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入れ歯(義歯)の紛失を予防する方法【すぐにできる対策】

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入れ歯の紛失を防ぐ方法を知りたい方へ。



・先日、入れ歯を紛失してしまった


・入れ歯が紛失しない対策を知りたいな...


・紛失したらどう対応したらよいのだろう


本記事ではこういった内容を解説します。


本記事の内容


この記事を書いているわたしは歯医者です。


毎日介護施設や個人宅に訪問して、認知症の高齢者や介護の必要な人の歯科治療しています。


介護に携わる人たちと常に一緒にお仕事しています。


その経験から語ります。Twitterで情報発信しています。記事の信頼性担保につながれば、嬉しいです。

『いまは忙しいから読書やゲームは老後にのんびり…みたいな考えはけっこう危険です。暇な老後が存在する保証なんてないし、老眼と弱った足腰では今ほどどっぷりハマれない可能性がわりとあります。
本当にやりたいことがあるなら、ガマンなんかせずに今やるべきではなかろうか』



【予防と対策】入れ歯の紛失防止

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入れ歯の紛失は、認知症や身体の機能が低下した高齢者におこりやすいです。


自分で入れ歯の自己管理が難しくなると、入れ歯の紛失リスクが上がります。


日常生活だけでなく、入院中も注意が必要です。


入れ歯の紛失防止の対策①: 起床時・就寝前・食事の前後にチェック


入れ歯の紛失を防ぐために、定期的に入れ歯の有無をチェックします。


定期的にチェックすることで紛失リスクを減らすことが出来ます。


また、紛失したとしても、場所を予想しやすくなります。


具体的には「起床時」「就寝前」「食事の前後」の3ポイントに絞ってチェックしてください。


これだと動線をたどれるので、 見当たらない時でもかなり範囲を絞り込むことができます。


事前に入所者の入れ歯を撮影し、形や色を保存している介護施設もあります。


入れ歯の紛失防止の対策②:入れ歯ケースに名前を書いて保管する


入れ歯ケースに名前を書いて保管することも有効です。


損失リスクも減らしますし、取り違いも防止することができます。


歯医者さんでも販売していますが、市販のプラスチックケースでかまいません。


100円ショップでも売っています。


夜間は入れ歯洗浄剤をいれて水につけておきましょう。


入れ歯の紛失防止の対策③:入れ歯に名前を入れる(デンチャーマーキング)


使っている入れ歯に名前を入れることも、紛失予防には有効です。


もしなくしたあと、見つかったときに誰の入れ歯か一目で分かります。


入れ歯を使う本人やその家族が嫌がる場合もありますので事前に話をすることが大切です。


入れ歯に名前を入れて個人識別ができるようにしておくと、災害が起きた際の身元確認にも有効です。


これは歯医者さんがやってくれるので、依頼しましょう。


>>参考:自宅に歯医者を呼ぶ方法。訪問歯科ってどうやったら来てくれるの?ケアマネさんを頼りましょう!


紛失してしまったときの対応

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とにかく探す


動線を考えつつ、探してみましょう。


時間が経っていなければいないほど、見つかりやすいです。


詳しい捜索方法は入れ歯を紛失したときに探すべき場所10選 で解説しています。


病院や施設が弁償


入れ歯を使っている本人に自己管理能力がない場合は、紛失した介護施設や病院で弁償することがほとんどです。


とはいえ保険に入っていることがほとんどなので、 個人の責任になる事はありません。


自己管理ができていたときは、責任の所在は本人ので、まずは入れ歯の作成の必要性を考えた方がいいです。


経験上入れ歯の紛失は、今まで自己管理はできていたけれど、自己管理が難しくなってきた人に起こりやすいです。


周りの人達も油断しがちな状況です。


ですので認知機能の低下を見極めて、共有していくことが予防につながります。


入れ歯の作り直し


入れ歯が必要な場合、歯医者さんに依頼して入れ歯を作ることが必要です。


紛失してしまった入れ歯が総入れ歯に近ければ近いほど、噛むことはできなくなっている状態です。


早く食事を取れる状態にすること、栄養とることを最優先にしましょう。


入れ歯の完成までに2週間から1ヶ月ほどかかることがあるので、その間の栄養確保は十分に検討する必要があります。


食事の形態を柔らかくしたりする対応を必要となってくるでしょう。


作ったばかりでも無くしてしまうことがあるので注意しましょう。


>>参考:入れ歯の6ヶ月ルールとは?入れ歯を新製するときに注意してほしいこと。


入れ歯を紛失してしまうということは認知機能が低下している可能性が高いです。


そのため紛失しないという予防や対策のくわえて、果たして本当に入れ歯が必要な状況かどうかという判断も重要です。


早めに歯医者さんに判断してもらうべきです。 入れ歯を使うことで危険度が増したり、飲み込みの機能が弱く入れ歯は必要ではないと診断されることがあります。


入れ歯を紛失しやすいタイミング

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入れ歯を紛失しやすいタイミングも紹介しておきます

認知機能の低下


認知機能の低下が進行した場合、入れ歯を紛失しやすくなります。


入れ歯を食べる道具として認識できなかったり、 口の中の異物として感じてしまう場合は取り出してティッシュに包んだり捨ててしまう可能性があります。


そのため入れ歯紛失しないよう、早めに対策する必要があります。


食後などのフリータイム


食事を食べ終わった後のフリータイムは要注意です。


食事を食べ終わってリビングやお部屋にいる間、無意識に取り出してどこどこに置いたか忘れてしまうことがあります。


食事を食べ終わったら、歯を磨いて、その後は外しておくという対策は有効です。


入院中


入院中は入れ歯を紛失しやすいです。


退院してきて入れ歯がなかったということはよくある話です。


そのため病院内でも検査や食事の時に入れ歯の有無を確認することが大切です。


普段から入れ歯の確認しておくと、退院時すぐに満室に気づくので早く対策することができます 。


まとめ

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入れ歯の紛失対策をまとめます。



・起床時、就寝前、食事の前後にチェック


・入れ歯ケースに名前を書いて保管


・入れ歯に名前を入れる(デンチャーマーキング)


・探しても見つからなければ、入れ歯の再作成


・紛失しやすいタイミングに注意


入れ歯を紛失すると、完成するまでに2週間〜1ヶ月ほど時間がかかりますし、費用もかかります。


食べたり話したりするのも不便になりますので、紛失しない対策を事前にたてておきましょう。


なくすのが怖いので24時間入れ歯をいれておいてよいですか?と聞かれることがありますが、オススメしません。


入れ歯や口の中が不潔になり、誤嚥性肺炎のリスクも高まります。


歯ぐきを休ませる意味でも、入れ歯をはずす時間を確保しましょう。


リスクはゼロにすることは難しいですが、限りなく低くすることはできます。


入れ歯を紛失しないよう対策をたて、皆で共有しましょう。


>>参考:入れ歯を紛失したときに探すべき場所10選

>>参考:入れ歯の6ヶ月ルールとは?入れ歯を新製するときに注意してほしいこと。





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