老人ホームに夫婦同室で入居したい【二人部屋のメリット・デメリット】
この記事を書いているボクは、歯医者です。
祖母の介護をした経験がきっかけで、高齢者の歯の治療を専門にしています。
そのため10年以上ほぼ毎日、老人ホームのような介護施設に訪問しています。
先日に下記のTweetをしました。
老人ホームという人生の大先輩の集う所では
— しろたぬ@歯の人☘お豆腐メンタル (@shirotanu_dds) 2020年8月17日
旦那様「女房との結婚が最大の幸せ。ワシが幸せしてやったんじゃ」
奥様「あの人と結婚したのが運の尽き。これまで苦労しかなかった」
みたいに、ずっとN極だと思ってた相手が実はS極だった…という興味深い事例が見れたりするので、とても勉強になる。
『老人ホームという人生の大先輩の集う所では
旦那様「女房との結婚が最大の幸せ。ワシが幸せしてやったんじゃ」
奥様「あの人と結婚したのが運の尽き。これまで苦労しかなかった」
みたいに、ずっとN極だと思ってた相手が実はS極だった…という入居夫婦の興味深い事例が見れたりするので、とても勉強になる』
最近は「夫婦同室」での老人ホームへの入居を希望する人も増えてきました。
夫婦同室つまり二人部屋にはメリットもありますが、デメリットもあります。
■ 本記事の内容
これらを本記事で深掘りしていきます。
【老人ホームに夫婦同室で入居】二人部屋のメリット・デメリット
結論からいうと、老人ホームに夫婦同室で入居するメリットとデメリットはそれぞれ3つあります。
✔︎ 老人ホームに夫婦同室で入居する「メリット」
①:安心感がある
②:費用を抑えられる
③:どちらかが先立ったとき、一人じゃない
✔︎ 老人ホームに夫婦同室で入居する「デメリット」
①:二人部屋の数が限られている
②:2人の距離感が近い
③:老々介護になる可能性が高い
上記のとおりです。
まずは、メリットをみていきましょう。
老人ホームに夫婦同室で入居するメリット①:安心感がある
夫婦の間に安心感をもって生活することができます。
今まで暮らしてきたご夫婦で引き続き暮らすことになるため、生活にも慣れやすいです。
生活リズム、会話、雰囲気など本人が家でしかわからない感覚のまま生活を続けることができます。
とはいえ生活環境が変わるという不安は拭い去れません。
それでも今までのパートナーがいるという安心感は、不安を払拭する大きな材料になります。
老人ホームに夫婦同室で入居するメリット②:費用を抑えられる
老人ホームでのかかる費用を抑制することができます。
二人部屋に入居する場合、 別々の部屋に入居する場合と比べて月額利用料が安くなります。
入居する老人ホームの種類や受けるサービスによって違いはありますが、二人部屋に入居する場合は、一人部屋の2倍になるわけではありません。
一人で入居した場合の費用に約30〜50%ほど上乗せするくらいの料金におさまることが多いです。
老人ホームに夫婦同室で入居するメリット③:どちらかが先立ったときに一人じゃない
将来夫婦のどちらかが先に先立ちます。
老人ホームに入居していればその後も一人ではありません。
大切な人が亡くなった時は大きな喪失感を覚えることになります。体力的にも疲労します。
その時に老人ホームのような人が集まった施設であれば、周りの入居者や介護スタッフがいます。
そのためその喪失感や疲労感を少しでも軽減することができます。
老後は自宅で過ごしたいと思う方も多いです。
地域社会との繋がりがあれば一人ではないという意見もありますが、自宅に帰ればほとんど一人で過ごすことになります。
そのため誰かがそばにいるという感覚は、老人ホームの方が圧倒的に感じることができます。
このようにメリットを最大限に活かせれば、生活の質を保つことができます。
次にデメリットもみてみましょう。
老人ホームに夫婦同室で入居するデメリット①:二人部屋の数が限られている
夫婦で入居できる老人ホームの数が限られています。
それはそのまま部屋数も少ないということになります。
多くの老人ホームは1人部屋のため、夫婦で入居できる2人部屋はまだまだ少ないのが現状です。
そのため2人部屋は空きが出ると、すぐに埋まってしまう人気物件です。
タイミングがすべてなので、強烈なコネがある人をのぞいてやれることといえば、早めに求人サイトなどで検索しておくことくらいです。
入居までは健康診断などで数ヶ月かかることがあるので、そういう意味でも早めのリサーチは大切です。
老人ホームに夫婦同室で入居するデメリット②:2人の距離感が近い
