訪問歯科診療をうけるメリット・デメリット【わかりやすく解説します】
訪問歯科診療のメリットとデメリットを知りたい方へ。
・訪問歯科診療の利用を検討している
・訪問歯科診療のメリットを知りたいな
・デメリットも教えてほしい...
本記事ではこういった疑問にこたえます。
■ 本記事の内容
- 訪問歯科診療をうけるメリット・デメリット【わかりやすく解説】
- 訪問歯科診療をうけるメリット
- 訪問歯科を受けるメリット ①:部屋にいたまま診察をうけられる
- 訪問歯科を受けるメリット ②:一般歯科と同じ治療を受けられる
- 訪問歯科を受けるメリット ③:介護する側の身体的、精神的負担が少ない
- 訪問歯科を受けるメリット ④:感染リスクが低い
- 訪問歯科を受けるメリット ⑤:受診の機会を見落としにくい
- 訪問歯科を受けるメリット ⑥:口腔環境を衛生的に保つことができる
- 訪問歯科診療のデメリット
- 訪問歯科を受けるデメリット ①:治療内容によっては難しいものがある
- 訪問歯科を受けるデメリット ③:住んでいる所から直線距離で16km以内の病院しか利用できない
- 訪問歯科を受けるデメリット ④:通院困難な人だけ利用できる
- まとめ:訪問歯科診療のデメリットはメリットに変わる
この記事を書いている私は、認知症や高齢者の方の治療を専門する歯医者です。
毎日、患者さんの自宅や老人ホームに訪問しつつ、Twitterで情報発信しています。
記事の信頼性担保につながると嬉しいです。
1分ほどで読み終わります。
訪問歯科診療に関わった頃は、えっ?歯医者の訪問?みたいな反応で、嚥下検査?なにそれ?と言われた。
— しろたぬ@歯の人☘お豆腐メンタル (@shirotanu_dds) 2020年10月17日
最近少しだけ認知度があがり、一人では回らないほど依頼が増え、なにより心優しい医療と介護職の仲間に囲まれて体調も良好。基本ビビりなので、あのとき「やってみよう」と思って本当によかった。
『訪問歯科診療に関わった頃は、えっ?歯医者の訪問?みたいな反応で、嚥下検査?なにそれ?と言われた。最近少しだけ認知度があがり、一人では回らないほど依頼が増え、なにより心優しい医療と介護職の仲間に囲まれて体調も良好。基本ビビりなので、あのとき「やってみよう」と思って本当によかった』
訪問歯科診療をうけるメリット・デメリット【わかりやすく解説】
訪問歯科診療のメリット、デメリットを紹介していきます。
結論からいうと以下の通りです。
✔︎ 【訪問歯科のメリット】
①:部屋にいたまま診察をうけられる
②:一般歯科と同じ治療がうけられる
③:介護する側の身体的、精神的負担が少ない
④:感染リスクが低い
⑤:受診すべきタイミングを見落としにくい
⑥:口腔内を衛生的に保つことができる
✔︎ 【訪問歯科のデメリット】
①:治療内容によっては難しいものがある
②:外来診療に比べて料金が高い
③:住んでいる所から直線距離で16km以内の病院しか利用できない
④:通院困難な人だけ利用できる
訪問歯科とは「身体的、精神的な理由で歯医者に通院が困難な人のために、自宅や施設にいながら歯科診療が受けられる医療サービス」です。
>>参考:【訪問歯科とは..?】訪問歯科診療とは何者なのかを解説します【聞き慣れない】
歯医者や歯科衛生士が、自宅や介護施設に直接訪問します。
高齢化社会を迎えるにあたり、国が促進している制度のひとつでもあります。
訪問歯科診療をうけるメリット
繰り返しになりますが、下記の通りです。
✔︎ 【訪問歯科のメリット】
①:部屋にいたまま診察をうけられる
②:一般歯科と同じ治療がうけられる
③:介護する側の身体的、精神的負担が少ない
④:感染リスクが低い
⑤:受診すべきタイミングを見落としにくい
⑥:口腔内を衛生的に保つことができる
ひとつずつ深掘りしていきます。
訪問歯科を受けるメリット ①:部屋にいたまま診察をうけられる
「部屋にいたまま治療を受けられる」というのは訪問歯科の最大のメリットです。
訪問歯科の対象となる人にとって、通院するという行為は身体的、精神的にかなり負担がかかります。
訪問歯科診療は自宅、介護施設、病院などどこでもうけることができます。
お部屋でも、寝室でも、リビングでも、場所は問いません。
待合室での順番待ちもありません。
訪問歯科を受けるメリット ②:一般歯科と同じ治療を受けられる
訪問歯科診療では外来の一般歯科と同じ治療を受けることができます。
歯の治療には、いろいろな機材が必要です。
訪問歯科診療ではその機材をすべて持ち運ぶことができます。
なので、外来の歯医者さんと同じ治療を受けることができます。
詳しくは【ほぼできる】訪問歯科の治療内容を解説します【症状もわかりやすく】で解説しています。
訪問歯科を受けるメリット ③:介護する側の身体的、精神的負担が少ない
訪問歯科診療は、介護する側の身体的、精神的負担を軽減することができます。
訪問歯科診療はその場で治療することができるからです。
これに対し、通常の外来診療では病院にいき、待合室で待ち、説明を受け、帰宅するという行動が必要です。
そのため訪問歯科診療は、治療を受ける人だけでなく介護する人にとっても負担軽減になります。
体力的にも精神的にも時間的にも、負担は減少します。
訪問歯科を受けるメリット ④:感染リスクが低い
訪問歯科では他人からの感染リスクが低いです。
