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【訪問歯科のデメリット】非常勤(アルバイト)を検討している歯科医師の先生へ

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訪問歯科でアルバイトを検討中。デメリットを知りたい歯科医師の先生へ。




・現在、訪問歯科でアルバイトを検討しているが、デメリットを知りたい


・デメリットの解決法はあるの?


こういった疑問にこたえていきます。


■本記事の内容

この記事を書いているボクは、歯科医師になって10年以上、高齢者や認知症の方の治療をしています。”通院困難な人”を対象に口や喉の治療をしつつ、大学で”高齢者の歯科治療”を教えています。専門は摂食嚥下です。


ほぼ毎日、介護施設や精神病院、急性期病院、個人宅を訪問しています。お手伝いをさせてもらった病院は50医院くらいあって、今は非常勤(アルバイト)の掛け持ち、つまりフリーランスとしてお仕事しています。


Twitterで情報発信しています。一応信頼の担保になれば嬉しいです。


『認知症、持病あり、寝たきりで通院困難な人を診察をする「訪問歯科」まだまだ知名度は低い分野だけれど、高齢化という時流には乗っているので、今後"くる"と思っている。事実10年前に比べると、かなり浸透してきた。その中でも、摂食嚥下(せっしょくえんげ)は介護へ関わる人にとって、必ず役に立つはず』



訪問歯科でアルバイトするデメリット

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恐怖心


訪問歯科を経験したことのない場合、恐怖心がうまれます。なぜなら人は”未知のもの”へ恐怖と警戒をする生き物だからです。


このようなときは、何に不安があるのか一度整理してみましょう。1日の流れ、治療内容、患者さんとの接し方、カルテの書き方などが浮かんでくると思います。


訪問歯科の仕事内容や、事前にやっておいたほうがよいことは訪問歯科の仕事内容とは?【アルバイトを迷っている歯科医師の先生へ】で解説しています。


チャレンジしないということは、そのこと自体がデメリットです。少しだけ勇気を出すだけで、視野が広がります。


患者さんの生死


患者さんの生死に関わることが、一般診療に比べ圧倒的に多いです。


患者さんは通院困難で、持病があったり認知症であったり身体が不自由のような、終末期を迎える方です。


そのため、状況によって体調の急変が考えられます。


たとえば、長時間の診療や無防備な抜歯は、患者さんにかなり負荷をかけるので、一つ間違えれば生死に関わる問題になります。


そのため全身管理に関しての知識は、一通り持っておくと武器になります。


人間関係が密


一般歯科の病院でも、人間関係は密にです。訪問歯科では、さらに蜜が加速します。


なぜなら少人数で移動するからです。そして車の中で過ごすことも多いからです。


チームはだいたい2人から3人で、 一日中そのメンバーで一緒に過ごすことになります。


チーム人間関係が良好であれば楽しい時間ですが、人間関係が悪いと地獄そのものです。


他職種との連携


一般的に歯科医院は「歯医者」「歯科衛生士」「歯科助手」「患者」で成り立っています。


訪問歯科診療の場合は、患者さんが磯野疎通が難しいため、患者さんを取り囲むように、いろいろな方が関わっています。


家族はもちろん、例えば医師、看護師、ケアマネージャー、介護士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、管理栄養士・・・


そのため治療を円滑に進めるために、この人たちと情報共有する必要があります。


最初は慣れていないので、戸惑うかもしれません。


大量の書類


書類が多いのは訪問歯科の特徴です。


書類の提出は、患者さんだけではなく、役所に出すものも大量にあり、パソコンで打つ場合もあれば直接手書きで記入する場合もあります、


一般歯科の実地指導などとは比べ物にならないくらいたくさんの書類を書きます。


そのため腕や目が痛くなることもあります。


季節や天気の影響


室内の一般歯科と違い、訪問歯科では季節や天気の影響を受けます。


夏は暑く、冬は寒い。特に夏の暑さは想像している以上だと思います。


患者さんの部屋は真夏でも暖房がついているのに、セーターを着ている患者さんもいます。大汗をかきながら、治療をすることになります。


天気に関しても、雨でも台風でも雪でも基本的には訪問診療します。


そのた。びしょ濡れになったり、風に煽られたり、そんな日もあります。


腰痛


歯科業界全般に言えますが、腰が悪くなりやすいです。


患者さんをユニットに座ることのできる一般歯科と違い、訪問歯科の場合は患者さんの体勢は様々です。


ベットに横たわっている人もいれば、車椅子の人、椅子に座っている人もいます。その体制に合わせて診療するため、特に腰が悪くしやすいです。


中腰がつづくと、かなりキツイです。



ここまで聞くと、ハードに感じるかもしれませんが、自分なりの解決法がありますので、紹介していきます。


デメリットの解決法

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"アウトプット"しながら"インプット"