距離感が近くなり、窮屈に感じてしまうことがあります。
老人ホームの二人部屋は40平米ほどの広さのところが多く、広めの自宅から老人ホームに移ってくると狭く感じます。
そのため、いままで自宅で暮らしていたように、寝室やリビング、キッチンなどで広々暮らすというわけにはいきません。
ずっと暮らしてきた距離感が急に変わりストレスに感じることがあります。
老人ホームに夫婦同室で入居するデメリット③:老々介護になる可能性が高い
夫婦で老人ホームに入居した場合将来的になる可能性が高いです。
いつか、どちらか片方の体が弱り、不自由な生活を強いられることになります。
病気で動けなくなってしまった、 認知症が進行して自分の意思を伝えられなくなった、などです。
もちろんそのための老人ホームなので、介護スタッフが介護してくれます。
そのとき、介護される姿を見られるのも嫌な人も多いです。
加えて、介護スタッフが部屋に入って介護をする時間が長くなります。
それにより同じ部屋で暮らす人にとっては落ち着きがなくなり、居心地が悪いと感じることもあります。
将来はまず片方が弱ってしまうというデメリットも考えつつ、検討してみてください。
【二人部屋の探し方】夫婦同室で老人ホームに入居する方法
すべての老人ホームが夫婦で同室で入居できるわけではありません。
対象施設を理解して、老人ホーム検索サイトで調べる方法が一番近道です。
夫婦同室で入居できる老人ホーム【二人部屋は少ない】
夫婦での入居がしやすい老人ホームの種類を紹介します。
✔︎ 【夫婦同室で入居できる老人ホーム】
①:介護付き有料老人ホーム
②:住宅型有料老人ホーム
③:サービス付き高齢者向け住宅
④:ケアハウス(軽費老人ホーム)
⑤:グループホーム
老人ホームは色々な種類に分かれていて、原則60歳以上であれば入居することが可能です。
①、②、③は介護認定を受けていない人でも入居できるので、仮に夫婦の介護状況などが違っていても入居しやすいです。
今は介護が必要でなく将来的に必要になった場合にも、サービスを受けることができます。
③の場合は、自立度が下がったり介護度が上がったりすると退去する契約になっていることもあるので、注意が必要です。
④、⑤は夫婦での入居が可能ですが、全体的に一人部屋が多いです。
最近は二人部屋も増えてきましたがまだまだ数が少なく、老人ホームの規模としても小規模なところが多いため、入居はややハードルが高いです。
逆に夫婦での入居が難しい老人ホームも紹介しておきます。
✔︎ 【夫婦同室での入居が難しい老人ホーム】
・特別養護老人ホーム(特養)
・老人保健施設(老健)
聞き慣れない方は「特養(とくよう)」「老健(ろうけん)」という言葉だけ、頭の片隅に入れておくだけで大丈夫です。
簡単に解説すると、特別養護老人ホーム(特養)は夫婦同室での入居は難しいです。
介護認定を受けていて、介護の緊急性の高い人から入居させていくからです。
特に要介護認定3(介護が必要な5段階のうちの3番目)以上が優先で入居します。
また入居費用や月のかかる料金も比較的安いため、順番待ちになっているところも多いです。
同様に、老人保健施設(老健)も夫婦での入居は難しいです。
老人保健施設は何かしらの病気があって入院したあと、家での介護をスムーズに行うためのリハビリ的な施設です。
長期間住むという場所ではありません。
夫婦同室で入居できる老人ホームの見つけ方【検索サイトしかない】
結論からいうと、老人ホーム検索サイトで調べるのが一番効率的です。
✔︎ 【検索サイトで調べる】
具体的には「LIFULL介護」というサイトがオススメです。
サイトの真ん中に「好きな言葉で探す」という検索スペースがあるので、「二人部屋」または「夫婦」で検索すると、地域ごとに調べることができます。
大手から各地の事業所まで全国32,000件以上の老人ホームが掲載されている業界最大級の検索サイトです。
詳しくは【評判◎】老人ホーム検索サイト『LIFULL介護』を徹底レビュー【親を預けたい】で解説しています。
選択肢を広げつつ探したい場合は夫婦同室で老人ホームに入居したい。おすすめサイト2選 + 失敗しない選び方で解説しているので、セットでご覧ください。
二人部屋以外にも新規オープンや医療体制充実などの細かい条件でも検索することができます。
✔︎ 【資料を請求する】
気になる老人ホームがあれば、資料請求をして詳細を確認しましょう。
夫婦同室で入居できる部屋は限りがあるので、今は空室がなくても、事前にアプローチしておくことで優先度が上がります。
