訪問歯科で” 働く前 ”の衛生士さんへ送るアドバイス【知っておくとちょっとだけ便利なこと】
訪問歯科に興味のある衛生士さんへ
・訪問歯科で働く前に、知っておくと便利なことは?
・ちょっとしたアドバイスがあれば教えて欲しい。
この記事では、そういった疑問に答えていきます。
■本記事の内容
この記事を書いているボクは歯科医師です。歯科医師になってから10年以上、ほぼ毎日、介護施設や精神病院、急性期病院、個人宅を訪問しつつ、大学で”高齢者の歯科治療”を教えています。
これまで50以上の医療機関と関わってきまして、100人以上の衛生士さんと一緒にお仕事してきました。
Twitter で情報発信しています。記事の信頼性担保につながれば嬉しいです。
【口から食べていなくても、口腔ケアは必要】
— しろたぬ@歯の人☘お豆腐メンタル (@shirotanu_dds) 2020年6月6日
栄養補給を鼻腔栄養や胃瘻に切り替えた人はつまり、要介護状態にある人です。体力が落ち、舌や頬の口の機能も低下します。
自浄作用が期待できず、痰や粘膜の新陳代謝で口の中は不潔になります。保湿剤で潤したあと、スポンジで拭うのはとても有効です。
『【口から食べていなくても、口腔ケアは必要】栄養補給を鼻腔栄養や胃瘻に切り替えた人はつまり、要介護状態にある人です。体力が落ち、舌や頬の口の機能も低下します。
自浄作用が期待できず、痰や粘膜の新陳代謝で口の中は不潔になります。保湿剤で潤したあと、スポンジで拭うのはとても有効です』
衛生士さんが訪問歯科で働く前に覚えておくと便利なこと
訪問歯科とは「チーム医療」
訪問歯科はチーム医療です。これをまず基本に考えましょう。
対象となる患者さんは全身に疾患を抱えていたり、認知症だったりで通院困難なひとたちです。
そのため、患者さんの周りにはいろいろな職種の人たちが携わっています。スケーリングするにも SRPするにも、自分たちの治療だけを推し進めていくわけにはいきません。
チームというのは歯科医師と衛生士だけではなく、担当医、介護職員、 家族、栄養士、言語聴覚士、ケアマネージャーなど、患者さんを支えるすべての人たちのことをさします。
持病の治療、介護、リハビリ、栄養。 いろいろな側面から治療の妥当性を考慮しなければいけません。
体の機能が低下した患者さんは免疫も低下しているため、肺炎や窒息を起こしやすく、口の中の汚れを取り除くことは非常に大きな意味をもちます。
そのため歯科衛生士のおこなう”口腔ケア”は訪問歯科診療において重要な位置付けです。 チームの一員という意識を持って、口腔ケアをしてください。
全身疾患
全身疾患を知っておくことは、 患者さんを理解することだけでなく、自分の身を守ることにもつながります。
血が止まりにくかったり、免疫が低く感染しやすかったり、長時間同じ姿勢が保てなかったり、自分の意思を伝えられなかったり、口を開けることができなかったり・・・
患者さんの病気によって色々な症状があります。病気の特性を知っておくことで、歯科診療の安全性が上がります。安全に治療をできるということが一番大切なことですよね。
そして、無理をしな線引きを自分の中で持つということが、自分の安全を守ることにもなります。
訪問歯科診療でよく耳にする病名をざっくりあげておくので、 一度詳細を調べてみることはオススメですよ。
・うつ病
・糖尿病
・心筋梗塞
・骨粗しょう症
・パーキンソン病
・高次脳機能障害
・レビー小体型認知症
・アルツハイマー型認知症
仕事内容の理解
仕事内容を事前に理解をしておくと、身体的にも精神的にも楽に仕事ができます。
訪問歯科診療は2から3人のチームで1日動くため、人との距離が近い分、チーム内のコミュニケーションは大切です。
一般診療と違って、ケアマネさんや家族など他職種との連携連絡も必要になります。また書類が多いことも特徴で、患者さんや役所に提出する書類の記入をおこわなくてはなりません。
詳細はリンクを貼っておくので確認してみてください
