老人ホームの入居申込書には「推しメン」を必須項目にくわえるべき。
この記事を書いている私は歯医者です。
認知症や高齢者の方の治療を専門にしていて、ほぼ毎日、老人ホームのような介護施設に訪問しています。
先日に下記のTweetをしたところ、一定数の反響がありました。
将来「推しメン」「徹夜したアニメ」「やり込んだゲーム」は老人ホームの入居申し込み書の必須項目にしてほしい。
— しろたぬ@歯の人☘お豆腐メンタル (@shirotanu_dds) 2020年11月3日
事実、帰宅願望のつよい認知症のお婆ちゃんは氷川きよしさんのコンサート映像で笑顔になり、精神的に不安定なお婆ちゃんは羽生選手の演技をみて落ち着いたりする。心の安らぎって重要。
『将来「推しメン」「徹夜したアニメ」「やり込んだゲーム」は老人ホームの入居申し込み書の必須項目にしてほしい。
事実、帰宅願望のつよい認知症のお婆ちゃんは氷川きよしさんのコンサート映像で笑顔になり、精神的に不安定なお婆ちゃんは羽生選手の演技をみて落ち着いたりする。心の安らぎって重要』
結論としては下記の3つを満たす老人ホームが理想です。
・自分の好きなことを継続できる
・自分の思い出をいつでも見返せる
・周りの人たちの理解がある
本記事で詳細を深掘りしていきます。
✔︎ もくじ
老人ホームの入居申込書には「推しメン」を必須項目にくわえるべき
他にも必要な項目あるのでは?という意見もあるかもですが、最低限抑えておいて欲しいポイントなので解説します。
老人ホームの入居申込書に必須にして欲しい項目
・推しメン
・徹夜したアニメ
・やり込んだゲーム
・読み返しているマンガ
・涙するほどお気に入りの作家
上記の通りです。
老人ホームでは自宅と違って、スタッフや他の入居者といった多くの人たちと、日々かかわることになります。
これらの人たちに、自分のことを少しでも理解してもらうことができればできるほど、快適に生活するこができます。
楽しい時間を過ごすためにも、老人ホームに入る前には、自分の趣味をなるべく具体的に伝えておきたいです。
歌手、アイドル、アニメ、ゲーム、漫画や本は快適に過ごすための必須アイテムです。
老人ホームに趣味を持ち込むべき理由
老人ホームに趣味を持ち込むべき理由は、生活を豊かにするためです。
自分の好きなことや思い出は「心の安らぎ」です。
誰でもひとつくらい楽しく思うことや、忘れられない記憶があるはずです。
それだけでも、一人で過ごす時間やふと思い立った時間を豊かに過ごすことができます。
誰かに共有することで喜びを分かち合えるし、ふと寂しい時の活力にもなります。
大切なことは「長く生きること」じゃない
実際に介護の現場で働いていると、「長生きなんてしたくない」という意見をちらほら聞きます。
介護を必要とする人の中には「殺してくれ」と叫ぶおばあちゃんや、感情がなくただ天井を見つめているおじいちゃんが多くいます。
このような老後のシビアな現実を間近でみていると、「長く生きる時間」よりも「自立して健康でいられる時間」がどれほど貴重なのかを痛感します。
そして寿命は神様にしかわかりません。
だからこそ「今」を楽しく、全力で過ごさなければいけないですよね。
老人ホームの入居申込書に自分の趣味を書く
介護には「だれかを介護する場合」と「だれかに介護される場合」があります。
たとえば、自分の両親が介護になったときに両親が入居申込書を書くことができない状態のこともあります。
自分自身が介護を必要とするときも、自分で意思表示とも限りません。
周りの人が知っておくこと大事
両親などの趣味や思い出は、周りの家族が把握しておくことが大切です。
認知症が進んでいたり、急に病気になったりすると、誰も分からなくなってしまうからです。
食事のときにでもぜひ話してみましょう。
>>参考:夫婦同室で老人ホームに入居したい。おすすめサイト2選 + 失敗しない選び方【二人部屋希望】
自分自身の場合でも、趣味や楽しいこと、思い出などは、誰かに伝えておくことは大切です。