通常の一般診療と違い、不特定多数と接触しないからです。
外出先や病院の待合室など多くの人が集まる環境を避けることができます。
もちろん訪問歯科診療のスタッフが感染源となる可能性もあります。
それは外来の診察を受けても可能性はあるので、不特定多数との接触がない、という意味で感染リスクを減らすことができます。
訪問歯科を受けるメリット ⑤:受診の機会を見落としにくい
訪問歯科を受けることで、受診の機会を見落としにくくなります。
訪問歯科診療では家にいるだけで受診できるので、診察を受けやすいです。
そのため体調の変化、病気の進行具合を定期的にチェックできます。
このくらい大丈夫か、ちょっと忙しいから後にしよう、などの理由で虫歯や歯周病を進行してしまうリスクも減ります。
訪問歯科を受けるメリット ⑥:口腔環境を衛生的に保つことができる
訪問歯科診療をうけることで、口の中の環境を衛生的に保つことができます。
歯の健康は口の中をきれいにすることが基本です。
そのため口腔ケアがとても重要です。
定期的な口腔ケアをうけつつ、そのやり方を介護者が知ることで、毎日実践できるようになります。
結果、肺炎や機能低下を防ぐことができます。
訪問歯科診療のデメリット
続いて訪問歯科診療のデメリットを紹介します。
✔︎ 【訪問歯科のデメリット】
①:治療内容によっては難しいものがある
②:外来診療に比べて料金が高い
③:住んでいる所から直線距離で16km以内の病院しか利用できない
④:通院困難な人だけ利用できる
上記の通りです。
訪問歯科を受けるデメリット ①:治療内容によっては難しいものがある
治療内容によっては訪問歯科で対応できないものがあります。
これは患者さんの体調として難しいもの、保険が適用じゃなく難しいもののふたつです。
具体的には、体調として難しいものは、抜歯と相性の悪い薬を飲んでいたり、糖尿病などの持病が重傷で出血する資料が難しかったりする場合です。
この場合、どうしても外の病院への通院が必要になります。紹介状を書いて紹介することになります。
もうひとつは保険が適用できない、矯正治療、ホワイトニング、インプラントあたりは訪問歯科での治療は難しいです。
厳密にいうと、訪問診療で可能な治療ではあるのですが、需要としてはかなり少ないのが現実です。
訪問歯科を受けるデメリット ②:外来診療に比べて料金が高い
訪問歯科診療は外来の診療に比べ、料金が高いです。
一定の技術力、専用機材の持ち出しなどにコストがかかるからです。
費用は保険で決まっています。
外来の診療に比べて2、3割くらい高いイメージです。
詳しくは【必見】訪問歯科診療の料金・費用をすべて紹介します【料金表つき】を参考にしてください。
訪問歯科を受けるデメリット ③:住んでいる所から直線距離で16km以内の病院しか利用できない
訪問歯科診療は住んでいる場所から直線距離で半径16 km以内にある病院にしか依頼できません。
これも保険のルールで決まっています。
そのため16km圏外の病院から訪問してもらうことはできません。
訪問歯科を受けるデメリット ④:通院困難な人だけ利用できる
訪問歯科診療はあくまで「通院困難な人」のみ利用できる医療サービスです。
これは国が決めたルールです。
>>参考:「訪問歯科の対象者」をわかりやすく解説します【利用条件はゆるめ】
そのため、通院するのがめんどくさい、元気だけどついでに見て欲しい、のような理由では訪問歯科診療を利用することができません。
まとめ:訪問歯科診療のデメリットはメリットに変わる
今回の記事をまとめます。
✔︎ 【訪問歯科のメリット】
①:部屋にいたまま診察をうけられる
②:一般歯科と同じ治療がうけられる
③:介護する側の身体的、精神的負担が少ない
④:感染リスクが低い
⑤:受診すべきタイミングを見落としにくい
⑥:口腔内を衛生的に保つことができる
✔︎ 【訪問歯科のデメリット】
①:治療内容によっては難しいものがある
②:外来診療に比べて料金が高い
③:住んでいる所から直線距離で16km以内の病院しか利用できない
④:通院困難な人だけ利用できる
訪問歯科診療は通院困難な人にとっては、とても有効な医療サービスです。
デメリットも、とらえ方次第でメリットに変わることがあります。
例えば「料金が少し高い」という理由も、体力的なこと、精神的なこと、時間的なことを考えると、依頼する価値がうまれる人もいます。
事実、介護タクシーなどを使って通院するよりは逆に安い場合もあります。
矯正やホワイトニングなど特殊な治療法をのぞき、歯の健康を守るための治療は訪問歯科診療ですべて可能です。
歯科医師をはじめとする診療スタッフと信頼関係を築いて慣れることができれば、リラックスして診療を受けられます。
まだまだ訪問歯科診療はマイナーですが、最近は少しずつ数が増えてきています。
訪問歯科には価値があります。
メリット、デメリットを頭に入れつつ、ぜひ試してみてください。
今回は以上です。
>>参考:【見つけたい】訪問歯科の探し方【5つある / 選ぶ基準も解説します】
>>参考:【ご案内】訪問歯科の申し込み方法【依頼から治療開始までの流れ】
>>参考:【ほぼできる】訪問歯科の治療内容を解説します【症状もわかりやすく】
>>参考:【必見】訪問歯科診療の料金・費用をすべて紹介します【料金表つき】
>>参考:訪問歯科診療の「当日の流れ」を具体的に解説します【注意点あり】