【5つある】歯科衛生士の50歳からの転職が難しい理由【活躍できる】
転職を考えている50代の歯科衛生士さんへ。
・50歳からは転職しにくいときいたけど、どうなのだろう
・50歳からの転職を成功させる方法を知りたい
・採用されるためのポイントとかってあるのかな
本記事ではこういった疑問にこたえます。
■ 本記事の内容
この記事を書いてる私は歯科医師です。高齢者歯科を専門にしていて、複数の病院に関わっています。
そのためたくさんの歯科衛生士さんと毎日お仕事していて、その中には50代や60歳以上の歯科衛生士さん達も活躍しています。
この環境から語ります。
普段は Twitter で医療と介護の情報を発信しています。記事の信頼性の担保になると嬉しいです。
「はじめてのおつかい」があるように、人には「さいごのおつかい」があります。
— しろたぬ@歯の人☘お豆腐メンタル (@shirotanu_dds) January 15, 2021
でもそれがいつなのかは神様しかわからなくて、突然やってきます。高齢者に関わる仕事をしていると、今日の買い物が最後かも…と常々思う。いつもの日常は当たり前じゃなくてかけがえのない瞬間。今日は何を買おうかな。
『「はじめてのおつかい」があるように、人には「さいごのおつかい」があります。
でもそれがいつなのかは神様しかわからなくて、突然やってきます。高齢者に関わる仕事をしていると、今日の買い物が最後かも…と常々思う。いつもの日常は当たり前じゃなくてかけがえのない瞬間。今日は何を買おうかな。』
【50代歯科衛生士の転職】50歳からの転職が難しい5つの理由
5つの理由は次のとおり。
・理由①:体力的に不利
・理由②:うまくなじめるか不安
・理由③:給料の条件が合わない
・理由④:技術的なのびしろが少ない
・理由⑤:すぐやめるのかもしれない不安
理由①:体力的に不利
50歳を越えてくると、若い人に比べて体力的に不利...と思われやすいです。実際、どうしても20代30代のときよりは、精力的に動き回るということは難しくなってきます。
長時間立ちっぱなしや、常に走り回るような病院であれば体力は削られやすいです。
理由②:うまくなじめるか不安
雇う病院側として、職場にうまくなじんでくるか...というのも大切な要因です。
歯科医療はご存知のようにチームプレイで、人間関係がすべてと言っても過言ではないからです。
新しい職場に入るということは新人ということです。年下のスタッフから指示を出されることもあります。
年下からしても、年上の人に指示をするというのはやりづらく感じることもあるかもしれません。
理由③:給料の条件が合わない
給料の条件が合いにくい...ということも転職が難しい理由と考えられます。
平均給料としても、50代は高くなりがちです。特に経験のあるバリバリ働いてきた歯科衛生士は、平均よりも高い年収をもらっている方もいます。
専門的な資格や技術を持っていれば、それに対して正当な評価をされるのは当然です。
ですが、経営的な目線からすると、その技術を給料に合わせて高く評価するという病院でけではありません。
✔︎ 歯科衛生士の平均年収
・40代後半:370万円
・50代前半:400万円
・50代後半:430万円
・60代前半:390万円
※ これは40代からずっと働いてきて、徐々に給料が上がってきたことが反映されていると考えられます。
>>参考:50代60歳以上の歯科衛生士の給料・平均年収【いくつまでできる?】
理由④:技術的なのびしろが少ない
20代30代と比較すると、技術的な伸びしろが少なくなりがちということも挙げられます。
体力的な部分と繋がりますが、これから新しい技術を取り入れていく... ためには気力と体力が必要です。
休日にセミナーに行ったり、遅くまで残って技術鍛錬したりということは難しいのでは...と思われがちです。
のびしろに関しては、ブランクの長かった歯科衛生士さんには当てはまりません。
なぜなら、覚えることがたくさんあるからです。固定観念が無くその病院のやり方を覚えられるので、ブランクのあることは逆に強みになったりします。
理由⑤:すぐやめるのかもしれない不安
すぐに辞めてしまうのでは...という不安は雇う病院側としては常にあります。
病院としては雇う以上、できるだけ長く働いてほしいと考えています。
そのために職場の人間関係になじめそうな人は採用されやすい..に加えて、年齢的に長く働きやすい人を採用される傾向があります。
歯科医院によって定年制度は異なりますが、 あと数年で定年になるというのは病院にとってもデメリットになります。
...と、ここまでネガティブな理由をあげてきましたが、では一体どうしたら50代の歯科衛生士さんが転職を成功させることができるのでしょうか。
50代歯科衛生士が転職を成功させるポイント【弱みを魅力にかえる】
転職しにくい理由がわかれば、それを魅力に変えることができます。転職を成功させるポイントは簡単で、今挙げたネガティブ理由の反対をアピールすることです。
✔︎ 50代歯科衛生士転職を成功させるためのアピールポイント
・ポイント①:時間に融通がきく
・ポイント②:やわらかい物腰
・ポイント③:技術を還元したい
・ポイント④:まなぶ姿勢がある
・ポイント⑤:将来的にずっと働く意思がある
