【見つけたい】訪問歯科の探し方【5つある / 選ぶ基準も解説します】
訪問歯科を探している人へ。
・訪問歯科ってどうやって見つけたらよいのだろう
・効果的な探し方があれば知りたいな
・訪問歯科の病院を選ぶ基準とかもあったら教えてほしい
本記事ではこういった疑問にこたえます。
■ 本記事の内容
この記事を書いている私は認知症や高齢者の方の治療を専門にする歯医者です。
毎日、患者さんの自宅や老人ホームのような介護施設で診察しつつ、大学で高齢者歯科を教えています。
Twitterで情報発信しています。記事の信頼性担保につながれば嬉しいです。
今日はじめて歯科衛生士の口腔ケアをうけた寝たきりの方。立ち会った娘さんが「いつも口は開かないし、歯医者が来ても何ができるの?と思ってました。こんなピカピカにしてくれるなんて予想しなかった」と言ってくれたのは嬉しかったな。便利な道具はたくさんあるし、家族ができることもいっぱいある。
— しろたぬ@歯の人☘お豆腐メンタル (@shirotanu_dds) 2020年9月25日
『今日はじめて歯科衛生士の口腔ケアをうけた寝たきりの方。立ち会った娘さんが「いつも口は開かないし、歯医者が来ても何ができるの?と思ってました。こんなピカピカにしてくれるなんて予想しなかった」と言ってくれたのは嬉しかったな。
便利な道具はたくさんあるし、家族ができることもいっぱいある。』
【見つけたい】訪問歯科の探し方【5つある 】
結論、下記の通りです。
②:住んでいる地域の歯科医師会ホームページを利用する
③:かかりつけの歯医者に相談する
④:知り合いの口コミを参考にする
⑤:ケアマネージャーに相談する
訪問歯科の現状として、2020年の時点で7万件ほどある歯科医院の中で訪問歯科診療をやっているのは1万件ほどです。
つまり7件に1件です。
さらにその中で専門的に訪問歯科をおこなっている病院は更に限られます。
複数の探し方を使いつつ、見つけていくことが近道です。
訪問歯科の探し方 ①:「訪問歯科 住んでいる市町村名」で検索する
ネットを使って「訪問歯科 住んでいる市町村名」で検索します。
これだけで、住んでいるエリアの訪問歯科が可能な歯科医院を見つけることができます。
✔︎ 検索でわかること
ヒット数が多い、例えば検索1ページ目がいろいろな歯科医院で埋まるような場合、訪問歯科がある程度充足されている地域だと考えられます。
逆にあまり出てこないと、訪問歯科の数が少ない地域ですが、逆に絞り込みやすく精査しやすというメリットもあります。
訪問歯科の探し方 ②:住んでいる地域の歯科医師会ホームページを利用する
住んでいる歯科医師会のホームページから訪問歯科を探すことができます。
「歯科医師会 住んでいる地域名」で検索すると、その地域の歯科医師会のホームページが表示されます。
ホームページの中に”訪問歯科希望の方”ような場所があるはずです。
メールで申し込のことも、FAXのこともあります。歯科医師会が歯科医師を紹介してくれます。
✔︎ メリットとデメリット
メリットは確実に紹介してもらえることです。
デメリットとしては専門の先生がではなく歯科医師会の中で割り振られた先生が来ることもあるので、相性の見極めが大切です。
訪問歯科の探し方 ③:かかりつけの歯医者に相談する
かかりつけの歯医者さんがあれば相談するのも有効です。
かかりつけの歯医者さんが訪問歯科に対応していれば、そのままお願いすることもできます。
✔︎ 人柄と治療内容がわかっているのはメリット
「先生の人柄」「 今までの治療状況」がわかっているのはメリットです。
先生の人柄が分かっているのは安心です。相性がよければそのままお願いしましょう。
患者さん本人のかかりつけ医であった場合は、今までの治療経過を知った上で治療計画を立てることができます。
患者さん本人がかかりつけではなく家族の誰かがかかりつけだったとしても、相談しやすさ、という意味では検討する価値は大いにあります。
訪問歯科の探し方 ④:知り合いの口コミを参考にする
口コミを参考にするのもこうも人を見つける手段のひとつです。
口コミの質としてはインターネットよりも身内や友人の方が有効です。
✔︎ 信頼できる情報源を頼る
自分に近しい人からの情報であればあるほど、信憑性は高まります。
痛みがなくなった、入れ歯がうまいのような技術的なレビューを知ることができます。
また、人柄についても情報を仕入れることができるので、聞いてみる価値はあります。
※ 訪問歯科は自宅から16 km圏内の歯科医院に依頼する必要があるので注意してください。
>>参考:「訪問歯科の対象者」をわかりやすく解説します【利用条件はゆるめ】
訪問歯科の探し方 ⑤:ケアマネージャーに相談する
ケアマネージャーに訪問歯科を知っているかどうか聞いてみるのは有効な方法です。
もうすでに介護保険を利用していて、ケアマネージャーがついている場合には直接聞いてみればよいです。
ケアマネージャーと関わりのない場合は地域包括支援センターに連絡してみましょう。
✔︎ 地域包括支援センターは便利
地域包括支援センターは高齢者の暮らしを地域でサポートするための拠点として、自治体などにより設置されている機関です。
どの地域にも必ず地域に存在するので「市町村名 地域包括支援センター」で調べると確実にでてきます。
ケアマネージャーも複数在籍しているので、だれかは訪問歯科を知っている可能性が高いです。
【訪問歯科】病院を選ぶ基準【探しただけじゃ安心できない】
今紹介した探し方で試してみると必ず一つ以上、訪問歯科をみつけることができます。
ここからは、病院の選び方、選ぶ基準について解説していきます。