>>参考:【歯科衛生士向け】訪問歯科の仕事内容をわかりやすく解説【業務内容はほぼ書類】
訪問歯科で働く前に確認しておきたい、ちょっとしたアドバイス
ライフスタイル
自分のライフスタイルは一度整理しておきましょう。
仕事と家庭の両立具合は人によって違うため、働く日数や働く時間は自分が置かれている環境に合わせて働くようにしましょう。
一見当たり前のことなのですが、仕事を探しているうちに、軸がぼやけてしまいがちなのです。いちど自自問自答してみてください。
そして、自分が健康であってこそ、 患者さんの健康も守ることができます。
衛生士さんは圧倒的に女性の多い職業なので、結婚や子育てのライフイベントにより一度仕事を離れる人も多いです。
客観的に歯科業界を見ることができるので、自分らしく生活できる環境で働く選択ができます。他の職種で働く歯科衛生士さんも多くいます。
繰り返しになりますが、なによりも自分の体が資本です。 体と心に過大な負担をかけぬよう、自分の環境に合わせた働き方を選びましょう。
求人のチェック
働きたいエリアの求人を確認することも大切です。
お給料はどのくらいなのか、そもそも求人がどのくらいあるのか、 勤務時間の合いそうなところは?・・これらを知ることで、今自分の住んでいる地域にどれだけ需要があるのかわかります。
給与や働く時間も、求人が多ければ選択肢は広がります。一度その確認をしておくのは重要です。
何個か求人サイトに登録して、相場感を養っておくと良いでしょう。せっかく働くなら良い環境良い条件で働きたいですよね。
どの求人サイトで使ったらよいかわからないという人は歯科衛生士向け求人サイトの選び方+おすすめ3選【失敗したくない】が参考になると思います。
結論からいいますと、とりあえず求人数の多い「ジョブメドレー」「ファーストナビ」、この2つの求人ツールに登録しておけば十分かと。
そのままでも利用できますが、登録者しか見ることができない新着求人や非公開求人はかなり選択の幅を広げるので、おすすめです。
必要に応じエージェントが無料で連絡を取ってくれたり、給与交渉までしてくれます。
求人サイトを使って転職する場合、最終的に登録が必要になります。
そのため、最初から登録して、便利な機能を使い倒す方が効率的かつ有利に転職できます。
「チャレンジする」それだけでステキなこと。
躊躇しているけれど、少しでも興味があるなら、一度チャレンジしてみることをオススメします。
チャレンジするって勇気のいることですけど、必ず自分の経験になります。
そしてなによりもチャレンジする一番のメリットは、「見切りをつける練習」になるということです。
人間関係が悪くてやめたい、 仕事内容がきつい、 給与は少ない・・こんな体験をしたひともいるでしょうし、これからする人もいると思います。
このように、チャレンジして何か壁にぶつかったとき、 人は”撤退”することになります。
撤退することを覚えなければ、いつまでも辛い環境でズルズル時間を過ごしてしまうことになりかねません。撤退する、見切りをつけるって実はとても貴重な経験なのです。
チャレンジしなければ、見切りもつけられません。つまり、チャレンジすることは、物事に見切りをつける練習にもなります。
是非、一歩を踏み出してみてください。
まとめ
今回の記事のポイントをまとめておきます。
・訪問歯科はチーム医療
・全身疾患を知ると、自分を守ることになる
・仕事内容や勤務条件を確認
・チャレンジすることは”撤退”の練習
こんな感じです。
高齢化が進んでいる日本では、これから訪問歯科の需要がどんどん増えてきています。まずは一度経験しておいても損はないと思います。
今回は以上です。
>>参考:【歯科衛生士向け】訪問歯科の仕事内容をわかりやすく解説【業務内容はほぼ書類】
>>参考:歯科衛生士向け求人サイトの選び方+おすすめ3選【失敗したくない】
>>参考:【失敗しない転職】歯科衛生士向けの求人サイトを3種類比較した【おすすめは全部】