境がわかる、ということは大きなメリットです。


ただ、これはあなたと紹介してくれる人との関係性にもよりますので注意が必要です。信頼がおける人であれば信憑性はかなり高いです。



条件交渉のしやすさ

求人サイト◎ 知り合いの紹介◯


条件交渉のしやすさは「求人サイト」が有利です。なぜなら、人間関係を気にせず交渉に集中できるからです。自分の希望する条件を提示して、そこから合う合わないを決めることができます。


給料や勤務時間、休日など自分のライフスタイルに合わせて探すことができるので、納得感をもって働くことができます。エージェントをつければさらに細かい条件交渉を、無料でやってもらうことができるので、自分の時間も有効活用できます。


知り合いの紹介でも交渉することはできます。すべて自分でおこなう必要がある面倒くささと、人間関係が絡むのでどこかなあなあになってしまう可能性があります。お金の話ってなかなかしづらい人多いと思うんですよね。



自分のスキルを活かす

求人サイト△ 知り合いの紹介◯


自分のスキルを売り込みたい場合は、「知り合いの紹介」が有利です。有病者の難しい抜歯、顎堤のない入れ歯の症例、嚥下内視鏡ができる、など得意スキルがあるときは知り合いを通した方が相手に説得力があります。


求人サイトの場合でも伝えることはできますが、あくまで自己申告なので実際の技術が担保されるわけではありません。


逆にあまり売り込む要素がない、そこまで得意分野がない場合は、求人サイトの方が有利です。



退職のしやすさ

求人サイト◎ 知り合いの紹介△


求人を探しているのに、少しネガティブな話ですが、これはとても重要な要素です。


なぜなら人間関係は働いてみないと分からないからです。どうしても職場の雰囲気や人間関係に馴染めなかったとき、辞めやすいかどうかで気持ちの余裕が違います。特に訪問診療の場合は1日中2人から3人のチームでずっと仕事をするので、 雰囲気が最悪だとほんとうに地獄です。


知り合いの紹介の場合は、仲介した先生の顔に泥を塗るようなことはなかなかしづらいです。万が一自分と合わないなぁとか不満があったとしても、無責任に辞めることは自分の信頼も失うことにつながりかねません。


条件の不一致の場合はやめてもいいと思いますが、それでも鋼のメンタルを持ち合わせていなければ、退職のしやすさの手間は求人サイトに分があります。



ひとつにこだわる必要はない


「求人サイト」と「お知り合いの紹介」どちらがよいか。選び方は簡単です。


全部使いましょう。


使いやすさには個人差がありますし、目的は自分にとって良い職場に巡り合うということなので、全て試してみるのがいいと思います。


知り合いもあまりいないし、選ぶのが面倒くさいという方は僕がオススメする「ファーストナビ」でいいかなと。
>>参考:歯科医師の求人サイト「ファーストナビ」を徹底レビュー。【デメリットや退会方法も】



歯科医師の僕がファーストナビをオススメする理由

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歯科医師に向けた求人サイトはたくさんある


僕が実際に利用したことのある求人サイトはおもに「ファーストナビ」と「グッピー」です。僕はファーストナビで見つけた転職先が、一番平和な職場になっています(実は今も働いてます)。


僕にとっていちばん良かったのは、職場の雰囲気や院長の人柄、性格のような「院内の環境」をエージェントの人が詳しく教えてくれたことです。そのあとは自分に合った条件で全部交渉してくれたので、転職の面倒くささはありませんでした。


求人の数はグッピーより全然多いです。 全国的に求人を網羅しているようなので、地方の先生とっても優しいです 。


人間関係は入ってみないとわからないのですが、できる限り内部を知ることができたこと、そしてあまり大きな声では言えない”退職のしやすさ”を考えたときに、一番気楽にスタートできました。

>>参考:歯科医師向け求人サイトの選び方+おすすめ3選【実際の転職体験をふまえて】


ファーストナビのスクショ


一応スクショを貼っておきます。
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こんなトップページです。全国で検索できるようになっています。


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これが検索画面です。都道府県別の検索にくわえて、右側にあるような詳細から「訪問歯科」を選択できます。こだわり条件も、「時短」「中高齢者可」「ブランク相談可」「高給与」あたりは一度は検索かけてみてほしいです。


ファーストナビの登録病院の画面

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実際に登録されている実際の病院画面。ここに基本的な条件は記載されています。


会員だけが閲覧できる非公開求人は、選択肢を大きく広げる


ファーストナビ」には”非公開求人”というものがあって、会員だけが閲覧できるようになっています。この非公開求人は、選択の幅を大きく広げるので、登録しての利用をオススメします。


目的は良い環境の仕事を見つけることです。そのためにはひとつでも多くの選択肢を持っていることが有利なはずなので、無料のツールは使い倒しましょう。


また、非公開求人はみたいけど、ただ検索したいだけ、そんなときはエージェントにメールすれば基本連絡してきません。積極的にエージェントを使いたいときに限り、サポートしてくれます。


詳しくは歯科医師の求人サイト「ファーストナビ」を徹底レビュー。【デメリットや退会方法も】でデメリットも解説しています。


まとめ:訪問歯科での求人ツール。”すべて使う”がおすすめです。

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記事のポイントをまとめます。

・使えるものはすべて使うと、効率的な転職の可能性がアップ


・信用できる知り合いに紹介をお願いしておく


ファーストナビの会員だけ閲覧できる非公開求人は、自分の幅を広げる


以上「求人サイトでの転職」と「知り合いの紹介での転職」を比較してみました。


求人を探している歯科医師の先生は、早速登録して使ってみてください。こういったサイトは、まず使ってみるのが1番早いです。


間口を広く持って情報収集すると、効率的で効果的に職場を探すことができます。

✔︎ 【歯科医師向けのおすすめ求人サイト】
歯科医師向け求人サイトの選び方+おすすめ3選【実際の転職体験をふまえて】
歯科求人サイトを3種類比較した。実際に転職済み。【おすすめは全部】


良い職場が見つかりますように!今回は以上です。




訪問歯科で働きたいけれど、求人が多すぎて迷っている歯科医師の先生へ【おすすめの探し方】

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訪問歯科でアルバイトしようか迷っている先生へ。



・訪問歯科で働いてみたいけれど、求人が多すぎてよくわからない。


・決め手となる基準みたいのがあれば、自分に合った職場をみつけられるのに・・・


こんなふうに考えていませんか?


本記事ではこういった疑問に答えていきます。


■本記事の内容

僕は歯医者になって10年以上訪問歯科診療に関わってきて、介護施設や精神病院、急性期の病院や障害者施設で診察する傍ら、大学で高齢者歯科の講義を担当しています。


これまで何回か転職を経験しまして、その度に精神的にかなり疲労して大変な思いもしました。訪問歯科の求人に興味を持った先生たちがなるべく効率的、効果的に良い職場に巡り合えるよう、自分の経験談も含めて書いてみました。


今はスタッフにも恵まれ、安心して仕事に取り組むことができています。


Twitterで情報発信しているので一応信頼の担保になると嬉しいです。

『歯医者なのに"摂食嚥下"というマイナー分野を専門にしたら、控えめにいって3000回は絶望した。絶望対象は自分の無力さ。
それでも10年以上ほぼ毎日、寝たきりや障害をもつ人の診療を続けたら、今は素晴らしい仲間に恵まれ、体も健康☘同業はもちろん他職種の仲間に震えるほど救われた。感謝しかない😂』




歯科医師向け。おすすめの探し方【2つあります】

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①:知り合いの先生から紹介


探し方のひとつ目は知り合いの先生からの紹介です。


友人だったり大学の紹介だったり、そういう関係から働く場所を見つけることができます。


そういうツテがある場合は「いま病院を探している」ということを伝えておくと話が舞い込みやすいです。


この方法は開業医さんに勤めてるよりも、大学や病院に関わっている方が有効です。そういう情報もまわってきやすいからです。


②:求人サイトで検索


もうひとつは、インターネットで検索することです。 給料や勤務時間も記載されているので、事前に情報をつかみやすいです。


交渉などが面倒な人にとっては、エージェント(サイトの中の人)に頼めばすべてやってくれるので、そういう面でも気楽ですよね。


あと、あまり濃厚な人間関係を求めていなければ有効な方法です。


具体的には「ファーストナビ」「グッピー」この2つにとりあえず登録しておけばよいかと思います。


そのままでも利用できますが、登録者しか閲覧できない非公開求人や新着求人はかなり選択の幅を広げるので会員登録がおすすめです。必要に応じエージェントが無料で連絡を取ってくれたり、給与交渉もしてくれます。


詳しくは歯科医師向け求人サイトの選び方+おすすめ3選【実際の転職体験をふまえて】で解説しています。


方法は以上のふたつです。基本的には”使えるものは何でも使う”というスタンスで動くと、1番選択肢が広がります。

>>参考:「訪問歯科求人サイト」と「知り合いの紹介」を比較した。【歯科医師の転職】



ここからさらに、自分の中に明確な基準をもつと、良い職場にめぐりあう可能性は高まります。


自分に合った転職先を決めるための基準

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基準とはつまり条件です。


自分がどのような条件なら働きたいか、を決める。自分の中で軸を聴けることが大切です。訪問歯科は、生活スタイルに合わせて働るところも多いので、QOLの高めな選択も可能です。


選択基準は以下の通りです。



・現在との比較
・勤務地
・給料
・雇用形態
・勤務時間
・休日
・勤務開始日
・勤務日数・曜日
・平均年齢
・ブランクの長さ
・医院の理念

現在との比較


まずはいま勤務している病院にどのような印象を受けているのか。不満があるなら、何が不満なのか。今一度、自分なりに考えてみてください。


もし働いていない場合でも、なぜ働きたいのか、どのように働きたいか、を自問自答するとよいと思います。


勤務地


どこの場所で働くのかは、つまり家からの近さ。個人的には重要度がかなり高いです。通勤に要する時間や、混雑具合。最寄駅からの距離も重要ですね。


"ちょっと遠いなあ"って思うところだと、少しづつ負担になってきます。


給料


自分が欲しいと思う最低限の金額は決めておきましょう。求人サイトで調べると相場がわかります。


給与は自分のスキルへの評価と同時に自分の生活するために必要なものです


雇用形態


常勤とパートから、生活スタイルに合うものを探しましょう。とりあえず訪問歯科をやってみたい、っていう先生は最初アルバイトから入る場合が結構多い印象です。


その病院と自分の価値観が合うような、いずれ常勤へ・・という流れです。


勤務時間


始業時間と終了時間の確認です。自分の生活スタイルにあった勤務時間を選びましょう。


休日


年末年始の営業状況や、何曜日が休みなのかは確認しておきましょう。


勤務開始日


いつから開始なのか。自分と病院の都合を確認します。


勤務日数・曜日


これも自分の生活のスタイルに合わせて負荷がない曜日を選びましょう。


平均年齢


自分と似た世代だと安心したりしませんか?


