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介護と医療に関わるすべての人にむけた歯医者のブログ

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【自宅に歯医者】訪問歯科とは?”訪問歯科”という言葉を初めて聞いた人に、まずは読んでほしい話。

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この記事のテーマ:訪問歯科って何?


どこからか”訪問歯科”という聞き慣れない言葉を耳にして「訪問歯科って何?」と思って調べている人向けに書いています。


”そもそも訪問歯科って何?”
  ↓
”どうやって見つけるの?”
  ↓
”依頼の方法・受診までの流れ”


大きくはこのフローで書いていまして、くわえて「できること(治療内容)」「費用」あとはボクが思いつく限りの疑問点について紹介してみます。


歯医者に通えない人(介護が必要、身体が不自由)の歯のトラブルをこんなにスムーズに解決できる方法があるということを知ってもらって、1人で多くの人が実践してくれたらマジで書いた甲斐あります。



想定読者:”歯医者に通えないひと"の"お口"のトラブルを解決したい人


想定する読者さんは、身近に介護の必要な人(例えば認知症であったり身体が不自由であったり障害を持っている人)がいて、その人の口や歯に何かしらのトラブルがあったら困ってしまう人たちです。


もっと具体的にいうと通院困難な人にかかわる家族や介護、医療従事者のみなさんです。


あと、身内に70歳以上の高齢者がいる人ような、通院困難になるかもしれない高齢者・・・・・・・・・・・と暮らしている人の頭の片隅にまで記憶されたら嬉しいです。


逆にゴリゴリの医療、介護のお仕事をされていて訪問歯科にどっぷり関わっている人たちにとっては、多分読んでも「あぁそれね」という感じだと思います。


※医療系の専門用語はほぼ使っていません。少しだけ長文ですので、わからないところだけ下の目次からタップしてざっくり確認するのもよいかと思います。


この記事を書いているボクは、歯科医師になってから10年以上、高齢者や認知症患者さんの訪問診療をしてきました。”通院困難な人”を対象に口や喉の治療をしつつ、大学で”高齢者の歯科治療”を教えています。


ほぼ毎日、介護施設や精神病院、急性期病院、個人宅を訪問しています。お手伝いをさせてもらった病院は50医院くらいあり、多分2000人くらいの患者さんを診察してきました。たくさんの医療従事者の方とお仕事させていただいています。


Twitter で情報発信しています。一応信用の担保になれば嬉しいです 。





訪問歯科とは”自宅に歯医者さんが訪問する”こと

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訪問歯科とはその名の通り”自宅に歯医者さんが訪問する”ことです。歯科往診と呼ぶ場合もあります。


訪問した先で診療することを”訪問歯科診療”といいます。

対象者。だれが利用できる?


どのような人が訪問歯科診療を利用できるかといいますと" 通院困難な人 "です。


で、通院困難な人っていうのはどういう人かといいますと、冒頭にもあげた”認知症”であったり”身体が不自由”であったり”障害を持っている”ような自分の力で歯医者さんに行くことができない人のことをいいます。


今までは歯医者に通院することが当たり前でした。自分で歩いて歯医者さんに行ってそこで治療をしてもらう。


ですが人は高齢になってくると身体の機能が低下してきます。もし足腰が弱り自分で通うことが難しくなってしまうと、たとえ歯が痛くても入れ歯が合わなくても歯医者さんに診てもらえない状況になってしまいます。


"歯そのもの"も年齢とともに弱くなり歯周病や虫歯で抜け落ちてしまいます。そのため本当は高齢になったからこそ歯の治療が必要になることも多いのです。


そこで訪問歯科診療という医療サービスが誕生しました。実は誕生してからもう何十年と経っています。それでもまだあまり知られていませんが、これからの高齢化社会では必ず必要とされる分野だと思っています。


