【ほぼできる】訪問歯科の治療内容を解説します【症状もわかりやすく】
訪問歯科の治療内容を知りたい方へ。
・訪問歯科ってどんな治療ができるのかな。治療内容を知りたい
・どんな症状なら訪問歯科は対応してくれるのかな
・訪問歯科で"できない"治療も教えてほしい
本記事ではこういった疑問にこたえます。
■ 本記事の内容
この記事を書いている私は認知症や高齢者の方の治療を専門にする歯医者です。
毎日、患者さんの自宅や老人ホームに訪問しています。
Twitterで情報発信しています。記事の信頼性担保につながれば嬉しいです。
今日はじめて歯科衛生士の口腔ケアをうけた寝たきりの方。立ち会った娘さんが「いつも口は開かないし、歯医者が来ても何ができるの?と思ってました。こんなピカピカにしてくれるなんて予想しなかった」と言ってくれたのは嬉しかったな。便利な道具はたくさんあるし、家族ができることもいっぱいある。
— しろたぬ@歯の人☘お豆腐メンタル (@shirotanu_dds) 2020年9月25日
『今日はじめて歯科衛生士の口腔ケアをうけた寝たきりの方。立ち会った娘さんが「いつも口は開かないし、歯医者が来ても何ができるの?と思ってました。こんなピカピカにしてくれるなんて予想しなかった」と言ってくれたのは嬉しかったな。便利な道具はたくさんあるし、家族ができることもいっぱいある』
訪問歯科の治療内容【症状もわかりやすく解説】
訪問歯科の利用を考えていて、どんな治療ができるのかなと考えている方を想定しています。
結論からいうと、訪問歯科でできる治療内容と症状はそれぞれ下記の通りです。
✔︎ 【訪問歯科で可能な治療内容】
・歯周病
・歯を抜く
・入れ歯(義歯)に関する治療
・嚥下(飲み込む機能)
・顎関節
・口腔ケア
・レントゲン撮影
✔︎ 【訪問歯科で対応できる症状:歯に関するもの】
・歯がしみる
・歯がかけた
・歯に穴があいた
・歯ぐきが腫れた
・歯がグラグラする
・銀歯が取れた
・差し歯が取れた
✔︎ 【訪問歯科で対応できる症状:義歯に関するもの】
・入れ歯が合わない
・入れ歯をなくした
・入れ歯を新しく作りたい
✔︎ 【訪問歯科で対応できる症状:その他】
・飲み込めない
・出血する
・口臭がする
・顎が外れた
訪問歯科でできる治療内容
訪問歯科で可能な治療は幅広いです。
街の歯医者さんで対応できる症状はほぼ対応できます。
繰り返しになりますが以下の通りです。
✔︎ 【訪問歯科で可能な治療内容】
・歯周病
・歯を抜く
・入れ歯(義歯)に関する治療
・嚥下(飲み込む機能)
・顎関節
・口腔ケア
・レントゲン撮影
✔︎ 虫歯の治療
削って詰めて、虫歯を治すことができます。
根管治療と呼ばれる、神経の治療も可能です。
削る道具を持っていくことができるので、その場で治療ができます。
クラウンやブリッジと言われる被せ物も作成できます。
✔︎ 歯周病の治療
歯周病の治療することができます。
出血する、揺れている、このような歯ぐきを綺麗にして、消毒します。
ブラッシング指導もおこないます。
✔︎ 歯を抜く
歯を抜くこともできます。
ただし持病、飲んでる薬、当日の体調によっては出来ないこともあります。
その場合は大きい病院を紹介します。
✔︎ 義歯作成
入れ歯を新しく作ることができます。
歯ぐきの型取りや噛み合わせの確認も、寝た状態でもおこなうことができます。
✔︎ 義歯の調整
義歯を調整することができます。
新しく作ったあと、今までの義歯、どちらも調整可能です。
削る道具を持っていけるのでその場でできます。
✔︎ 義歯の修理
壊れた入れ歯を修理することができます。
部分的に欠けただけでなく、真っ二つに割れていても修理可能です。
壊れるのが繰り返すときは、新しい義歯をおすすめすることもあります。
✔︎ 嚥下(飲み込み)の治療
嚥下治療をすることができます。
聞きなれない言葉ですが、年を取ると飲み込む機能が低下してゴックンの力が弱くなります。
その機能低下を抑えるための訓練や検査をおこないます。
内視鏡を使ってのどの様子を直接見るもできます。
✔︎ 顎関節の治療
顎関節治療することができます。
顎の痛み、口が開いたまま閉じない、逆に閉じたまま開けられない、その状況を治療可能です。
✔︎ 口腔ケア
口腔ケアをおこなうことができます。
口腔ケアは訪問歯科にとって肝となる治療です。
訪問歯科を依頼するような方の中では、口の中の環境を維持することが難しい方も多いです。
そのため定期的な歯磨きやブラッシング指導で、歯を残すだけだなく、機能の維持回復をめざします。
>>参考:【歯医者が話す】口腔ケアの効果をわかりやすく解説します【目的あり】
✔︎ レントゲン撮影
レントゲンを撮影することができます。
レントゲン機材を持ち運べるのでその場で写真を取ることができます。
正しい顎全体を取るような大きいレントゲンは撮ることができません。
【具体的】訪問歯科で対応できる症状
次に具体的な症状を解説していきます。
訪問歯科で対応できる症状は以下の通りです。
歯に関するもの、入れ歯に関するもの、その他の3つに分けています。
✔︎ 【訪問歯科で対応できる症状:歯に関するもの】
・歯がしみる
・歯がかけた
・歯に穴があいた
・歯ぐきが腫れた
・歯がグラグラする
・銀歯が取れた
・差し歯が取れた
✔︎ 【訪問歯科で対応できる症状:義歯に関するもの】