ブランクの長さ


ブランクのある先生はここが不問だと応募しやすいですよね。

病院の理念


これは正直参考程度だと思います。実際に感じる肌感覚が重要ですので。



実例:”先輩に紹介された病院”で僕が陥ったワナ

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僕が歯医者になって3年目のとき、仲の良い先輩から紹介してもらった病院に週2日、アルバイトに行くことになりました。


勉強になる職場ときいて勤務してみたら、なぜか”新人にはアシストを付けない”というルールがあって、一人で車に乗って訪問診療して、道具とかも全部準備したりして、初日で泣きそうになりました。


おまけにお給料は、言われていたものよりちょっと低くて(-2千円/ 日)、でも先輩の手前すぐには辞めるとも言えず、ただ耐えていました。


給料は明細なしで現手渡し、という状況が3ヶ月続いたことが決定打となり、その先輩には申し訳ないですけど理由を話して辞めることにしました。契約も交わしていなかったので、試用期間という概念もその病院にはなかったと思います。


僕としても、先輩の顔にドロを塗るわけにはいけない。でも・・・という状況がつらかったですが、先輩としてもかなり気まずかったそうです。お互いの信頼性が高ければ高いほど情報が正確で安心なのですが、万が一のことがあるとめちゃくちゃ気まずいです。


ですので紹介の場合は、万が一働いて条件が違ったときに、『自分はあっさりで辞められる』というメンタルを持っているなら強いと思います。


僕は・・けっこうキツかったです。正直、治療云々よりも人間関係の方が心理的にキツかった。この経験から、それまでは知り合いの紹介オンリーで転職していたのですが、ネットの求人サイトも併用するようにしました。


濃密な人間関係がない分、僕は気楽でした。どのくらい気楽かというと、「給料」とか「勤務時間」の交渉を自分ですべておこなう手間に比べれば、100倍はキラクです(今はweb面接をやっているところも)。


あと、単純に間口が広がるので、選択の幅が増え、気づくことも多いと思います。


まとめ:訪問歯科の求人を探すなら、選択肢を広げておくのは必須。

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記事のポイントをまとめます。


・歯科医師向けのおすすめの探し方は2つあります。


・特におすすめは「求人サイト」。信頼できるなら「知り合いの紹介」も◎


・使えるものは使って、情報の間口をひろげておくと有利。


・給料や勤務時間などの勤務条件を事前に決めておくの大事。


こんな感じです。


転職はかなりの労力を使うので、だらだら探すより、瞬間風速を高めた方が圧倒的に効率がよいです。


自分にあった職場が見つかりますように。

✔︎ 【歯科医師向けのおすすめ求人サイト】
歯科医師向け求人サイトの選び方+おすすめ3選【実際の転職体験をふまえて】

歯科求人サイトを3種類比較した。実際に転職済み。【おすすめは全部】

✔︎ 【”求人サイトの利用”と”知り合いの紹介”の比較】
「訪問歯科求人サイト」と「知り合いの紹介」を比較した。【歯科医師の転職】


今回は以上です。






【歯科医師向け】訪問歯科の仕事内容を解説します【これからニーズあり】

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訪問歯科の仕事内容を知りたい歯科医師の先生へ。



・働いてみたいけど、仕事の内容がよくわからない。


・自分の実力で大丈夫かな...不安。


・あと、なにか事前に気をつけることがあれば知っておきたい。



こういった疑問に答えます。


想定読者:訪問歯科に興味のある歯科医師の先生


本記事の内容

この記事を書いているボクは、歯科医師です。


これまで10年以上ほぼ毎日、介護施設や精神病院、急性期病院、個人宅を訪問して高齢者や認知症患者さんの治療をしてきました。


”通院困難な人”を対象に口や喉の診察をしつつ、大学で”高齢者の歯科治療”を教えています。


専門は「摂食嚥下」で、お手伝いをさせてもらった病院は50医院くらいあって、それぞれのやり方を経験しました。


Twitterで情報発信しています。信頼の担保になれば嬉しいです。


「認知症と診断されたら、すぐに歯の治療をすべき」という事実はなるべく多くの人に知ってもらいたいな。
歯がボロボロのグラグラで、出血や口臭がひどくても、暴れまくりで触ることすら難しい患者さんをたくさん診てきた。早いうちなら"来たるべき将来にむけた"精度の高い治療を施すことができます。





【歯科医師向け】訪問歯科の仕事内容【治療以外の業務あり】


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結論からいうと、訪問歯科の仕事内容は3つです。


①:歯科治療


②:カルテ・書類記入


③:患者さん・家族・介護スタッフとの連絡

上記の通りです。


【訪問歯科診療】1日の流れ


はじめに全体を知ることで、細かいところも見えやすいと思いますので、まず1日の流れを紹介します。


✔︎ 【訪問歯科診療】1日の流れ

待ち合わせ

診療(×件数)

終了


「どこに」「誰と」「何件くらい」訪問するのか。病院によって多少の違いはありますが、大きな流れは変わりません。


待ち合わせ

「病院」「駅」「現地」この3つのどれかです。病院で集まって皆で出発することもあれば、スタッフさんが駅に迎えに来てくれたり、朝に介護施設へ行く場合は直接現地で待ち合わせることもあります。


基本的に病院の方針や今までのやり方が反映されます。


診療場所

待ち合わせたら、車に乗り込んで診療に出発です 。運転は衛生士さんや助手さん、コーディネーターさんがしてくれます。先生自ら運転するクリニックも一度経験しました。


目的地は主に「介護施設」か「個人の自宅」のどちらかです。稀に精神病院や障害者施設のこともありますので事前に確認しておきましょう。


その日のルートが決まっているので、朝から夕方くらいまで、移動→診療の流れを繰り返します。


診療件数

個人のお宅だけをまわる場合は1日で6〜7件が現実的です。介護施設は診療人数にもよりますが、10人診察すると午前中いっぱい時間を使うイメージです。


診療をしながら書類を記入する場合もありますし、病院に戻ってからからひたすら記入する場合もあります。これも病院によります。


書類まで書き終えたら(結構量があります)業務終了です。その後に外来診療をおこなうクリニックもあります。


以上が1日の流れになります。ここから具体的な仕事内容を紹介していきます。


訪問歯科の仕事内容①:歯科治療


当然ですが、歯科治療はメインの仕事です。


訪問歯科診療では一般的な外来とほぼ同様の診療をすることができます。


ポータブルのタービンやレントゲンがあるので削ったり、撮影したりは可能です。ただし、道具の数や種類に限りがあるので、”あるものでやる”というスタンスが大切です。


具体的な治療内容は以下の通りです。


✔︎ 【具体的な治療内容】

・抜歯
・虫歯治療
・根管治療
・歯周病治療
・クラウンブリッジ
・義歯の調整・修理・作製
・口腔ケア
・摂食嚥下


普通になんでもできます。需要がないのはインプラントと矯正くらいです。


”なんでもできる”と言っても、健康な人の治療するわけではないので、患者さんの状態を考慮することが重要です。余談ですが診療体勢がきつくなることも多々あるので、腰痛に注意してください。


”寝たきり”なのか”会話ができる”のか、”姿勢が維持できる”か、などで診療内容と時間を判断します。


5分くらいで終わることも普通にありますし、外来なら一回で終わる診療も2〜3回に分けてしまうこともあります。


その日の患者さんの体調次第で診察できない状況というのもよくあります。


訪問歯科の仕事内容②:カルテ・書類記入


カルテと書類の入力があります。


訪問歯科では一般歯科以上に書類が多いです。


患者さんだけでなく、家族や介護スタッフ、行政へ提出する書類があるからです。


歯科疾患在宅療養管理料、居宅療養管理指導、訪問歯科診療実績表。


これ以外にも訪問衛生実施指導や管理指導計画書など、盛り沢山です。


パソコンで入力することもあれば、手書きのこともあります。


訪問歯科の仕事内容③:患者さん・家族・介護スタッフとの連絡


患者さんだけでなく、その家族や周りにいる介護スタッフと連絡をとる必要があります。


患者さんは体が不自由だったり、認知症だったりと、意思の疎通が難しいことが多いです。


そのため、家族や介護スタッフ(特にケアマネージャー)との連携は欠かせません。


治療内容や次回の予定、診療の計画は定期的に共有しておくことで、トラブルを防ぐことができます。


よくある質問❶:専門外でも大丈夫?


結論からいうと、問題ありません。


専門外だと、経験も少ないし、何もできないかも…なんて不安になってしまいます。


僕も初めてのときはそうでした。


新しいことを挑戦するって、結構びびったりするじゃないですか。…でも、安心してください。


ちょっと入れ歯ができるかも、歯なら少し抜いたことある、もしそのくらいあれば、充分すぎます。


どんな切り口からでも応用できます。


若手の先生で専門が何もなかったとしても、それは”のびしろ”が満点ということなので、そんなに悲観することはありません。(摂食嚥下、一緒にやりましょう!)


そういう意味では50代や60歳以上の歯科医師の先生のスキルはそれだけでかなりの武器です。


よくある質問❷:技術的に不安


訪問歯科診療では技術的に超高度な診療はありません。患者さんの訴えは主に2つで、「痛い」「腫れた」です。


この2つに関してその原因を取り除いてあげることだけに全力で集中してください。


「痛い」場合は、「歯周病」か「入れ歯」がほとんどです。虫歯で痛い割合は外来診療ほど多くありません。


痛みの原因を排除するだけで価値があるので、そこに全力でぶつかってください。


それもできない、って思ってる人。大丈夫です。できますよ。目の前に痛がる患者さんがいたら、自分の全知識と全技術を使って痛みを取りにいくはずですから。


あと、周りには助けてくれる訪問経験のあるスタッフさんがいます。わからないときは頼ってみてください。


働く前に知っておきたい重要なこと

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業務内容を確認しつつ、”事前に気をつけておいた方がよいこと”のインプットをしておくのはオススメです。


診療内容ではないけど、頭にいれておいて損はないものです。実際はたらいたときに”あぁこれか”と必ず役に立つと思います。


”仲良くない人と1日中狭い空間で一緒”は地獄


訪問チームの雰囲気はとても大切です。診療に影響が出ると言ってもおかしくないレベルです。


あまり仲良くない人と1日中狭い空間で一緒、なんて地獄じゃないですか?