夫婦間、こども、有名人など信頼できる人に伝えておきましょう。
直接伝えるか、それが恥ずかしい場合は紙に残しておくのがオススメです。
自分が認知症になってしまう前に
誰もが認知症になる可能性をかかえています。
認知症になる前に、自分の趣味について残しておくことが大切です。
認知症になって言っても音楽や映像など、楽しい時間を過ごすためには自分の好きなものが必要です。
事実、認知症がすすんだお婆ちゃんがピアノの前に座ったら、鮮やかなクラシックを弾き始めたことがあります。
先日、認知症が進みいつも反応の薄いお婆ちゃんがピアノの前に座ったら、そっと鍵盤に手をおき、誰もが聴いたことのあるクラシックを奏で始めた。今まで見たことのない穏やかな表情で。
— しろたぬ@歯の人☘お豆腐メンタル (@shirotanu_dds) 2020年11月12日
感動したなぁ…。音楽でも絵でもなんでもいい、趣味はいつまでも側におきたい。身体も心も、空間までも豊かにする
『先日、認知症が進みいつも反応の薄いお婆ちゃんがピアノの前に座ったら、そっと鍵盤に手をおき、誰もが聴いたことのあるクラシックを奏で始めた。今まで見たことのない穏やかな表情で。感動したなぁ…。音楽でも絵でもなんでもいい、趣味はいつまでも側におきたい。身体も心も、空間までも豊かにする』
介護の状態は急に訪れます。誰かに共有しておくようにしましょう。
今すぐ行動しよう。健康寿命はみじかい。
自分の両親に趣味を聴きましょう。大切にしてあるものを確認しましょう。
自分自身の趣味を大切な人に伝えましょう。 大事なものを整理しましょう。
平均寿命は年々延び続け、女性は90歳を越えます。
一方で平均寿命に比べて、健康寿命は10年も短いという事実があります。
つまり人は人生の最後の10年間を「何かしらの不健康をかかえた状態」で過ごすことになります。
その時期を少しでも楽しく過ごすため、自分の趣味や楽しい思い出は側にあるように仕組みを作っておきましょう。
繰り返しになりますが介護は急にやってきます。
実際の老人ホーム入居申込書の項目
老人ホームとの契約必要な書類
まず老人ホームと契約にする時に必要な書類をあげておきます。
・入居申込書:住所や家族、入居の意思などの基本情報を記入する書類
・入居契約書:入居条件が記載されていて、入居の契約を結ぶ書類
・重要事項説明書:提供されるサービスを確認する書類
・管理規定:利用方法や遵守すべき約束を確認する書類
・保険証(医療保険、介護保険、障害者手帳)
入居のためには、これらの契約が必要になります。
介護の必要な状態であれば担当のケアマネージャーに確認しながら進めることができます。
入居申込書の実際の項目
実際に老人ホームに入居申し込み書に記入する項目をあげておきます。
量が少し多いので、サラッと流してOKです。
・住所
・氏名
・生年月日
・電話番号
・要介護認定の有無
・新身体障害者手帳の有無
・ケアプラン作成事業所
・ケアマネージャーの名
・申込者氏名
・続柄
・家族構成
・家族の年齢
・同居別居
・勤務先
・緊急連絡先昼
・緊急連絡先夜
・現在の状況一人暮らしかどうかなど
・現在利用している在宅サービス訪問介護訪問入浴など
・主治医
・入居志望の理由
本人だけではなく、家族も細かく情報を伝えることが必要です。
入居申し込み書の必須項目になくても、趣味は具体的に伝える
趣味や思い出は、かならず共有するようにしましょう。
ケアマネージャーの聞き取りなどでは、趣味や嗜好をかくことはあります。
ですが「推しメン」「徹夜したアニメ」「やり込んだゲーム」のような具体的な項目にまで落とし込んでいるところは少ないです。
ですので、自分がどんな状態であっても伝わるようにしておいてください。
趣味は身体も心も、空間までも豊かにします。
死ぬまでそばに置くようにしましょう!
>>参考:【評判◎】老人ホーム検索サイト『LIFULL介護』を徹底レビュー【親を預けたい】