あっ、歯医者に行くのが面倒くさい、みたいな理由だけで呼ぶことはできません。あくまで通院困難な理由が必要です。


どうやって探すの?見つけ方3つ。


依頼してみたいけど、どうやって探してよいかわからない。そんな時はこれから紹介する3つの探し方を試してみてください。


1つ目は" ケアマネージャーさんに聞く "です。


通院困難な人は介護を必要とする人が多いです。そこにはケアマネージャーさん(以下ケアマネさん)と呼ばれる介護を支援してくれる人が深く関わっています。


そのケアマネさんに聞くのは1番有効な方法だと思っています。もし訪問歯科について知っていれば紹介してくれます。


ただ、地域によってはケアマネさんでも知らないことがあるので、その場合は次にいきましょう。


2つ目は" インターネットで調べる "です。


検索のワードとしては”住んでいる市町村名  訪問歯科”がよいかと思います。


最近は少しずつ訪問歯科診療をおこなう歯医者さんも増えてきたので、ヒットすると思います。


複数出てきた場合はどうしたらよいかといいますと、下でも少し書きますが、"家から近いか"まずは検診をやってくれるか""対応が丁寧か"で絞り込んでいくとよいです。


3つ目は" かかりつけの歯医者さんに聞く "です。


もしかかりつけの歯医者さんがいる場合は、そこの受付さんに訪問歯科をやっているか聞いてみてください。先生の人柄を知っていれば安心ですよね。ただ、これも家から近場がよい方が職場の近くなどの理由で家から離れているときはやめたほうがよいです。


で、なぜか近さが重要かといいいますと、病院から16km以内(直線距離)の範囲でしか訪問歯科診療ができないと法律で決まっているからです。


そのためいくらかかりつけがあったとしても、例えばその病院が職場の近くなどで自宅から16 km離れてしまっている場合は治療をうけることができません。


あともし急に痛くなったりしたときの対応も近いと早く来てもらうことができますよね。


他にも地域包括支援センターに聞く方法もありますが、上で紹介したケアマネさんに聞くのとインターネットで検索するというの方法が一番効果的ですのでやってみてください。


それでもダメなときはTwitterでDMください。


あと病院が法人なのか個人なのかはあまり関係ないと思います。


そもそも依頼するような状態なのか。

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そもそも依頼するような状態なのかどうかというのは判断に迷うところだと思います。


ただ「迷っている」という状況は、何かしら歯に関する訴えがあるはずですので、もし"判断が難しい"という状況ならば一度診てもらうほうがよいです。


今は検診を無料でおこなっている歯科医院も多くあるので、まずは検診してもらってその後どうするべきか話を聞くのもお勧めです。


さっきの検索ワード(市町村名 訪問歯科)に” 無料検診 ”か” 無料健診 ”というワードを付け加えて検索してもみると絞り込めます。


電話する際は「訪問歯科希望です」と伝えれば話がスムーズに進みます。


あと個人的にボクはいきなり家に来られることに抵抗があるので、最初に外で説明してもらったりすると嬉しいと思ったりします。似たような人はお願いしてもいいかもしれないです。

どんな治療ができるの?


歯の症状を思い浮かべてみてください。いま頭の中に思い浮かんだ症状の治療は訪問診療ですべて可能です。歯を削る道具やレントゲンは自宅までもっていくことができます。


治療可能な症状をあげておきますね。

・歯が痛い
・歯がかけた
・歯がしみる
・歯に穴があいた
・歯ぐきが腫れた
・歯ぐきから血が出る
・歯がグラグラする
・銀歯が取れた
・差し歯が取れた
・入れ歯が壊れた
・入れ歯が合わない
・入れ歯をなくした
・口が臭い
・出血する
・顎が外れた
・ムセる
・食欲がない



どれかに当てはまると思います。

通院の難しい人の中には”もぐもぐごっくん”のパワーが弱くなっている人も多いので、そういう場合は"嚥下(えんげ)訓練"とよばれる、ムセや食欲不振に対する訓練や検査のできる病院を絞り込んでみるのはおすすめです。


インプラントや矯正、ホワイトニングも可能は可能ですが保険が適用されないということにくわえ、訪問歯科診療の対象となる高齢の患者さんからの需要自体がそもそも少ないです。


あと担当する先生の専門外の治療ときでも、大きい病院に紹介状を書いてもらうことができます。癌や難しい抜歯など。


自分で歯を磨くことの難しい患者さんも多いので、歯科衛生士さんのおこなう「口腔ケア」もかなり重要です。
>>参考:【効果と目的】「口腔ケアとは?」口腔ケアが必要な理由をピンポイントで書いてみた【歯科医師監修】


1人からでも来てくれるの?