訪問する人数は先生を含め2人から3人のことがほとんどです。1日の大半を同じメンバーで過ごします。


移動は車内という密閉空間にいますし、診療も協力して行わなければいけません。


そのため人間関係が悪いと、情報の共有もルーズになりがちなので、かなり仕事がやりにくくなります。


もちろん誰とでも話して仲良くしましょう、っていうことではないです。寡黙な人もいますから。


お互いを尊重して仕事をする気持ちをもつことが大切です。


訪問診療ではスタッフみんなが初めまして、という状態は少ないです。立ち上げのときくらい。


誰かが元々やっていてそこに新しく入るという状態なので、基本的なやり方が確立しています。


医療的に明らかに間違ったやり方でなければ、まずはそのやり方を理解することを最優先にしましょう。


人間関係が構築できれば、いくらでもオリジナルを出していけます。


間違っても”前の職場はこうだった”とか”この道具がないとできない”とか言ってはいけません。


そういう視点から入ってしまうと最悪の人間関係になってしまうので、まずは病院のルールを理解するようにしてください。


訪問先の人とのコミュニケーションは自分を救う


これも人間関係の話なんですけど、訪問先の人たちとのコミュニケーションも非常に重要です。


どのくらい重要かといいますと、診療内容や技術より重要です。


訪問先にいるのは患者さんだけとは限りません。


奥さんとか息子さんのような家族、その人の介護全般をプランニングしているケアマネージャーさんなど、介護に携わるたくさんの人たちが関わります。


介護施設に行く場合は介護士さんや施設長、事務の人も含めていろんな人が仕事しています。


認知症の患者さんでは診療内容を覚えていないようなことも多いので、周りの人達への十分な説明は信頼関係を築く上でも必須です。


くわえて、普段から介護に接している人たちはその患者さんについていろんな情報を持ってます。


そういう情報って診療する上でめちゃくちゃ役に立ちます。


今日はいつもより疲れているとか、3日前に熱があったとか、ちょっと前に窒息しかけたとか、患者さんの体調とか精神状態を知ることができるのは本当に貴重なこと。


自分を救う情報になるかもしれません。


訪問先の人たちとコミュニケーションを積極的にとったほうがよい、というのは忘れないでくださいね。


労働条件は事前に確認


当たり前の話ではあるのですが、大切なことなので確認のために書きました。


勤務条件をしっかり確認しましょう。


”仕事しているとき”というよりは”仕事する前”の話です。


自分の報酬はいくらなのか、とか勤務時間はどのくらいなのか、とかしっかり条件を把握して納得してから働きましょう。


自分が不安に思っていることがあると、仕事も集中できないです。 診療に集中する環境を作るためにも必須です。


・お給料
・支払日
・勤務時間
・支払い方法
・有休の有無
・契約書の有無
・契約期間と試用期間


僕は歯医者になって3年目のとき、社保なし労災なしもちろん契約書なんて存在しない現金手渡し、みたいな病院に一度勤めた事がありました。


当時はこんなものか、と思っていたのですけど、今振り返るみるとめちゃくちゃブラックでした。


ブラック具合は訪問歯科で働きたいけれど、求人が多すぎて迷っている歯科医師の先生へ【おすすめの探し方】で触れています。


そんな経験があるので、事前にしっかり確認しておくことを強くおすすめします。


そういう面倒くさい交渉が苦手という人はとりあえず「ファーストナビ」「グッピー」、最低この2つの求人ツールに登録をしておけば充分です。



エージェントが無料で連絡を取ってくれたり、給与交渉までしてくれます。


そのうえでさらに、見学をしてみると安心度が増しますよね。
>>参考:歯科求人サイトを3種類比較した。実際に転職済み。【おすすめは全部】


少しでも得意な分野をいかす


さきほども書いたように、自分がちょっとでも得意だと思う分野でかなり貢献することができます


診療の対象となる人たちは高齢だったり体が不自由だったり認知症だったり、歯科医院に通院することが難しい人たちばかりです。


大学で勉強した講座でいうと”高齢者歯科”に当てはまります。高齢者だから何か特別なスキルが必要ということはありません。


訪問歯科のいいところは自分の得意な切り口から広げていけることなんですよね。


③で紹介した、入れ歯がちょっと得意とか歯抜くのが得意とか、そういうところが何かあればそれだけで強みです。


ひとつ付け加えるなら、必ず病気を持っている患者さんが対象なので、事前にその病気の知識的なものは持っておくと便利です。


例えばワーファリンを飲んでいる人の抜歯の基準、透析をしている人の対応、飲み込みの悪い人の嚥下訓練などの知識は持っていて損はありません。


僕はもともと摂食嚥下を専門にしていたため、ほかの治療に比べ嚥下の検査とか訓練はすごく得意で、そこから訪問歯科の世界に切り込みました。


入れ歯の調整や作製はかなり得意になりましたし、難しい親知らず抜歯というよりは血が止まりにくい人の歯を抜くとかそういうこと知識とか経験が徐々に広がってきたという感じです。


このように比較的得意なところから広げていくことができるので、これから訪問歯科に携わってくれる先生が増えるとうれしいです。


まとめ:訪問歯科はやりがいのある魅力的な仕事

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記事のポイントをまとめておきます。


・訪問歯科の仕事内容は主に3つ


・①歯科治療②書類記入③患者さんや家族への連絡


・専門外、技術的な不安は今あるスキルでカバーできる


・コミュニケーションはわりと重要


・働くときは事前に契約を確認する


こんな感じです。


高齢化が進んでいることで訪問歯科は需要がどんどん増えてきています。


まずは一度経験しておいても損はないと思います


外来と同じで診療方法に正解はないので、試行錯誤しつつ改善していきましょう。


今回は以上です。

✔︎ 【訪問歯科のお仕事の探し方】
訪問歯科で働きたいけれど、求人が多すぎて迷っている歯科医師の先生へ。 おすすめの探し方。

✔︎ 【歯科医師向けのおすすめ求人サイト】

【歯科医師の転職】訪問歯科に強い求人サイト3選【バイトでもニーズあり】

✔︎ 【歯科医師向けのおすすめ求人サイトの比較】
歯科求人サイトを3種類比較した。実際に転職済み。【おすすめは全部】

✔︎ 【50代60歳以上の歯科医師の先生におすすめの求人サイト】
50代60歳以上の歯科医師の先生におすすめの求人サイト【わかりやすく比較・解説】








介護施設で依頼している”訪問歯科の診療内容”を知る方法【家族向け。行かずに確認】

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家族が介護施設に住んでいて、訪問歯科を依頼している人へ。



「現在、自分の身内(両親、おじいちゃんおばあちゃん・・)が老人ホームに入居していて、そこで歯科を頼んでいるのだけれど、実際何をしているかよくわからない 。どうやったら確認できるだろう。


あと、実際に面会に行った確認しておくべきことがあれば知りたい。」

こういった疑問に答えていきます。


■本記事の内容 


この記事を書いているボクは、歯医者になってから10年以上、高齢者や認知症患者さんの治療を専門にしてきました。


ほぼ毎日、介護施設や精神病院、急性期病院、個人宅で”通院困難な人”を対象に歯の治療をしつつ、大学で”高齢者の歯科治療”を教えています。


Twitter でも情報発信してます。一応信用の担保になれば嬉しいです 。

『歯医者なのに"摂食嚥下"というマイナー分野を専門にしたら、控えめにいって3000回は絶望した。絶望対象は自分の無力さ。

それでも10年以上ほぼ毎日、寝たきりや障害をもつ人の診療を続けたら、今は素晴らしい仲間に恵まれ、体も健康☘同業はもちろん他職種の仲間に震えるほど救われた。感謝しかない😂』



訪問歯科の治療内容を”施設に行かず”に確認する方法とは 【4つあります】

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次の4つの方法があります。

①介護施設のケアマネさんや職員さんに聞く
②送られてくる報告書を確認する
③支払額を確認する
④病院に直接問い合わせる

では早速いきますね。

①:介護施設のケアマネさんや職員さんに聞く


状況を確認するためには施設のケアマネさんや介護スタッフさんに聞くのが一番早く、効果的です。


介護施設で働いている職員さんは訪問歯科の先生や衛生士と直接話をしている可能性も高く、なにより現場の状況をよく知っています。


日々の口の中のケアをおこなうのは現場の介護職員さんです。そのため口の中の汚れや乾燥などの定期的な変化を間近知っていることが多いです。


ケアマネさんは訪問歯科からの”診療の報告書”を毎月受け取ることになっています。細かいタイムリーな把握ができなくても一か月ごとの診療経過や内容を教えてくれます。


具体的には”電話をかけて直接ケアマネさんと話しをする”です。 しかだけではなく他の用事で連絡することもあると思ってその時に一緒に確認してみると良いです


②:送られてくる報告書を確認する


歯科医院から毎月”歯科診療の報告書”が届いていませんか?そこで治療内容が確認できます。


歯科医院では毎月の診療報告が義務化されています。入れ歯を作ったり、歯を抜くような、いつもと違う処置をする場合は事前に連絡がくることが多いです。


照らし合わせてみてください。報告書の具体例を載せておきます
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③:支払額を確認する

毎月の歯科からの支払額からも診療内容を知ることができます。


訪問歯科の診療は、患者さんの状態が安定していれば毎月大きく支払額が変わることはありません。


②で書いたように普段と違う処置をする場合は事前に連絡がきます。その月の支払額は高くなります。(通常は翌月請求です)