経験値がすくない場合でも、経験をつみながら知識を頭に入れましょう。


”経験をつみながら”というのがポイントです。アウトプットとインプットを両立させた方が、成長スピードは早いです。


訪問歯科でアウトプット、インプットがしやすいジャンルは「高齢者歯科」「障害者歯科」です。治療に関しては「外科」「義歯」「嚥下」あたりが重要かと。


有病者び治療をおこなうわけですので、特に外科の知識や全身管理の知識は、インプットして損はありません。歯科による病気への影響は、自分を守ることになります。


守り方は「怪しいと思ったらやらない」です。病院歯科に紹介するのもひとつの手段です。


勉強すればするほど、ここらへんの線引きや幅ができてきます。


関わる可能性の高い病名を挙げておきます。


・脳梗塞 
・うつ病
・糖尿病 
・心筋梗塞
・骨粗しょう症
・パーキンソン病
・高次脳機能障害
・レビー小体型認知症
・アルツハイマー型認知症


コミュニケーションは相手への敬意


コミュニケーションは相手への敬意がすべてです。


いろいろな人たちとコミュニケーションをとる必要があると書きましたが、それはベラベラ喋ったり、”上手に”コミュニケーションをとる、という意味ではありません。


相手を尊重し、話を聞いて、お互いに意見を交換する。このような気持ちで診療の現場で立つことが、コミュニケーションを取る秘訣です。


この気持ちがあれば、話すのが苦手だったり、寡黙だったり、そんな先生こそ充分に情報共有することができます。


書類作業はひたすら効率化


書類を効率化することは大切です。


書類を効率化することで、診療できる時間が増えます。それだけでなく移動に余裕ができたり、昼食をとることができたり、とにかく仕事に専念する時間が増えます。


効率化することで、書く時間も減らせるので、腕や目の負担を減らすことができます。


やみくもに書類作業する前に、どうしたら効率よく書けるか、という仕組みを考えてみることをオススメします。急がば回れ、です。


天気は神様次第。楽しもう


天候は神様にしか分からないので、楽しむしかありません。


自分でコントロールできるものではないので、楽しんだ者勝ちです。


秋と春がいかに過ごしやすい季節なのかを感じることができます。


晴れた日は熱中症になりやすいので、水分補給をまめにしたり、タオルを携帯したり、冷えピタをおでこに貼りつけたりと、いろいろ工夫すると少し涼しく過ごせます。


雨の日は逆に靴下を持っていくと便利です。車を停めた所が水たまり、なんてことよくあるので靴下の予備を持っておくと安心です。


身体のケアは最重要


身体のケアは忘れずにおこなうようにしましょう。


悪くなってから治療するよりも、悪くならないようにする方が、圧倒的に時間の面でもお金の面でもパフォーマンスが良いです。


マッサージに行く。ジムに通う。ストレッチをする。湯船に浸かる、など自分に合った対策を見つけましょう。


それでも、痛くなることもあります。腰であればコルセットを巻く、腕はサポーターをつける、目であれば目薬を打つ、のように色々あります。


繰り返しになりますが、極力悪くならないことに重点を置いた方がいいと思います。

まとめ:訪問歯科はデメリットがあって大変。でも・・魅力的なお仕事

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今回の記事をまとめます。



・訪問歯科でアルバイトするデメリットは「恐怖心」「患者さんの生死」「人間関係が蜜」「他職種との連携」「大量の書類」「季節や天気の影響」「腰痛」


・デメリットの攻略には”インプット”と”アウトプット”の繰り返し


・考え方ひとつで、弱みは強みに変わる


・身体のケアは最重要


「チャレンジしたこと」「経験したこと」は自分の財産になります。


高齢化が進んでいることで訪問歯科は需要がどんどん増えてきています。訪問歯科診療をする先生は求められています。ぜひ、一度経験してみてください。


一般診療と同じで、訪問歯科にも、診療方法に正解はないので、試行錯誤しつつ改善していきましょう。


今回は以上です。

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