訪問歯科の口腔ケア。依頼するときの費用は?保険は使えるの?
こんにちは。白たぬきと申します。
普通の人たちにとって「訪問歯科」や「口腔ケア」という言葉は馴染みの薄いものです。
ですのでこのブログを訪れる方は、介護が身近になった方たちだと思います。
日々の介護、ご苦労様です。
診療中、かなりの頻度で聞かれる質問があります。
訪問歯科を依頼したらいくらかかるの?
確かにお金の問題は気になります。
歯の本数や状態、そして住まい?!によって請求額は変わります。
そのため、これより高いとか安いとかは考えなくていいように幅をもたせた範囲で説明しています。
口腔ケアは継続的に行う必要がある
料金だけ気になる方は下へ進んでください。
大前提にあるのは「口腔ケアが継続的に行う必要がある」ということです。
体が不自由など何らかの理由で口の中の環境が悪くなってくると、口の中の綺麗さを保ち続けるということがとても難しいです。
そのため、状態の向上や維持はもちろんのこと重症化を予防するという意味で口腔ケアはとても大切な意味を持ちます。
歯が多く残っていれば残っているほど、自分の歯で噛むことができます。
ですがその反面、衛生状態が悪化すると、虫歯や歯周病になりやすくなります。
あわせて痛みや脹れの症状も起こりやすくなります。
歯の少ない人、ない人は噛むことのできない問題がありますが、歯周病や虫歯のリスクは減ります。
認知症などで拒否が強く口の中を磨くことができない人の場合、 歯があることがリスクとなってしまうことも多くあるのです。
口腔ケアでかかる1ヶ月の費用
では実際にいくらかかるか計算してみます。
口腔ケアには保険が利きます。
健康保険と介護保険を使うことで、1割から3割の自己負担で受診することができます。
保険制度の不思議。患者さんが住んでいる場所がとにかく重要!
自宅?
老人ホーム?
日本の保険制度は不思議なもので、1日の間に同じ建物の中で歯医者が患者さんを何人診察するかで費用が変わってきます。
建物の中で診察する人数が増えると、料金は安くなります。
逆に建物の中で1人だけ診察を受けると、料金は高くなります。
そのため老人ホームのような施設で何人かの患者さんの1人として診察を受けると安くなり、自宅で1人で診察を受けると費用が高くなります。
対象の患者さんが在宅(1人)で診療する場合の目安の費用
1回目 2000円〜2500円
2回目 2000円〜2500円3回目 1400円〜1900円
4回目 1400円〜1900円
5回目以降 1200円〜1500円(同月内)
対象の患者さんが施設(老人ホームや病院)で診療する場合
1回目 1000円〜1200円
2回目 1000円〜1200円3回目 700円〜900円
4回目 700円〜900円
5回目以降 400円〜600円(同月内)
同月内での費用なので、月が変わると1回目からの料金になります。
すべて1割負担の場合なので、3割の人は3倍する必要があります。
そして繰り返しになりますが、診る人数が1人だと少しだけ割高になります。
施設の場合でも、1人だけ診た場合は同じく割高になります。
口腔ケアの意味。
口腔ケアの目的は、
虫歯や歯周病の予防。
口の中の環境の改善。
肺炎や窒息の防止。
などいろいろあります。
自分で歯磨きが出来なくなったいいうがいができなくなると、口の中が不衛生になります。
その結果、虫歯が増えたり、歯周病が進んで歯が揺れてきたり、歯茎が腫れたり、肺炎になったりするリスクが激増します。
それを防止するための治療が口腔ケアです。
口腔ケアを説明したサイトや本はたくさんあるので、詳しく知りたい方は検索してみると良いと思います。
大切なことは次です↓
口腔ケアは歯医者任せにしない。
口の中の健康は、全身の健康状態に大きく影響します。
それでも値段が高く感じる人もいると思います。
口の中の状態がよくなってくると、回数を減らすことも可能です。
誰もがずっと続くわけではありません。
週一が隔週、そこから月に一度になりさらに調子がよければ数ヶ月に一度へ。
患者さん本人や、ご家族、周りのスタッフが「しっかりとブラッシングや保湿までできるようになること」が歯科でおこなう口腔ケアの目的です。
つまり、歯医者任せにしないことが大切なのです。
歯科は予防がとても大切です。
これは何も、悪くなる前の予防という意味だけではありません。
重症化の予防という意味も含まれています。
ですから治療に遅いということはありません。
気づいたときになるべく早く診療を受けることが大切だと思っています。
一度、口や歯の状況を確認してみてください。