診療費の支払い方法については訪問歯科契約時に決まっています。


口座から直接引き落とす場合、施設の料金と合算して払う場合があるので忘れた人は確認しておきましょう。


④:病院に直接問い合わせる


具体的に知りたい、少し不満がある、そんなときは直接電話して確認する方法もあります。


どうしても人や書類を介してしまうと、状況と把握の不一致が起こりやすいです。今はだいぶ減りましたが、ボクのところでも年に数回問い合わせがあったりします。


万が一、提携の歯科医院がわからない場合はケアマネさんや施設スタッフさんに聞くとおしえてくれます。


電話をかけたときは”老人ホームの名前と患者さんの名前とあなたの続柄”を伝えて担当者につないでもらうとスムーズです。



治療内容を確認したい、ということは家族を心配してのことですから、気になるところは早めに確認してください。


何か問題がある場合でも改善策を考えることができますよね。


面会のときは口の中を”直接”確認すべき

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特に自分の親の口の中を覗くことには抵抗がある人も多いです。


抵抗があるかもしれませんが、一度やってみることをおすすめします。


直接”みる”効果は高い


直接口の中を見ることでより多くの情報を得るだけではなく、今後の治療経過をわかりやすくなるというメリットがあります。


また口の中への意識が高いということを周りのスタッフや知らせることで、より一層のケアや治療を期待できます。


ポイントを押さえて口の中を確認する


一言で口の中を確認すると伝えてもどこを見て良いか分からないからですよね。


まずは歯があるかを確認しましょう。歯がある場合は”歯と歯ぐきの境目”。ここに汚れがないかチェックするだけで大丈夫です。


食べた直後は特にそこへプラークと呼ばれる汚れがつきます。


歯がないときは入れ歯の有無を確認しましょう。入れ歯は入れ歯の汚れも見てみてください。特に入れ歯の”裏側”や”金属のバネがついている場所”は汚れが溜まりやすいです。


最後にベロをチェックしましょう。”白くなったり緑になったり黒くなったり”していませんか。通常うっすら白く汚れがのっている状態では問題はありません。


汚れがついているから口腔ケアができてないとか歯科治療ができていないとかそういうわけではありません。


施設の職員さんも口腔ケアの時間が決まっているので、面会時はまだ行っていないことも多々あります。


あくまで以前と比べてどうだったか、これからどうなるかというあくまで基準として判断してくださいね。


”口をきれいにすること”は”生きること”


もし汚れや乾燥に気づいたら、ぜひキレイにしてあげてください。


先ほども書いたように自分の親の口を覗くのには抵抗がある人は多いと思います。


それに加えてきれいにするなんてなかなか気持ちが乗らない気持ちはわかります。


口は常に外と触れています。汚れやすい環境です。


口の中の汚れや乾燥は”誤嚥性肺炎”や”窒息”を引き起こします。そのため口の中をきれいすることは”生きること”でもあります。


スポンジで汚れをとって、リップを塗る感覚で口の中を保湿しましょう。10秒もあれば終わります。


もしお部屋にスポンジやジェルを使っていないのであれば、お部屋に置きましょう。スタッフさんにお願いすれば、日常もやってくれます。


このあたりは診療内容とは関係ないのですが、「リフレケア」という保湿ジェルはおすすめです。綿棒やスポンジで口の中に塗るだけです。保湿性が高く、”はちみつ””ライム””りんご”の3つから選べます。


ただ欠点もありまして、ベタつく感じに個人差があること、少しコストが高いこと、です。ですので最初はお試しで低コストのもの小さいサイズを購入してもいいかもしれません。ドラッグストアで販売しています。 


「だれでも、いつでも、口をキレイにできる環境」を作っておくと効果的だと思います。


訪問歯科診療に立ち会うのも"あり"


訪問の時間を病院に確認して一度立ち会ってみてはいかがでしょうか?


直接立ち会うのは少し億劫に感じるかもしれません。ですが先生の感じも分かりますし、直接いろいろ質問できるのはメリットだと思います。


またどうしても訪問歯科が合わないなら変えることもできます。訪問歯科の探し方という記事のリンクを貼っておくのでもしどうしても参考にしてみてください。


ただ介護施設と提携している医療機関となるため、自分で探すことになってしまいますので、できるなら今の歯医者さんとうまくつきあってみてください。


仮にそれでもどうしても口腔ケアができていない、治療が何も進まない、そんな状況なのであれば、きっと他のことでも施設に対する不満が続いてしまうはずです。


そのときは老人ホームを変えるという選択も考えた方がよいかもしれません。


最近は費用だけでなく、「LIFULL(リフル)」という介護の大手が運営しているツールを使うと、職員体制やリハビリ体制の手厚い施設を探すことできます。


ハイクラスや駅近のような細かい条件からも調べることができるので、すぐに変えるということは難しいと事前のリサーチはしておいて損はないですよね。

まとめ:訪問歯科の治療内容を確認しておくことは必須です

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今回のポイントをまとめます。

・訪問歯科の治療内容を”施設に行かず”に確認する方法 は4つあります

①介護施設のケアマネさんたちに聞く
②送られてくる報告書を確認する
③支払額を確認する
④病院に直接問い合わせる

・自分で直接確認することも大事

・訪問歯科や介護スタッフと情報共有して長生きしましょう



口の中の機能は食べるだけではなく、飲み込んだり、話したり、複雑な機能を持っています。その口の中をメンテナンスすることで健康寿命を延ばすことができます。


繰り返しになりますが、重要なのは定期的に口の中の状況を確認すること。家族に会う時間の中に少しだけそんな時間を取り入れてみてください。


今回は以上です。




【訪問歯科】自宅に来る当日の流れ。患者さんがおさえておくと便利なポイント。

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今回は訪問歯科がやってくる当日の流れを紹介します。


訪問歯科診療を依頼するということはあなたの身近に通院困難な人つまり”介護の必要”や”身体の不自由な人”がいますよね。


歯や口のトラブルを解決できる訪問歯科はこのような人にとってに必要なサービスです。


訪問歯科の当日、どのように歯医者が家の中に入ってきて診療が始まり、そして終わるのか。


この一連の流れを事前に知ることができれば少し安心して迎えられることができると思いますので紹介していきます。


まずは患者さん目線で、おまけ的に歯科医師目線も書いてみました。


正直ひとつも難しいことはありません。他人を家にあげるという意味で緊張感はあると思うので、基本的な流れだけ把握しておくことで少しでも緊張感が埋まれば嬉しいです。


事前に準備する書類は訪問歯科から連絡を受けているとものとします。(事前の流れも知りたい人は記事の下にリンクを貼っておきます。)

当日の流れ(患者さん目線)

到着

玄関

診療場所(リビングや寝室)

診療

診療内容説明

次回予約

退室



約束の時間にピンポンが来ます。(交通事情等で遅れるときは事前に連絡があります)


訪問の人数は1人〜3人くらい。初めての場合は2、3人で来ることが多いです。


扉を開けて、やってきた訪問歯科のスタッフを診療場所へ誘導します。


診療場所に入ったら診療の準備が始まります。道具を出したり、処置に応じて準備します。


診療が始まります。事前に先生や衛生士から説明があることも多いです。


診療中は近くで見ていても、別の部屋で過ごしていても問題ありません。


あなたが近くにいて欲しい場合には先生や衛生士から要望があります。


治療時間は処置内容位によりますが、10分〜30分ほど。診療が終わり、今日行った診療の説明と今後の予定が説明されます


記録用のノートやファイルを自宅に置いておくことも多いので、そこに診療した内容を記入したり次の予約を記入したりします。


診療に関して聞きたいことがあれば質問しましょう。


訪問歯科のスタッフが診療の片付けをします。全てのゴミを持ち帰り、現場復帰して終わりになります。


玄関まで誘導し退室。これですべて完了です。

小さいことだけど、おさえておくべきポイント


”他人を家に招き入れて、治療してそのまま帰る”っていう基本的な流れです。


ここで、事前におさえておくポイントを紹介しておきます。


本当に些細なことなのですが、かなり効果があります。


治療を受ける人(患者さん)の状況を把握しておく


訪問歯科のチームは歯の治療だけではなく持病の状況やその日の体調をみながら診療します。


患者さんのことを一番わかっているのはあなたです。


”今日はちょっと疲れぎみ”だとか”少しテンションが高い”とか”いつもよりちょっと熱がある”とか。


日常と比べての変化を診療の前に提供することで、治療する歯医者にとってはとてもありがたい情報になります。


診療の途中でも”なにかいつもと様子が違う”とか”疲れてきた”とか#肩で息してる#とか気づいたことがあったら伝えるようにください。


それで診療の時間が短くなったり、予定の内容が次回に持ち越しになったりする可能性もあります。


ですが体調に不安をかかえたまま口を開けて診療することは患者さん本人に負荷をかけてしまいます。先延ばしにする選択は間違っていません。


特に患者さんの状況を完全には把握しきれない最初の時期は、あなたの”声”が効果的です。



動線を考えておく


家の作りはひとつひとつ違います。


あなたの考えも”リビングは見せたくない”や” 寝室に入られたくない”などあると思います。


ですので、家の中で歯医者が移動する動線を考えてください。


考えておくべき動線は下の3つです。


玄関⇆診療する部屋⇆水道


これを診療場所は事前にしっかり考えておいた方が治療もスムーズに進みます。


経験上、寝たきりの人の場合は寝室やることが多く、少しでも動けるような人はリビングで椅子に座ってやることが多いイメージです。


ただ玄関からリビングがあまり遠かったり、途中他の部屋を通過してしまったりするときなどは玄関近くの応接室で治療するような大きい家もありました。



「コンセント・診療スペース」を考える


診療場所が決まったら、コンセントと診療スペースを考えてくだい。


治療には電源を使う道具を持ってくることがあって(削ったりとか吸ったりとか)コンセントを借りることがあります。


診療スペースもタタミ一畳ぐらいあればスペースはできますが、周囲に余裕があればあるほど道具の受け渡しなどもスムーズにいきます。


ちょっとした物を置く場所だったり(30cm 四方ぐらい)があれば助かります。


診療についての質問は片付けの前に

これもちょっとしたポイントなのですが、重要です。


診療についてわからないことや聞きたいことがあれば、道具が片付け終わる前に聞いておいた方がよいです。


ちょっとした事ならば道具が出ていればスムーズに対応することが出来まるからです。(患者さん本人の体調や状況によって判断します)