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もちろんです。1人の患者さんを見るために訪問歯科診療サービスがあるといっても過言ではありません。


自宅でも治療することができますし、 老人ホームとかグループホームのような介護施設に入っている人も治療することができます。 病院に入院してる人でも大丈夫です。


訪問診療ができないのはデイサービスとか公民館のような宿泊施設がない所です。

特別な準備は必要?


事前に準備してほしい書類を歯科医院からいわれますので、基本的に心配することはないですがあげておきますね。


無料検診を最初に受ける場合はおくすり手帳、あとわかれば今までの病歴(これは口頭でもかまいません)これに加えて印鑑と引き落とし用口座を確認されることもあります。


診療が始まるときに必要なものは保険証です。医療保険証、介護保険証。あとは障害者手帳や療育手帳をもっている場合も提示してください。

色々書類が多くなりがちなので、最初はまず検診をしてもらって説明を受けるというのは安心かもしれません。


先生の感じも見れますので。


駐車場の有無や、家の目印などを確認されることもあります。

何人でくるの?


自宅に訪問する人数は基本的に"歯医者""歯科衛生士"の2人で訪問します。病院によってはアシスタントがついてきたりします。


診療が進んで症状が安定してくると歯科衛生士のみで訪問する場合もあります。


先生の経歴とか専門分野を知りたければ病院に聞いてみるのがいいと思います。性格的に合う合わないかは実際に会ってみないとわからないでので、何件か病院の候補があると安心だと思います。


さきほども書きましたが、家に入られるのが抵抗のある人もいると思いますので、事前に人数を確認してなるべく最低限の人数で来てほしいと依頼してもよいです。

費用は?お金はいくらかかる?

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現実的な話、費用はとても気になると思います。


"口の状態"
"保険証の窓口負担割合"
"診療する場所(自宅なのか施設なのか)"


訪問歯科でかかる費用はこの3つの要素から細かく分かれているので、一概に費用を提示することは難しいですが例を挙げておきます。


"保険証1割負担の人が自宅で治療 "した場合を想定します。


" 虫歯治療 "をした場合1回におおよそ2000円〜3000円前後の費用となります。


"歯周病の治療 "した場合も同じくらいです。


" 歯を1本抜いた "場合は2500円〜3000円前後です。


"入れ歯をひとつ作った場合"は最大で2万円ほど。期間は1ヶ月程度かかります。


保険証が3割の人の場合はこの3倍。自宅ではなく施設の場合は1000円ほど安くなります。


あとざっくりなイメージとして通院する場合に比べて訪問の場合は大体1000円から2000円程度高い(1割負担の場合)と思っておくとよいです。


国民健康保険、社会保険、介護保険、障害者手帳、これらは全て使うことができます。というより使わないと10割負担になってしまいますので必ず提示しましょう。


生活保護の人の場合は無料で受診することができます。


もっと細かい費用の概算を知りたい人は記事下にリンクを貼っておきますが、これで基本は十分だと思います。

交通費、キャンセル料は?




すべて保険でまかなえるので交通費はかかりません。


キャンセル料もかかりません。


体調が悪くなって当日キャンセルになることもよくあることです。


ただ、訪問したときに連絡なしで不在だとチーンってなります。

支払い方法


1ヶ月分の治療費をまとめて翌月に払います。


支払方法は病院によって決まっています。


"直接現金払い"
"口座引き落とし"
"(施設の場合)施設利用料に上乗せして引き落とし"

があります。


「現金直接払い」は次の月の診察日に前月分の料金を払うことが多いです。

治療の期間はどのくらいかかる?

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通常の歯科医院に通院するのと同じように治療内容によって回数は変わります。


治療の始まる前におおよその回数を確認してとおくことは重要です。

ケアプランの変更は必要ない


ここだけちょっと専門的になってしまうので「?」の人は読み飛ばしてください。


介護の必要な人でケアマネさんにケアプランを作ってもらいる場合、ケアプランを変える必要は一切ありません。歯科で使用する介護保険はケアプランと別枠です。

自宅から老人ホームに引っ越しても大丈夫?


自宅から老人ホームに移ったりとか体を崩して入院したりとか、そういうときも訪問診療を継続して受けることができます。


ただしここでも16kmのルールが適用されるので、遠方に引っ越してしまうような場合は難しいです。


あと老人ホームの場合は提携している歯科医院があるので、引き続き診療を希望する場合は施設側と一度話し合う必要があります。


基本的には患者さんが医者を選ぶ権利があるので、そのままの先生で希望すれば診察することもできます。

診療に家族の同席は必要?