大きく分けるとこのような感じです。メンタル的な要素と、実務的な要素にわかれています。
どれか一つ当てはまればそれだけで強みになります。順番にみていきましょう。
ポイント①:時間に融通がきく
時間に融通がきくというのは、体力的な不利を十分にカバーできる、大きなアピールポイントです。
なぜなら職員が少ない時間帯や、 患者さんが多い時間帯に活躍してくれる歯科衛生士さんは重宝されるからです。
最近では土日祝日に営業していたり、夜遅くまでやっている病院も見受けられるので、そのような病院にとっては神のような存在になれる可能性があります。
ポイント②:やわらかい物腰
柔らかい物腰をアピールすることは重要です。繰り返しになりますが、診療は人間関係がすべてといっても過言ではありません。
「元々いるスタッフとうまくやれるか」というのは、診療を円滑に治すための重要な要素です。
そのため、ギスギスした雰囲気よりは柔らかい雰囲気の方であれば受け入れられやすいです。
ポイント③:技術を還元したい
今までバリバリ働いてきた歯科衛生士さんであれば、 その技術を若い人に伝えるという役目もあります。
これからの時代を担う若い人たちに足りないのは経験だからです。将来的に自分の歯が悪くなった時に、安心して任せられる人がいると安心ですよね。
もちろん高く評価されて高い給料をもらうことも重要ですが、そこにこだわるあまり新しい人間関係をきずくチャンスを見逃さないさないようにしましょう。
ポイント④:まなぶ姿勢がある
学ぶ姿勢があるということはアピールポイントになります。
病院としては、固定観念が強い人よりも柔軟に病院に対応してくれる人を望みます。その方が診療がスムーズに進むからです。
そのため、病院の方針をしっかり理解したい...というスタンスは大切です。「知らない」「わからない」ことをしっかり認められる人も魅力的です。
資格取得の補助をしてくれる病院もわりとあります。歯科衛生士の資格の具体例をあげておきます。
・日本歯周病学会認定歯科衛生士(日本歯周病学会)
・インプラント専門歯科衛生士(日本口腔インプラント学会)
・日本小児歯科学会認定歯科衛生士(日本小児歯科学会)
・認定矯正歯科衛生士(日本成人矯正歯科学会)
✔︎ ブランクは大きなアピールポイント
「ブランクがある」=「不利」ではありません。 ブランクがあって何もわからないということは、利点やのびしろである...と考える病院も実は多いです。まなぶ姿勢を伝えましょう。
ポイント⑤:将来的にずっと働く意思がある
ずっと働きたいとアピールすることも大切です。病院としては、長くいてくれる歯科衛生士さんはとても貴重な人材だからです。
最初、新しい職場では多少嫌なことや理不尽なことも起こりえます。それでもくじけずに頑張りたいと思っているとい意志を病院に伝えましょう。
時間は問題を解決します。
※ 病院の定年制度は事前に確認するようにしましょう。
>>参考: 歯科衛生士は何歳まで働けるの?歳をとったら...?【結論:一生働けます】
転職直後は誰もが新人です
キャリアのある歯科衛生士さんもブランクのある歯科衛生士も、新しい職場では新人です。
そのため新しい職場に馴染む努力を忘れないようにしましょう。年下の人にも敬語で話すのがベターだと思います。
あとは「前の病院ではこうだった」の比較はマイナスイメージになってしまいます。自分の色を出すのは良い人間関係を築いてからがオススメです。
【歯科衛生士は50歳から活躍できる】自分の軸を決めましょう
ここまで50歳からの転職が成功しやすい条件を紹介してきましたが、自分にとっての条件もおなじくらい大事ですよね。
自分の中で譲れない条件も確認しておきましょう。
✔︎ 【希望条件の例】
・休日
・勤務時間
・勤務エリア
・福利厚生
・勉強会の補助
病院にも条件があるように自分にも条件がありますよね。
やりがいだけではなにも続きません。マッチした病院にであうために、自分の基準を決めておきましょう。
50代や60歳以上の転職は転職サイトを利用するのが便利です。自分に合った病院をさがす方法は50代歯科衛生士の転職に強い求人サイト おすすめ2選【東京以外もOK】を参考にしてください。
これからは50代以上の歯科衛生士さんが活躍する時代
近年、歯科衛生士さんの重要性が高まっています。高齢化社会が進み、口のケアを必要とする人は増えています。つまり”衛生士として働く”という流れが後押しされている時代です。
とはいえ、転職をしようと思ったのに半年くらいかかってしまった...という例もあります。これだけで一年の半分が過ぎてしまうことになりますね。
時間は有限です。時の流れは刻々と進んでいるので、早めに動くのがおすすめです。
まずはこの機会に少しでも動いてみてください。
✔︎ 【50代歯科衛生士転職を成功させるためのアピールポイント】
・ポイント①:時間に融通がきく
・ポイント②:やわらかい物腰
・ポイント③:技術を還元したい
・ポイント④:まなぶ姿勢がある
・ポイント⑤:将来的にずっと働く意思がある
>>参考:50代歯科衛生士の転職に強い求人サイト おすすめ2選【東京以外もOK】
>>参考:歯科衛生士は何歳まで働けるの?歳をとったら...?【結論:一生働けます】
>>参考:50代60歳以上の歯科衛生士の給料・平均年収【いくつまでできる?】