もう少し細かい話


あと細かい話ですけど、スリッパを用意するとかお菓子を用意するとかはあまり気にしなくていいです。


スリッパは持参しますし、お菓子も嬉しいのですけど次の予定があるので急いでバクバク食べたりで。ちょっと申し訳ない感じもするので、気を使わないでください。


もう一度出してしまうとなんか次も出さなきゃいけない、みたいな変な感じになってしまうと思うので、出さなくていいと思います。


あと冒頭で前提とした”事前の準備”の要点だけ簡単に紹介しておきます。


用意しておく書類は予約した時に確認しておきましょう。


車を停めるスペースも事前に教えておくと、直前に駐車場ありますか?みたいな時間のロスが少ないのでオススメです。


支払いに関してもいつどのように払うかも、事前に確認していなければ診療後に聞いてみましょう。


ここら辺をもっと参考にしたい方は下のエントリーを参照してください

haitter.hatenablog.com

当日の流れ(歯医者の目線)


最後に歯医者からの目線から見た当日の流れを書いておきますね 。

病院出発

車に乗り込む

訪問1軒目(個人宅)

訪問2軒目(個人宅)

あなたの家へ向かう

駐車

ピンポンする

部屋で治療

退室

お昼ご飯

訪問4件目(介護施設)

訪問5件目(個人宅)

訪問6件目(個人宅)

病院へもどる

カルテ・書類作成


一例を挙げてみました。


こんな感じで動いています。


細かいポイントを積み重ねることで治療がスムーズに進みます。


結果、患者さんの負担が少なくなります。


ぜひ実践してみてください。



認知症の人からの執拗な暴言と暴力で退職してしまった介護士さんへ。

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認知症の人からの執拗な暴言と暴力で退職してしまった介護士さんへ。



・介護の仕事に携わっていて、利用者さんから暴力を受けたことがある。


・介護の仕事から退職を考えたことがある。


・どんな状況なら、退職したほうがようのだろう...


このような人たちに向けて書いています。


■本記事の内容


この記事を書いている私はほぼ毎日、介護施設や精神病院、急性期病院、個人宅へ訪問している歯科医師です。


10年以上、高齢者や認知症患者さんのような”通院困難な人”の歯の治療をしています。


Twitterで情報発信しています。記事の信頼性担保につながれば嬉しいです。


『介護施設の優しい職員さんが退職されました。コロナが原因ではなく、認知症の利用者さんからの執拗な言葉の暴力で疲れ果ててしまったと。責任能力のないパワハラ。
最後の別れもできませんでした。細かい気づきのできる優秀な人。次の仕事は楽しい所でありますように。本当にありがとうございました!』




高齢者からの暴力や暴言は日常茶飯事

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利用者さんの歯の治療をするためにボクが毎週訪問している介護施設。先日そこで働く優秀な介護士さんが退職されてしまいました。


原因は一人の利用者さんからの執拗な言葉の暴力。


介護に携わる人ってもちろん仕事ですから生活のために働いているのですけど、介護の仕事が好きで仕事をされる人ともかなり多い印象です。


高齢者や体の不自由な人の役に立ちたい。お婆ちゃん子だったから、高齢の方が純粋に好き。そんな優しい人たちもたくさんいます 。


でも介護の仕事は重労働です。


ベッドから起こしたりお風呂に入れたり食事を手伝ったり、1日に何回も腰に負担をかけます。腰痛で退職や休職してしまった方々もたくさんいます。


介護の必要な利用者さんからの心無い中傷やセクハラで心を病んでしまった人もたくさんいます。


そんな人たちが少しでも自分の居場所ができるように、そして働きやすい環境で仕事ができるようになってほしいと強く思います。


責任能力のないパワハラ


老人ホームを利用している人の中には認知症を患っている人がたくさんいます。食べたことを忘れてしまう。言ったことを覚えていない。


身体が全く動かずお風呂や食事も難しい。逆に歩くことはできるけれども認知機能の低下がひどく夜に徘徊をしたり火をつけっぱなしにしてしまったような状態。


このような人を実際に自宅で介護すること。それを難しいと感じる家族はたくさんいます。


そのような人たちが安全に快適に生活するための場所が老人ホームのような介護施設ですよね。利用する人達はそこで”プロの介護”という目に見えるサービスを受けることができます。


認知症が進行すると、暴力を振るったり大声で暴言を吐いたり、女性に対して性的な嫌がらせをおこなうことがあります。


認知症の人は自分のしたことを覚えていません。触ったことも記憶に残りません。


これってまさに責任能力のないパワハラなんですよね 。



認知症が進行すると”本能”のみで行動を起こしているので、 周囲からの説得や理論的な説明に意味はありません。


介護に携わる人にとってはそんなのは当たり前のことかもしれません。


それでも認知症の利用者さんには”好き”とか”嫌い”みたいな感覚が残っていることもあり、そのため特定の介護職員さんに対して暴言を吐いたり性的な嫌がらせをするような場面が出てきてしまいます。


もちろん介護職員さんから利用者さんに迷惑をかけてしまって、 それがきっかけでそういう行為が起こることもあります。


それでも職員さんにとって、精神的に苦痛であることに変わりはありません。とりわけ心の優しい繊細な職員さんこそ、そのような行為を全て受け止め笑顔で仕事をしてしまいます。


あなたは召使いではない


”認知症だから仕方ない”と思っているのか”おじいちゃんだから可愛い”と思うのか、それは人それぞれだと思います。


ただ毎回罵声を浴びたりセクハラをされるような環境は人の心を荒ませてしまうに充分です。


笑顔とかポジティブな感情って、作るものではなくて湧き出てくるものなので、自分の置かれた環境に大きく影響されてしまいます。


そこで無理して笑顔を作っても、心の闇は止まりません。


”仕事だから仕方ない”と心から割り切れる人は問題ないですが、そんなストロングなメンタルを持っている人は少ないと思います。



とりわけ病みやすい人は”私が何とかしなきゃ””私が我慢すれば大丈夫”と全てを受け止める考えの人です。


ここでいう「全てを受け止める」というのは利用者さんからの全てというだけではなく、”もし私がここでやめたら周りのスタッフにまで迷惑をかけてしまう”という広い意味も含まれます。


”だから仕事はやめられない”と考えてしまいがちです。


”暴言をやめてほしい”と毅然な態度で伝えても、さらに暴言がひどくなってしまうのではないか、と恐怖に感じる場合もあるでしょう。


こんなことを色々なことを考えながら、それでも利用者さんのために仕事をしているんですよね。


それでもあなたは召使いではありません。その当たり前の事実は忘れないで下さいね。


退職を考えてしまったら

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退職を考えたらこの3つしかない。


少しでも退職を考えてしまった。そんなときは以下の3つしかありません。



・配置転換してもらう


・上司や家族と腹を割って話す


・退職する


上記の通りです。


配置転換してもらう


会社に相談して、配置転換の希望を伝えてみましょう。


その利用者さんから離れることができれば、自然とストレスがなくなるからです。


施設を移動しなくても、フロア移動でもかなり違います。


さらにメンタル的なケアを対策してくれるような、そんな職場であれば、働きやすい環境を作ることができるかもしれません。


反対に”そんなことは仕事の一部”と言って見てみるふりをする。事実確認をしない。そんな職場であれば今すぐにでも転職すべきです。


上司や家族と腹を割って話す


上司や家族に実情を知ってもらうこともひとつの手段です。


利用者さん本人と腹を割って話すことは現実的ではありません。特に認知機能が低下している場合はでは、そもそも話の理解が難しいです。



苦痛を受けている職員さんは耐えに耐えて耐えてそれでもダメで、やめていってしまいます。


心優しく仕事ができ繊細な人が多いので老人ホームにとってもかなりの痛手のはず。利用者さんにとってもその家族にとっても大きな大きな損失です。


暴言を受けたりセクハラを受けているような状況になったとき、”上司の理解”や”利用者の家族の理解”があるかどうかは、あなたの今後に大きく影響します。


退職する


退職も大きな選択肢です。


なぜなら、あなたの心と身体の健康が1番大切だからです。


生活がある、次の仕事がまだ・・・


事情はわかります。それでも健康がなくなってしまったら、働くことさえ難しくなってしまいます。


無理は禁物です。


退職を決める基準

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退職の基準は「環境」と「体調」です。

利用者さんの家族の理解


利用者さんの家族の理解もあるかないかで大きく違います。


極論で言うと「お金を出してるんだからしっかり仕事しなさいよ」ていうスタンスなのか、「うちの父が暴力や暴言を吐いているようで本当に申し訳ない」と思うスタンスなのか。


このどちらなのかでモチベーションが大きく変わりますよね。


もちろんお金を出してサービスを受ける契約をしているわけですから、色々と要望する権利はあります。ただ一線を超えた暴言やセクハラは許されるべきものではありません。


仮にそれも仕方ないと思うのであればその料金も追加で払うべきです。暴言を受けたりセクハラを受けるというのは介護サービスに入っていません。


それを踏まえて、”家族がどう感じているか”ということは退職の基準になります。


スタッフ同士の関係


職員さん同士の関係も基準です。


というより、職場の人間関係は働くうえで「すべて」です。


健康に人間らしく働くためには、人間関係に大きく影響されます。


もちろん人間関係には合う、合わないがあります。全員に好かれる人もいなければ全員に嫌われる人もいません。


ハッキリ言って運の要素も強いです。コミュニケーション能力が高い人だとしても全員と仲良くできるわけではありません。


確率論として仲良くしやすいというだけで、 どんな環境でも適用できるわけではないのです。


立ち去る勇気も必要です。


自分自身の健康


あなたの体調は、そこで働き続けるかのバロメーターです。


身体や心は正直です。


「どうしても行きたくない」そんな状態で続けることは、いつかあなたが壊れてしまいます。


退職すべき自覚症状については【女性介護職の方へ】すぐにでも退職すべき自覚症状【ただしバックレ(無断退職)は損】で詳しく解説しています。


限界を感じたら...