✔︎ 【訪問歯科を選ぶ基準】
・歯科医師と歯科衛生士が同時に訪問する
・急な対応が可能である
・栄養、嚥下の知識をもっている
上記の通りです。
家から近い
訪問歯科を利用する場合、家から近いという基準は大切です。
安心感が生まれますし、訪問時間のずれも少ないです。
訪問歯科を必要とする人は訪問歯科以外でも、訪問看護、マッサージ、デイサービスなどの予定が詰まっていることが多いです。
そのため近さは治療時間を確実に守るためにも重要です。
訪問歯科は16km以内であれば訪問可能ですが、16kmは道が混んだりすると1時間ほどかかることがあります。
具体的に車で30分圏内の病院がよいでしょう。
歯科医師と衛生士が同時に訪問する【口腔ケア大事】
歯科医師と歯科衛生士が同時に訪問してくれるかどうかは重要です。
訪問歯科を必要とする患者さんは治療だけでなく、口の中の衛生管理(口腔ケア)が大きな意味を持つからです。
口の衛生管理を担うのは歯科衛生士です。
歯科医師だけでなく歯科衛生士も同伴しているというのは極めて大切です。
急な対応が可能である【歯は急に痛くなる】
急な症状に対応してくれるかどうか確認しておくのも重要です。
歯は急に痛くなり、歯ぐきは急に腫れます。
自分で動ける人であれば病院に行けますが、 訪問歯科を必要とするような人は自力での通院が難しいです。
そのため、すぐに来てくれるというのは大きなメリットです。
もちろん休日等もありますので、即日というわけ場合もあります。
ですが一両日中には来てもらえる環境であれば安心します。
ここからも「近さ」という観点が重要になります。
栄養・嚥下の知識をもっている
栄養や嚥下の知識を歯科医師が持っているかどうかというのも重要です。
訪問歯科を必要とする人は、介護が必要な人です。
食べるだけでなく、飲み込む、栄養を確保する、という視点は健康維持につながります。
そのため口の中を見るだけではなく、栄養や嚥下といった知識をもちつつ診療をできる先生が理想です。
直接聞くこともできますが、ホームページで確認したり、ケアマネさんがいる場合はケアマネさん経由で確認することもできます。
複数の病院をみてから決める
歯医者を決める前に複数の病院を見てみるのは効果的です。
訪問歯科だけじゃなく、何をするにしても事前に複数見積もりを取るのは基本です。
>>参考:【必見】訪問歯科診療の料金・費用をすべて紹介します【料金表つき】
経験が豊富とか、入れ歯が上手いとか、設備が充実しているといったことは外見からは分からないです。
それでも人柄はわかります。
優しい、というような性格や、なぜという疑問に答えてくれる、のような丁寧さは会ってみて初めてわかります。
自分の感覚的なものも、話してみないとわかりません。
自分の目で確かめることは大切です。
実際の訪問歯科の申し込み方法は【ご案内】訪問歯科の申し込み方法【依頼から治療開始までの流れ】で解説しています。
※ 老人ホームの場合は歯科医院が決まっていることが多い
老人ホームの場合は提携している歯科医院が訪問歯科に来ていることが多いので、 最初からそこを紹介されることが多いです。ですので時間があれば、一度立ち会ってみるのがおすすめです。
>>参考:【共倒れリスクあり】在宅介護の限界点を解説します【自宅がつらい...】
>>参考:【評判◎】老人ホーム検索サイト『LIFULL介護』を徹底レビュー【親を預けたい】
訪問歯科を頼りすぎるのはダメ【探した後の話】
今回の記事をまとめます。
✔︎ 【訪問歯科の探し方 5つ】
①:「訪問歯科 住んでいる市町村名」で検索する
②:住んでいる地域の歯科医師会ホームページを利用する
③:かかりつけの歯医者に相談する
④:知り合いの口コミを参考にする
⑤:ケアマネージャーに相談する
✔︎ 【訪問歯科を選ぶ基準】
・歯科医師と歯科衛生士が同時に訪問する
・急な対応が可能である
・栄養、嚥下の知識をもっている
・複数の病院から話を聞く
このやり方で訪問歯科を探しつつ、自分に合った訪問歯科の先生を見つけてください。
矛盾するようですが、訪問歯科を頼りすぎない、という心構えでいることはオススメです。
なぜなら口の中を衛生的に保つには、毎日の歯ブラシ、口腔ケアこそが大切だからです。
訪問歯科を受診したときに口の中を綺麗にしてもらおう、という意識に患者さんはなりがちなのですが、それだと効果は薄いです。
家でできる技術を教えてもらって、道具を使って効果的に効率的に家をきれいにする。
これが目標です。
>>参考:【簡単なコツ】歯磨きできない認知症の人への対処法を解説します【嫌がる・拒否あり】
余談ですが、歯磨き粉とか保湿剤は歯科で使っているものが理想です。
...が、少し高いので市販のものでもOKです。
まずは「歯磨き粉をつかった歯磨き」、「口の中の保湿」を意識してみてください。
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・歯科用保湿ジェル【リフレケア】
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これらの道具の効果は、訪問歯科の先生に、ぜひ確認してみてください。
診療を頑張るだけでなく、普段のやり方までアドバイスしてくれる、そんな訪問歯科の病院が見つかりますように。
今回は以上です。
訪問歯科の実際の申し込み方法はこちら >>【ご案内】訪問歯科の申し込み方法【依頼から治療開始までの流れ】
訪問歯科診療の料金についてはこちら >>【必見】訪問歯科診療の料金・費用をすべて紹介します【料金表つき】