訪問歯科を見つける5つの方法。
初めての訪問歯科。「見つけ方、探し方、頼み方。」を紹介します。
訪問歯科を見つける5つの方法
- 1.ケアマネージャーに聞く。(要介護認定を受けている方の場合)
- 2.地域包括支援センターに問い合わせる。
- 3.施設に依頼する。(ご家族が老人ホームや病院のような施設に入っている場合)
- 4.今までの歯医者に依頼する。
- 5.インターネットを使って探す。
- 上記 1〜5に共通するとても大切なこと!
介護を必要とする人に歯科治療が必要になったらどうしたらよいのでしょう?
家族をはじめとするその人に関わる全ての人たちが口の異変に気が付いたとき、どのように動けば良いのでしょうか。
今は歯医者が自宅や病院、老人ホームのような施設にも伺って治療することができます。
それが「訪問歯科」とよばれる医療サービスです。
訪問歯科という言葉は普段あまり耳にしない言葉ですよね。
介護に携わって初めて聞く方が多いです。
大きな病気の陰に隠れがちですが、「食べる」「飲む」「話す」といいた口の中の機能は生命の維持に直結すると言っても過言ではありません。
ですが口の中のトラブルが発覚するのは、病気の治療が落ちつてくるころが多いのです。
匂いや出血、痛みの訴え。
本当は近くの歯医者さんへ連れて行きたいれども、それは難しい。
その状況になって初めて「訪問歯科」の存在を知り、依頼するという状況になります。
ではどのように訪問歯科を見つけ、探し、頼めばよいのでしょうか?
ご存知のように今日本は高齢化社会を迎え、早ければ30代の人たちからご家族の介護を考えなければならない時代がきています。
初めてのことばかりでどうしていいかわからず、迷い悩むことだらけであると思います。
訪問歯科診療を頼みたい場合も、初めて関わるときどのように見つけ、探し出し、依頼すれば良いのか。
そのきっかけに迷う方も多くいらっしゃることと思います。
訪問歯科診療を行っている歯科医院は全国に約2万件あります。
これは全国の歯科医院の約2割強にあたります。
大して介護の必要な方の人数は全国で600万人。
ここに潜在的な形を含めると100万人ほどは増えると考えられます。
多くの方たちは身体的不自由などの理由で通院できず、口の中のトラブルが放置されやすい環境に置かれています。
このとき必要とされるのは訪問歯科診療に対応した歯科医院、クリニックを見つけ出すことです。
選択肢を提示されその中から選ぶことができれば、患者さんにとっても介護されているご家族にとっても安心につながるのではないのでしょうか。
訪問歯科の見つけ方5つ
1.ケアマネージャーに聞く。(要介護認定を受けている方の場合)
担当のケアマネージャーさんが既にいらっしゃる場合、そのケアマネージャーさんに訪問歯科を紹介できるかどうか頼む方法があります。
ケアマネージャーさんは多くの患者さんを抱え、介護や医療的なプラン作成に携わっています。
そのため地域の医療機関を知っていることも多くそのまま依頼してもらうことも可能です。
2.地域包括支援センターに問い合わせる。
地域包括医療センターとは、ご家族の医療や介護の相談を受け付けてくれる自治体が運営する機関です。
聞きなれない方もいらっしゃると思いますが、全ての高齢者や障害者の相談を受け付けているいわばよろず屋のような場所です。
全国に4000箇所以上設置されています。
ケアマネージャー以外にも保健師さん(看護師資格保有)も所属しており 、適切な機関と連携し問題解決にあたってくれます 。
「自分住んでいるの市町村名 地域包括医療センター」
で検索し最寄りのセンターへ問い合わせすると良いと思います。
3.施設に依頼する。(ご家族が老人ホームや病院のような施設に入っている場合)
ご家族の入居されている施設に頼む方法です。
施設のケアマネージャーさんや看護師さんに聞いてみてください。
訪問歯科医院と連携していることが多くスムーズに紹介してくると思います。
逆に、施設側からご家族へ訪問歯科受診の打診がある場合もあり、早期発見や予防の観点からも有用な方法だと思います。
緊急時にも施設が担当歯科医師へ連絡してくれます。
4.今までの歯医者に依頼する。
ご家族が行きつけの歯科医院があったり、もしくはご自分にかかりつけの歯科医院がある場合は一度聞いてみると良いと思います。
前述したように全国にある7万件の歯科医院のうち、約20%強にあたる2万件が訪問歯科に対応しています。
今までの治療経過がわかり、継続的な治療が見込まれることは大きな安心感になります。
その一方で病気により途中で治療が中断していることがほとんどで、最後の治療時の状態と大きく異なる場合も数多く見受けられます。
5.インターネットを使って探す。
インターネットを使って訪問歯科医院を検索することは
まず手軽であること、そして訪問歯科という情報を少しでも仕入れる意味でも有用ようなことだと思います。
「お住まいの市町村名 訪問歯科」
で検索するとその地域の方も歯科のホームページをたくさん見ることができます。
以上の1〜5を使っていただければ、訪問歯科の見つけ方や探し方は十分だと思います。
私は10年以上訪問歯科診療に携わってきて
この5つ以外の方法で診療申込をうけたことがありません。
上記 1〜5に共通するとても大切なこと!
そして最後に1から5の項目に共通する大切なことがあります。
健康保険を使って訪問歯科診療を受けることは可能です。
そのためには
「依頼する訪問歯科医院の場所が
診療を受ける患者さんの住んでいる家から
半径16km以内
であること」
です。
これは患者さんの状態か急を要する場合(例えば入れ歯が痛くて食べられない、歯茎が腫れて痛いなど)に迅速に対応するための国が定めている決まりです。
従って極端な話、東京の歯科医院が仙台在住の患者さんを診療することはできません。
あくまでその地域で患者さんを責任をもって治療するという意味も込められています。
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・歯医者という立場から欲を言わせていただければ
口の状態が悪くなってから歯科診療を開始するよりも事前に予防的な歯科処置ができた方が、
患者さんの負担の少ない治療を選択することができます。
そして大切なご家族の「食べる」「飲む」「話す」という基本的な動作を高い確率で守ることができます。
大切なご家族の口の中の状況を一度確認してみてください。
気づいたときの早めの処置が、今後の状態の回復や維持の可能性をあげることは間違いありません。
今は無料で検診してくれる歯科医院も増えてきました。
スムーズに訪問歯科医院を見かることの一助になれば幸いです。