もうすでに限界を感じている方は、すぐに退職しましょう。


繰り返しになりますが、自分の健康がなにより大切です。


民法上は2週間前につたえれば退職することができます。


そんな悠長なことも言っていられない、すぐにでも退職しないとおかしくなりそうという方は退職代行という方法があります。


退職代行を利用すると即日退職することができます。


具体的には「わたしNEXT」という退職代行サービスがおすすめなのですが、利用方法は【感想あり】女性向け退職代行”わたしNEXT”を徹底レビュー【デメリットも】で解説しています。


退職代行を理解してから利用したい人は【女性介護職向け】退職代行サービスの選び方+おすすめ3選【もう限界...失敗したくない】で解説しているので、セットでご覧ください。


冒頭でも紹介した優秀な介護士さんは、この退職代行サービスを利用して退職されました。


本当に優しくて細かい気づきのできる人で、最後に辞める勇気を持って自分を守ることができました。


最後のお別れができませんでしたが、次の仕事は楽しいと場所であるよう本当に心から祈ってます。


ほっとできる場所へ


仕事から帰って癒される環境は大切です。 大切な人、いますか?大好きなこと、ありますか。


そんな時間が作れないくらい働いているなら今すぐ退職を考えるべきかと。


もしプライベートでほっとできる場所がないのであれば、そんな場所を探してみることは人生の経験と質を大きくあげるはずです。


一度立ち止まってゆっくり考えてみてはいかがですか。人生100年と言われていいて、たった一年や二年ゆっくり立ち止まって悪い、なんてことはありません。


介護が好きで、おじいちゃんおばあちゃんが好きで仕事をしている人ならば、どこへ行っても通用します。いつでも戻ってくればよいのです。


まずは自分が居心地のいい環境を探して、そこに身を置いてあげてください。


やめる勇気を持ちましょう!


自分の健康が最優先。ポジティブな環境に身を置こう


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もし、楽しく仕事をしたいとおもうのであれば”あなたの個性を否定しないコミュニティ”に移動するべきです。


会社が守ってくれるかどうかはわかりません。他人を変えるより自分が変わった方が圧倒的に早いです。


他人を変えようとすると怒りだったり恨みだったりが生まれやすい環境になります。


そういう負の感情は個人的に無駄だと思っていて、できるだけ自分のことはポジティブな環境におくべきだと考えています。


そうすればモチベーションも上がり、仕事の質にも先には人生の質にも繋がります。


少し個人的な話をするとボクは”頑張りすぎないことを賞賛する”環境に自分の身を置くようにしています。


簡単に言うと”死ぬほど頑張らなくてもいいよね”ということです。


”死ぬ気で頑張れ”とか”寝る間も惜しんで働け”という考え方はあるのはもちろん分かります。 否定なんてしません。


ただ自分には合わないとわかっているので、そういう環境からは距離を置くようにしています。


誰かのために仕事をするなら、まずは自分が健康じゃないといけなくないですか?


自分を肯定できる環境を探してそこに身を開いてあげてください。我慢強くて優しいあなたなら必ず見つかります。


挑戦はあなたがあきらめない限り、何度でもできます!


”負”に目を向けるより”正”を増やしていきましょう。


最後に・・・やめる勇気が持てますように。


【今回の内容に関連した記事】

✔︎ 【こんな自覚症状は危険です】
【女性介護職の方へ】すぐにでも退職すべき自覚症状【ただしバックレ(無断退職)は損】

✔︎ 【退職代行とは・選び方】
【女性介護職向け】退職代行サービスの選び方+おすすめ3選【もう限界...失敗したくない】

✔︎ 【退職代行の利用方法】
【感想あり】女性向け退職代行”わたしNEXT”を徹底レビュー【デメリット・口コミ・トラブル・登録後のやりとり】









歯科医師の視点からみた”ゴックンの評価”。”むせ”からわかる対応手順。家族や施設で共有してほしい。

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先日こんなツイートをしたら少し反響があって、質問をいただいたりしたのでちょっとだけ詳しく書いてみますね。



テーマ:”むせ”の状態から適切な対応を見抜く。


高齢者や体の不自由な人が食事中にむせることがあります。


毎回むせてしまって食事が進まなかったり苦しくなってしまって食べなかったり、このような場面は日常茶飯事ですよね。


家族や介護するスタッフさんからすると、栄養をとる意味でも食べて欲しいんですけど、どうしていいか分からずに、結局とろみをつけたり食事の形態を柔らかくして対応することが多いと思います。


一律でとろみをつけたり食事の形態を変えていることも多い印象です。安全性を考えるととろみをつけて食事の形態を変えるということは正しいです。


そこに加えて”いつムセているのか””なにを食べるとムセているのか”それを見極めることはさらに安全性を高めることができます。


そして”むせの原因”を知ることが出来れば”対策”をとることができます。”対策”をとることができれば安全性もさらに向上しますよね。


本人や家族から食べたいものが提案されたときにも、原因を知っていれば対策がとることができます。リハビリや訓練のゴール設定の根拠のひとつにもなるはずです。


家族や施設のスタッフさんの食事介助の何かの役に立てれば嬉しいです。

想定読者:食事中にムセてしまう方の家族、その介護や医療に携わる人たち


体が不自由だったり高齢だったりする人の食事に関わる人たち。

具体的にはご家族はもちろんケアマネさんや介護職員さん、言語聴覚士さんや理学療法士さん栄養士さんの参考になれば。

注意点:本質を紹介しています


難しい専門用語はほぼ使っていません。


今日からすぐに観察できるような内容だったり実践できる内容を意識して、なるべく分かりやすく簡単に書いたつもりです。


とはいえ一応ゴックンの治療を専門とするの歯医者として根拠や今までの経験をもとに紹介しています。特に対策の部分では言語聴覚士さんが、栄養バランスや食事の形に関しては栄養士さんがスペシャリストです。


もし具体的な補足があれば指摘して頂けるとありがたいです。( Twitterが一番早いと思います)


あと時間のない人とか面倒くさいと思う人のために、目次から”まとめ”に飛んでもらうと全ての症状の原因と対策をまとめて掲載しています。


目次

いつむせている?【ポイントは3つ】

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ポイントは以下の3つです。

①飲んで”すぐ”むせる

②飲んで”しばらくたって”むせる

③食べることと”関係なく”むせる



最初にふたつだけ、”誤嚥(ごえん)””嚥下(えんげ)”という言葉を覚えてほしいです。


”誤嚥”とは、つばや食べ物、胃液などが気管に入ってしまうこと。

”嚥下”とは簡単にいうと”ゴックン”のことです。”モグモゴックン”の”ゴックン”。これだけです。


これからこの言葉たちはちょこちょこ出てきてしまうので、なんだ。ゴックンのことか、と思って読み進めて下さいね。



①飲んで”すぐ”むせる


飲んで”すぐ”むせることを嚥下前誤嚥といいます。


口に入れたものをゴックンする前にむせてしまうという状況です。


この原因は2つあります。


・ゴックンの反射の「遅延」や「喪失」

・口の中に食べ物を「保持」することができない


食べ物が喉に到達するスピードにゴックンのタイミングが合わないと、食べ物が喉の奥やその先にある気管に入ってしまい、むせてしまいます。


②飲んで”しばらくたって”むせる


飲んで”しばらくたって”むせることを嚥下後誤嚥といいます。


口に入れたものをゴックンした後、時間をおいてむせてしまっている状況です。


この原因は主に3つあります。


・多すぎるひと口量

・ゴックンのパワー不足

・パワーを必要とする食品の摂取



ゴックンした後も完全に飲み切れていないため、むせてしまいます。


③食べることと”関係なく”むせる


食べることと”関係なく”むせることを”唾液誤嚥””逆流後の誤嚥”といいます。


この原因は主に3つあります。

・ゴックンのパワーの低下により喉に唾が残ってしまっている

・のどの感覚が低下している

・胃や食道からの逆流




自分のつばでも誤嚥している状態なので、普段の日常でも寝てる間でさえ、むせてしまいます。

何を食べてむせている?

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①嚥下”前”誤嚥


嚥下前誤嚥の原因になりやすい食べ物は次の2つです。

・水分流れるスピードが速くまとまりにくいもの

・パラパラしていて、まとまりにくいもの


イメージとしてはのどにササっと落ちてしまったり、まとめたつもりなのにこぼれ落ちてしまって意図せずのどに落ちていってしまうような食べ物です。


少し難しい言葉でいうと”流動性の高い食品””凝集性の低い食品”です。


具体的に挙げておきますね。

【嚥下”前”誤嚥の原因になりやすい食べ物】

・水
・水
・果物
・クッキー
・煮大根
・水
・水
・水!


②嚥下”後”誤嚥


嚥下後誤嚥の原因になりやすい食べ物は次の3つです。

・くっつきやすいもの

・形が変わりにくいもの

・まとまりにくいもの




イメージとしては喉にくっつきやすかったり、ベタベタしていたり、後はこんにゃくのような形が変わりにくいような食べ物です。


嚥下前誤嚥と同じでまとまりにくいものも原因となります。


少し難しい言葉でいうと”粘度の高い食品””付着性の高い食品”あとは嚥下前誤嚥でもでてきた”凝集性の低い食品”です。



こちらも具体的な食べ物をあげておきますね

【嚥下”後”誤嚥の原因になりやすい食べ物】

・肉
・のり
・寿司
・ご飯
・お餅
・そぼろ
・おにぎり
・こんにゃく
・チャーハン

③唾液誤嚥や逆流後の誤嚥


この場合は具体的な食べ物というより、自分のつばや胃や食道から食べ物が逆流することで起こります。


実践的な対応

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①”嚥下前誤嚥”への対応


口の中の食べ物の動きを調整することが大切です。

・とろみ剤の使用:ゆっくり動きまとまりのある形にするこれにより流動性を下げて凝集性を上げます。

・嚥下を活性化させる:アイスマッサージのような嚥下促通訓練で嚥下の反射を活発化させることは有効です。

・姿勢の調整:特に顎を引くのは有効で口の中に食べ物の保持しやすくします。タイミングを取りやすくなる効果もあります。

・食事に集中できる環境づくり:食べることに集中する環境作りをします。テーブルを離すとかテレビをつけないとか他に注意が向かないように嚥下の意識化しましょう。

   


②”嚥下後誤嚥”への対応


口の中や喉に食べ物が残らないようにすることが大切です。

・顎引き嚥下: 強い力で飲めるようになります。

・食形態の変更:弱い力でも飲めるように食べ物の形を変更します。

・ひと口量の調整:口や喉に食べ物が残りにくいように一口の量を少なくします。

・食事のペースの調整:あまり早く詰め込みすぎてしまうと誤嚥だけではなく窒息の原因となります。
・嚥下を複数回行う:これも喉にいい食べ物は残らないように1度ではなく何回かゴックンしてもらいます。