・入れ歯が合わない
・入れ歯をなくした
・入れ歯を新しく作りたい
✔︎ 【訪問歯科で対応できる症状:その他】
・飲み込めない
・出血する
・口臭がする
・顎が外れた
このように口の中のトラブル全般に対応することができます。
一般の歯科でできる治療はほぼできると思って構いません。
>>参考:【必見】訪問歯科診療の料金・費用をすべて紹介します【料金表つき】
通院の難しい人にとっては訪問歯科は利用する価値は、あります。
訪問歯科では対応の難しい治療内容
訪問歯科で対応の難しい治療内容を解説します。
✔︎ 【訪問歯科での対応が難しい治療】
・ホワイトニング
・インプラント
・矯正
・口全体のレントゲン撮影
上記の通りです。
訪問歯科での対応が難しい治療
✔︎ 癌のような外科手術の必要な病気
癌のように外科手術を必要とする場合、訪問歯科での対応が難しいです。
大きい病院を紹介することになります。
✔︎ ホワイトニング
ホワイトニングは訪問歯科で難しいというよりも、あまり需要のない分野です。
歯を白くしたいというよりは虫歯を治したい、歯周病治したい、飲み込めるようになりたい、といったニーズが多いです。
✔︎ インプラント
インプラントも訪問歯科では難しいです。
理由はインプラントを埋め込む手術をその場で行うことは難しいこと、訪問歯科が必要な人にインプラントを打ち込む必要があるかということ、の2つです。
逆に昔入れたインプラントをとってほしい、という方が多いですが、この場合も大きい病院を紹介することが多いです。
✔︎ 矯正
矯正は訪問歯科で難しいというより、ホワイトニングと同じであまり需要のない分野です。
訪問歯科の対応となる患者さんから歯を動かしたいというニーズは少ないです。
✔︎ 口全体のレントゲン撮影
口全体のレントゲン撮影はできません。
数本の歯をうつすような、小さいレントゲンは可能です。
それ以上広い範囲のレントゲンはそれなりの機材が必要になるため、その場ではなく病院で取る必要があります。
できない「状況」もある
訪問歯科で治療ができない場合は治療内容だけではなく、状況によってできないこともあります。
✔︎ 【訪問歯科での対応が難しい状態】
・体力的にきつい
・大量の出血が予想される
・止血の困難が予想される
・強い拒否がある
このような場合は積極的に治療することができません。
本人の体調など、条件が整わないうちに治療することは、二次的な疾患を生み出す可能性があるからです。
そのため当日は何も治療せず、次のアポイントだけを取る場合もあります。
口腔ケア、大事
訪問歯科の対象となる方においては、 毎日の口腔ケアがとても大切です。
口の中を衛生的に保つということは虫歯を予防するだけはありません。
歯周病を防ぐことができますし、口から食べるということを維持することにつながります。
認知症の方への口腔ケア>>【簡単なコツ】歯磨きできない認知症の人への対処法を解説します【嫌がる・拒否あり】
まさに、生きることそのものです。
予防という観点から、歯を考えることは重要です。
訪問歯科の治療内容は広い
今回の記事をまとめます。
✔︎ 【訪問歯科で可能な治療内容】
・歯周病
・歯を抜く
・入れ歯(義歯)に関する治療
・嚥下(飲み込む機能)
・顎関節
・口腔ケア
・レントゲン撮影
✔︎ 【訪問歯科で対応できる症状:歯に関するもの】
・歯がしみる
・歯がかけた
・歯に穴があいた
・歯ぐきが腫れた
・歯がグラグラする
・銀歯が取れた
・差し歯が取れた
✔︎ 【訪問歯科で対応できる症状:義歯に関するもの】
・入れ歯が合わない
・入れ歯をなくした
・入れ歯を新しく作りたい
✔︎ 【訪問歯科で対応できる症状:その他】
・飲み込めない
・出血する
・口臭がする
・顎が外れた
✔︎ 【訪問歯科での対応が難しい治療】
・ホワイトニング
・インプラント
・矯正
・大きいレントゲン撮影
✔︎ 【訪問歯科での対応が難しい状態】
・体力的にきつい
・大量の出血が予想される
・止血の困難が予想される
・強い拒否がある
訪問歯科の治療内容は幅広く、多くの症状に対応することができます。
道具もかなり発達しているので、一般歯科と同じ治療を自宅や老人ホームでうけることができます。
歯を削ったり写真を撮ったり何でもできます。
もちろん今回解説したように状況によっては治療ができないこともあります。
それでもあきらめずに訪問歯科を利用するのはメリットが多いです。
口の中の状態を今よりも悪くしないため、そして「ずっと口から食べる」ために口腔ケアだけでも受けておくというのもとても有効です。
日々の歯磨きをがんばりつつ、訪問歯科でチェックをうける、というスタンスはオススメです。
おすすめの歯磨き粉や保湿剤は歯科医院で使っているものが理想です。
ですが、少し高いので、市販のものでもOKです。
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まずは毎日磨く、保湿する、を意識することが大切です。
特に、高齢の方や認知症の方では、口の中をきれいにすることで肺炎や窒息の予防にもつながります。
積極的に訪問歯科を利用しつつ、日々の生活の質を上げていきましょう。
今回は以上です。
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