資料請求は無料ですので、ある程度し絞ったら請求してみましょう。
✔︎ 【見学へ行く】
さらに入居を希望する場合は、必ず見学にいきましょう。
実際に建物や周辺の雰囲気や部屋の様子、職員の対応を目でみることは重要です。
近いのであれば、まずは周辺だけでも散歩がてらみてみるのもおすすめです。
夫婦別々という選択
同じ老人ホームでありつつ、別々で暮らすという選択肢もあります。
別々に暮らすことにもメリットはあります。
前述したように、夫婦での入居では「二人部屋のある老人ホームが数が少なく、なかなか見つかりにくい」「将来的に介護の状況に差が出たりしてしまう」という懸念があります。
それに比べると1人部屋は部屋数が多いです。
これは老人ホームの探しやすさに直結するので、選択肢が広がります。
また、お互いのプライバシーを確保しつつ適切な距離を保てるというメリットもあります。
介護を受けてるところを見られたくなかったり見たくないと思う人もいます。
そのため、必ず二人部屋と決める前に、性格などの状況を踏まえつつ、別々び暮らす選択肢と比較しながら考えてみるとよいです。
夫婦同室で老人ホームに入居した時にかかる費用
これは入居する老人ホームの種類と地域によって大きく違うので、少し幅のあるデータになります。
それでも相場としては参考になるので、数字を挙げておきます
✔︎ 【夫婦同室で老人ホームに入居した時にかかる基本料金】
月額料金 | 入居一時金 | |
---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | 10~30万円 | 0~1億円 |
住宅型有料老人ホーム | 10~30万円 | 0~1億円 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 10~20万円 | 0~数十万円 |
ケアハウス | 10~15万円 | 数十~数百万円 |
グループホーム | 10~20万円 | 0~数百万円 |
介護度によって介護保険のサービス、医療費、日常の生活費などがかかります。
【比較】都道府県別の月額料金
首都圏と地方では大きく相場が異なります。
そもそもの家賃設定が大きく違うため差が出ます。
東京では月額料金は約20万円〜、神奈川で18万円〜、兵庫で15万円〜、青森と宮崎では8万円〜です。
賃貸住宅の家賃相場に連動しています。
例えば東京で家賃20万円の物件が自分の住んでいる地域でどれぐらいの値段なのかを比較するとわかりやすいです。
これで自分の住んでいる地域でイメージができると思います。
払えない場合 【支払い計画は重要】
多くの人は年金と貯金で老人ホームの費用を賄うと思います。
月額料金はわかっていても、医療や介護などのサービスで思った以上の負担になることがあります。
もし支払えなくなった場合は最終的に他の施設へ転居をしなければなりません。
最悪の場合は自宅に戻らなければならないことがあります。
二人部屋は一人よりもお金がかかります。
そのためしっかりと資金計画を立てることが大切です。
年金で賄えるのか、貯金がどれくらい残っていて突発的なことに耐えられるのか。
年金で少し赤字になるのであれば、何年赤字で耐えられるのか。
子供に介護を頼るのであれば、自分たちの貯金額などを共有しておくと良いと思います。
豊かな人生を過ごしましょう【動きつつ考える】
今回の記事をまとめます。
・夫婦同室で老人ホームで入居するメリットは3つ
・①安心感がある、②費用を抑えられる、③どちらかが先立ったとき、一人じゃない
・夫婦で老人ホームで入居するデメリットも3つ
・①二人部屋の数が限られている、②2人の距離感が近い、③老々介護になる可能性が高い
・夫婦同室で入居できる老人ホームは検索サイトで探す
・具体的には「LIFULL介護」がオススメ
・事前に支払い計画を綿密にたてる
経験談、今は元気でも介護は突然やってきます。
そのため、今のうちから夫婦間はもちろん、子供との間に「将来の意志」と「経済的な話」の情報共有をしておくようにしましょう
なかなかシビアな問題なので最初は抵抗があるかもしれませんが、まずは動きながら考えるという姿勢が大切かなと思います。
介護する側も、介護される側も、豊かな時間を過ごせますように。
今回は以上です!
>>無料・老人ホーム検索:【公式】LIFULL介護
>>参考:【評判◎】老人ホーム検索サイト『LIFULL介護』を徹底レビュー【親を預けたい】