③”唾液誤嚥”、”逆流後の誤嚥”への対応


唾が口やのどの中に残らないようにすることが大切です。


・就寝時の姿勢の工夫 :横向きで寝るほうが安全です

・空嚥下(からえんげ)を促す:口の中に食べ物がなくてもゴックンしてもらいましょう。

・お腹の圧迫をしない:食べ物の逆流防止になります。

・食後座ったままにする:食べ物の逆流防止にあります。

・満腹にしない:満腹にしてしまうとその名の通り食べ物が戻ってきてしまいます。

・食べ物に気をつける:油っぽいものコーヒーチョコレートこのあたりが逆流しやすい食べ物です 。

とろみについて

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今はとろみ剤がすごく優秀で以前と比べて本当に2倍くらいの精度になったんじゃないかなと思ってます。


基本的には30秒まぜて3分待つのが基本です。


とろみって実は一長一短があります。ツイートしているので参考にしてください。


この通り、食品をまとまりやすくなるように、口や喉の中でばらつかないようにするっていう効果。


ゆっくりと喉に流れ落ちるからごっくんの話が間に合うようになるタイミングが合うようになるっていう効果。


その一方で喉に残りやすくなったり、飲み込むのに強い力が必要になっってしまう作用もあります。


ですので、とろみをつけすぎると逆に”嚥下困難食”になってしまうので注意が必要です。


そのためには適切な量を適当適切な時間混ぜることが大切です。


そうすることで、とろみが安定した状態で食事することができます。



忙しいと適当な量を入れて適当にガチャガチャって混ぜたくなるんですけど、 後々のことを考えると適切に作っておいた方が食事がスムーズに進むと思います。


ちょっとでも早くとろみをつけたければも”早く混ぜる”か”温度を高くする”は有効です。


ほんの少しだけよく混ぜるだけで、とろみの安定性はグッと高まります。


あと、どうしてもとろみをつけたい場合には”2度混ぜ法”とよばれる、”混ぜてから15分待ってとろみを加えて、混ぜる”という裏技的なやり方もあります。


ですがこれは時間がかかってしまうのであまり現実的ではないかもしれません。




まとめ

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介護に携わる家族や施設のスタッフさんは正直多忙で、特に施設の場合は人数的にもマンツーマンでついて食事を指導したり観察するということが難しいです。


そのため”ながら”でできて”効果的”で”効率的”な方法が一番実践しやすいのでは?と感じていつも診療しています


直接食事介助しなくても促しだけで反応してくれる人達もいます。


限られた時間の中で比較的実行しやすいものを紹介してみましたので、家族や施設で共有してもらえると嬉しいです。

最後に原因と対策を再度掲載しておきますね。

【飲んですぐむせる(嚥下前誤嚥)】

原因

・水分流れるスピードが速くまとまりにくいもの

・パラパラしていて、まとまりにくいもの

【嚥下”前”誤嚥の原因になりやすい食べ物】

・水
・水
・果物
・クッキー
・煮大根
・水
・水
・水!

対策

・とろみ剤の使用:ゆっくり動きまとまりのある形にするこれにより流動性を下げて凝集性を上げます。

・嚥下を活性化させる:アイスマッサージのような嚥下促通訓練で嚥下の反射を活発化させることは有効です。

・姿勢の調整:特に顎を引くのは有効で口の中に食べ物の保持しやすくします。タイミングを取りやすくなる効果もあります。

・食事に集中できる環境づくり:食べることに集中する環境作りをします。テーブルを離すとかテレビをつけないとか他に注意が向かないように嚥下の意識化しましょう。


【飲んでしばらくしてむせる(嚥下後誤嚥)】

原因

・くっつきやすいもの

・形が変わりにくいもの

・まとまりにくいもの

【嚥下”後”誤嚥の原因になりやすい食べ物】

・肉
・のり
・寿司
・ご飯
・お餅
・そぼろ
・おにぎり
・こんにゃく
・チャーハン

対策
・顎引き嚥下: 強い力で飲めるようになります。

・食形態の変更:弱い力でも飲めるように食べ物の形を変更します。

・ひと口量の調整:口や喉に食べ物が残りにくいように一口の量を少なくします。

・食事のペースの調整:あまり早く詰め込みすぎてしまうと誤嚥だけではなく窒息の原因となります。
・嚥下を複数回行う:これも喉にいい食べ物は残らないように1度ではなく何回かゴックンしてもらいます。


【食べることと”関係なく”むせる(唾液誤嚥、逆流後の誤嚥)】

原因

・ゴックンのパワーの低下により喉に唾が残ってしまっている

・のどの感覚が低下している

・胃や食道からの逆流

対策
・就寝時の姿勢の工夫 :横向きで寝るほうが安全です

・空嚥下(からえんげ)を促す:口の中に食べ物がなくてもゴックンしてもらいましょう。

・お腹の圧迫をしない:食べ物の逆流防止になります。

・食後座ったままにする:食べ物の逆流防止になります。

・満腹にしない:満腹にしてしまうとその名の通り食べ物が戻ってきてしまいます。

・食べ物に気をつける:油っぽいものコーヒーチョコレートこのあたりが逆流しやすい食べ物です 。



>>参考:訪問歯科の仕事内容とは?【アルバイトを迷っている歯科医師の先生へ】
>>参考:【求人多数】訪問歯科衛生士の仕事内容をわかりやすく解説。






老後2000万円問題を"歯医者"の視点から考えてみたらいまさら希望が湧いた件について。

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以前、老後2千万円問題がかなりの注目されました。


「60歳以上の夫婦であと30年くらい生きるなら2000万くらいの貯金が必要」みたいな感じだったと思います。



”2000万円”ってめちゃくちゃ大金で貯めるの大変じゃないですか。


今40歳の人が20年で貯めようと思ったら、単純に年間100万ですよ。


それだけでもきついのに、20年も同じペースで貯め続けられる保証なんてないじゃないですか。


病気するかもしれないし、会社が潰れるかもしれないし、介護とかで急な出費があるかもしれないし。


だからこそみんなどうしてくれるんだって怒ったのだと思います。




僕は歯医者をしてるんですけど、結論から言うと”自分の歯って2000万以上のくらい価値があるんじゃないかな”と冷静に思いました。


ボク個人の歯と言うことではなくて、あなたの歯も、人間全ての歯です。


2000万円を急に貯められるわけではないですけど、歯を失わないことか2000万円いやそれ以上貯金したのと同じくらいの価値があるのではないかと考えました。


この記事のポイントは下の通りです。

「歯に2000万円の価値があるかも!」「歯のメンテナンス、大事じゃね?」と一人でも多くの人が感じてくれたら嬉しいです。



【記事のポイント】

・あなたの歯には2000万円以上の価値がある
 ↓
・歯の定期検診にいく
 ↓
・ブラッシング指導を受ける
 ↓
・毎日歯磨き!(歯ブラシは定期的に買い換える)
 ↓
・最低1500万円はうく


あなたの口の中には2千万円の価値がある
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【訪問歯科】治療に立ち会った家族やケアマネさんが診療直後に確認してほしいこと。

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今回は訪問歯科が自宅にやってきて治療をしたあと、立ち会った”家族”または”ケアマネージャーさん”に確認しておいてほしいこと、を紹介します。

自分の家に他人が上がるのをあまり快く思わない人は多いと思います。


自宅で介護が必要な人に歯のトラブル(歯の痛みや歯ぐきの腫れなど)が起こってしまうと、訪問歯科を依頼することになります。


必要でしかも医療者とはいえ、やはり他人です。緊張してしまう人もいますよね。


滞在時間は短くて10分ほど、長くても30分くらいがほとんどです。


それでも歯の治療は特に長く感じてしまうかもしれません。


訪問歯科が家にやってきて治療中に”家族”や”ケアマネさん”のような介護に携わる人は何をしたらいいの?


ざっくり事前に分かることで、少しでも気持ち的に楽になれば嬉しいです。


患者さんは頑張って口を開けていてください!


訪問歯科のチームは2人もしくは3人です。(状況により1人のこともありますが、治療をするなら2人以上がほとんどです)


この人数で部屋に上がって治療をします。


少しだけ患者さんの話をすると、患者さんは治療中、先生の指示通りに口を開けたり体を動かしたりするだけで問題ありません。


通常の歯医者さんと同じようにもし痛ければ手をあげたり顔をしかめたりしてください。


治療を途中でストップします。


うがいもその場でできる準備をしていくので、水道を図を借りることができれば必要以上に移動することはありません。


診療が終わるまでの辛抱です。頑張って口をあけていてくださいね。


家族やケアマネさんは何をしていればよいのか

診療に家族やケアマネさんが立ち会った場合は何をしてればよいでしょうか。


結論からいうと、何をしていても大丈夫です。


側にいて診療大垣から見ているのも全く問題ないですし、他の部屋で自分の好きなことをしているのも全くありません。


家族とケアマネさんが一緒にいるときは、歯科ではなく介護に関しての別の話をしていることが多い印象です。


もちろん実際に診療を見れば説明を受ける時にイメージがしやすいと思います。


身もふたもない話ですが、必ず立ち会うとか外に出てなきゃいけないとかそんなことはないので、 本当に自由にしてて大丈夫です。



診療が終わった直後に確認してほしいこと


治療が終わった直後が先生から説明があります。


今日は歯石をとりましたとか、次回は虫歯を削る予定ですとか。


その時に確認しておいた方がいいことがありますので、あげておきます。


  • 次回の予約はいつなのか
  • この治療はどのくらい期間がかかるのか
  • 急な症状が出たときはどうしたらよいか
  • 次の診療までに何か気をつけておくべきことがあるか



特に最後の2つ ” 急な症状が出た時はどうしたらよいか”と"次の診療にまだ気をつけておくべきことがあるか”はかなり重要です。


訪問歯科の場合は普通の歯医者さんと違って患者さんが好きなときに歩いて通院できるわけではありません。


もし違和感が出たり痛みが出たりした時は歯医者さんを”依頼”しなければないので判断が難しく、場合によってはすぐに対応してもらえないことも考えられます。


そのような可能性も踏まえて、”こういう症状が出たらこうしておいてほしいとか” "この場合は連絡欲しい”のような症状がでたときの対応を事前に確認しておくと、慌てずに済みますよね。


歯医者が帰った後の話


友達とラーメン屋さんに行った時、その場では「まぁまぁおいしい」って言うじゃないですか。


そのラーメンに対する本音を言うのはお店を出てから50メートルくらい歩いてからですよね。


少なくとも僕はそうです。


これで同じように患者さんが本音を言うのは” 歯医者が帰ったあと ”だと思ってます。


そして、その本音を家族やケアマネさんが聞いておくことはとても大切なことだと思います。


我慢強い患者さんだとまだ痛みがあるのに平気と答えたり、気を使って大丈夫と言ったりすることも多いのではないかと感じています。


本音を家族やケアマネさんが聞いておくことで、次の診療の時に歯医者にそれとなく伝えることもできますし、何より患者さんにとって誰かが理解してくれているということはとても大きいことです。




治療してもらったのにまだ痛かったり、痛い時の対処法を知らなかったりするととても不安になります。


ですので繰り返しになりますが ” 急な症状が出た時はどうしたらよいか”と"次の診療にまだ気をつけておくべきことがあるか”を確認しておくことは大切です。


治療内容だけじゃなく訪問時間チームに対する印象とかイメージみたいなことも、直接患者さんから伝えづらいことが多いので、家族やケアマネさんが聞いておくことは今後にとっても重要です。


こう言ったら悪いんじゃないか、とかこう言ったら変にされるんじゃないか、患者さんってそういうことまで考えたりするのではないでしょうか。


医療者にはそういう指摘をされた方が嬉しいと思う人もいます。


僕はどちらかというとこっち派で、指摘されたことに反発するというよりも、 的確な指摘であれば今後に活かせると思ってとても嬉しく思います(反省します)。


どういうタイプの先生なのかというのは何回か来て信頼関係ができないと分かりにくいと思います。


ですので患者さん家族ケアマネさんで共有しながら、関係を築いていくのは必要ではないでしょうか。



”治療が雑”とか”時間に遅れてくる”とか”説明が分かりにくい”とか”白衣が汚い”とか個人によって色々思うことがありますよね。


もし伝えやすい先生であれば言ってもいいと思いますし、 言いにくいような先生の時は歯医者の変更を考えるのも手段のひとつです。


ただやっぱり言ってあげた方がその回答を聞く機会を設ける事にもなりますし、今後訪問歯科を受けるであろう人の幸せにも繋がると思ったりします。


前回は訪問歯科が来る前の準備の話をしました。 参考にしてみてください。

haitter.hatenablog.com

まとめ


結局は家に来てもらうとは言え、過剰に気を使う必要はないということです。


溜まりに溜まってから伝えるよりは、言いにくいと思いますけどサクッと事前に伝えた方がうまくいく場合もあります。


思ったことを伝えられるような関係を築けるような訪問歯科の先生と出会えれば、 それは一生続く出会いになるかもしれません。


必ず人はいつか死にます。訪問歯科の対象とする患者さんのほとんどは終末期と呼ばれる人生最後の時間を過ごしている人です。


そんな人の時間が少しでも楽しくて少しでも痛みがなくて、そんな時間が多く過ごすことのできればいいなと思っています。



【訪問歯科が自宅にくる前に読んで欲しい】事前に準備してほしい家の中のこと。あと少しだけ心の準備も。

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今日は訪問歯科が自宅に来る時の準備とか心構え?みたいなものを紹介してみます。


他人が家の中に入るってすごく緊張しますよね。


僕は友達でも家にあがられるのがあまりいい気がしないので、医療関係者とはいえ個人的な関係の薄い人達が家にくるというのは心のハードルがかなり高いかなぁ、と思っています。


けれども訪問歯科を依頼して歯の治療をおこなわなければならない人がいるときは、どうしても家にあげなければいけませんよね。


この記事では、訪問歯科が「くる前にしておくと便利な事前準備」とか「簡単な心構え」を紹介しています。


訪問歯科が家に来てどのような感じで診療していくのかということが事前にわかるので、実際の準備にくわえて心の準備の参考にしてもらえたら嬉しいです。


まずは診療する部屋を決める


最初に診療する部屋を決めてください。これは患者さん側で決めてしまってまったく問題ありません。


自分で動ける人(車椅子や杖などを使っても)は家の中の好きな場所で大丈夫です。


部屋や寝室に入られるのが嫌な場合はリビングのような所、 逆に生活空間を見せたくないという場合はリビング以外のどこかの個室を選んでください。


玄関からの動線も考えてみると良いと思います。見られたくない部屋を通りような経路は避けてくださいね。


診療する時に水道を借りるが多いので台所か洗面所どちらを使うかもう考えておきましょう。


ベッドから動けなかったりする人は寝室になることが多い印象です。

診療を受ける体制。寝ていてもよい?


診療の体制は寝ていても座っていてもどちらで問題ありません。


自分のやりやすい姿勢で大丈夫です。


診療中は首が疲れてしまうことがあります。


訪問歯科の病院によってはヘッドレストみたいなのを持ち合わせていることもありますが、念のため壁際に座って壁に頭をつけられるようにしておくと首がかなり楽になります。


クッションとか座布団とかを頭の後ろにしてもいいです。


あとは、治療の道具をおくスペースがあるとスムーズに診療できます。


広さは少なくとも30cm四方あれば診療がしやすいです。


実際診療するのスペースはもちろん広い方がラクですが、最低でも畳一畳文ぐらいあれば道具を設置して診療できるので、そこまで細かく気にすることはないと思います


水場以外にコンセントを使うことがあるので、コンセントの場所も確認しておくとよいです。

家に来る前に教えてもらえると感謝


一番最初に来る時、駐車場の場所鍛えてあげるとスムーズに家まで来ることができます。


家の前の道が狭かったりとかマンションの駐車場を使えるとか、駐車場がないからコインパーキングを使ってほしいなど・・病院側も周辺を調べるとは思うのですが事前に分かっておくとかなり助かります、


事前に必要な書類は訪問前に歯科医院から連絡があるはずなので、用意しておいてください。


基本的に保険証の提示は必要で、毎回ではなく月初めのことが多いです。保険証の内容が変わったりした時に伝えればよい場合もあります。


初めての時はおくすり手帳とか今までの病気の情報とかがあると安全に治療できます。




歯の悩みを具体的に


歯の悩みをできる限り具体的に説明できるようにしておいてください。


・どこが

・いつから

・どのくらい

・どのようなときに


これは伝えるようにしてください。


悩み(これを主訴といいます)を具体的に伝えることって治療がスムーズに進みます。

その他の細かいこと


スリッパとかは気にしなくてもいいです。


準備してくれることも多いのでありがたく使わせてもらっています。(ない場合を想定してスリッパ持参でお邪魔してます)


診療中は患者さん本人以外に、家族が立ち会うことも全く問題ありません。


むしろ家に来て何をするかというのは気になるところだと思うので、 時間が許すのであれば積極的に立ち会ってくださね。


特に本人との意思の疎通が難しい場合などは立ち会っていただけると何をしたかということがわかりやすいです。


もし今後何か気を付けてほしいことがある場合とかも家族がいた場合の方が具体的に伝えやすいです。


立ち会えない場合でも診療は問題ないです。


その時は家にノートや紙にどんな診療したか記録を書いていくので、後で確認することができます。

__


訪問歯科の対象となる人は必ず持病持ってます。そのため普段の様子を知る人が、診療中の様子を見ることは歯医者にとっても助かります。


家族や介護者に見せる顔と、歯医者に見せる顔は違うのは当然ですので。


診療時間は治療内容だけでなく、体調によっても変わります。


歯医者に行けば1時間かけておこなう治療でも、訪問診療の場合は15分ずつに分けて4回するようなこともよくあります。


普段の体調を知っている家族やケアマネさんが本人の疲労度や体調を判断してあげるということも必要なことです。


__


診療が終わったらお茶とかお菓子を出してくれる家もあるんですけど、 全くそういうのは気にしなくていいです。


逆にちょっと気を遣わせてしまったりするのも申し訳ないですし、 次の診療予定がある場合などでも申し訳なく思ってしまうのであまり気を使わないでください。



支払いは翌月払いです。 翌月の診療日に支払いをお願いされることが多いとおもいます。


あまり大量にお釣りを持っているわけじゃなかったりするので、1500円の診療費だとしたら1万円よりは2000円とかで払ってもらう方が嬉しいです。

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次の診察日がいつなのか、今やってる治療はどのくらいの期間かかるのか、は最初に聞いておく安心です。


通院の難しい人にとっては、治療を完了させることも大切ですが、 今後虫歯とか歯周病の症状を出さない(予防する)ということも大切になってきます。


そのため口腔ケアとか定期検診と呼ばれる定期的な訪問歯科診療を提案をされることは多いです。


その説明を聞いて定期的に歯科を受診するかどうかによって今後のペースが変わってきます。


状態が良ければ月に一回とか2ヶ月に一回とか半年に一回とかそういうベースになることが多く、逆に歯ぐきからの出血が多いとか痰が絡むとか継続的な症状がある場合は毎週とじゃ2週間に1回とか毎週を提案されることが多いです。


そのときは費用も確認しておきましょう
haitter.hatenablog.com




訪問歯科診療は10年以上やっている僕の経験上、 最初はすごく緊張していたり警戒していたりする方でも、 何度か訪問して信頼関係を築けていくことができればだんだんと打ち解けてくることが多いです。


訪問するの時間ですが、例えば11時と約束していても交通の事情とかで多少の前後することがあるので、ジャストタイムというよりは前後30分くらいの予定を空けておいた方が嬉しいです。



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以上が訪問歯科の家に来るまでの準備と終わるまでの流れになります。



訪問歯科はをやっている先生たちは本当にいろんな家に訪問しているので、正直多少汚れているとかちょっと狭いとかっていうことに関しては全く気にしません。


家の中に荷物が積み重なって獣道のようなアイデアを通って行くお宅もありますし、 ゴミが散乱していて床がベタベタする家もあります。


ボク個人としては、もうそれは個性だと思って受け入れられますし、あるがまま見せてもらえるほうが普段の生活スタイルを感じることができるので、診療に活かすこともできます。



それでも他人を家にあげるということは気を使うことだと思うので、冒頭に述べた「水場」「コンセント」「診療場所」は事前い決めておいてくださいね。



sutahh

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