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必ずしも必要ではありませんが、立ち会っていただくと嬉しいです。


自宅で歯科診療を受ける場合で患者さん本人が鍵を開けられる状態であれば一人でも可能ですが、 一人で鍵を開けるのが難しい場合は家族の立ち会いが必要です。


都合の良い時間を探して、訪問時間を調整するようにしてください。


家族が仕事などで日中立ち会うことが難しいと夕方以降で調整したり、土日などお休みの日に訪問することが多いです。


老人ホームなどで診療する場合は家族の同席は少ないです。


平日の日中に訪問することに加え、家族が遠方に住んでいる人も多いからです。


診療内容はケアマネさんや家族に報告書としてお渡し(送付)します。


診療の内容については患者さん本人だけでなく家族やケアマネージャーさんと連携して共有するので、何をやっているかは確認しやすいので安心して良いと思います。

1回の診療時間はどのくらい?

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治療内容だけでなく当日の患者さんの体調や口の中の状況にも影響します。


診療時間はだいたい10分から30分ほどの間です。

急に痛くなったら?


これは事前(検診のとき)に確認しておくことが重要です。


歯医者さんは早急に対応してくれるはずですが、予約制なのでその状況にも影響されてしまいます。


これも" 近さ "は重要な要素でして、現実的に家から病院が近ければ当日や翌日に対応しやすいです。

その他


薬が出る場合はその場で渡することができるので薬局に行く必要はありません。特殊な薬剤の場合は除きますが、ほぼほぼその場で渡せます。


あと診療の際にはお水や電源をお借りすることがあります 。

まとめ

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" 歯医者が自宅にくる "という制度があることはまだまだ知られていません。


歯科の診察を定期的に受けることは虫歯や歯周病の予防だけでなく、高齢の方の死因ベスト5に入ってくる "誤嚥性肺炎 "の防止にも効果があります。


それにそんな難しいことよりそもそも" 口の健康 "は" 食べる" " 飲む " " 話す "など生活における重要な要素にかかわっていますよね。


本当は普段からメンテナンスすることが大切なんですが、 わかっていても大体は痛くなったり腫れてら受診することが多いです。


それでも治療を受けた後に「あぁやっぱり歯って大事だな」って思ってもらえれば、その後の歯や口の健康さらに全身の健康まで違ってきます。


どんな状況がきっかけでも歯科受診をしたという事実はとても素敵なことです。


実際に治療を始めて口の中を清潔にしただけで、 部屋の匂いまで変わった人もいます。


トマトのように赤かった歯ぐきが綺麗なさくらピンクに変わって、とても喜んでくれた人もいます。


歯医者としては、通院困難な人に一度歯の検診を受ける機会を設けてみて欲しい、と思います。


でも「とりあえず知っておく」だけで嬉しいです。それが1人でも多くに広まれば、めぐりめぐって誰かの痛みがなくなることにつながりますので。


費用のところで書いた「料金の詳細」を紹介した記事です。詳しく知りたい人は参考にしてください。↓
haitter.hatenablog.com



haitter.hatenablog.com


オマケ

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ボクの祖母はボクが高校生の時に認知症を発症し、しばらくして食べ物を食べられなくなりました。


その時は何がなんだかよくわかりませんでしたが、体につながれたチューブから栄養補給をしていたのだと後になって理解しました。


祖母はお寿司が大好きでしてボクに入れ歯を作ってもらうことをすごく楽しみにしていたのですが、僕が歯医者になったときは入れ歯を作れるような状況ではなくそのまま亡くなりました。


当時、訪問歯科診療は今よりももっとマイナーで、担当してくれた歯医者さんがどんな治療をしてくれたのかはわかりません。


きっと最後に大好きなエンガワを食べたかっただろうなぁと今でも思うことがあります。


「食べる」って当たり前のことのようで、実はものすごく幸せなことなんですよね。


ボクが" もぐもぐごっくん "の分野に進んだ大きな理由の1つです。※ちなみに" もぐもぐごっくん "は難しい言葉で言うと" 摂食嚥下(せっしょくえんげ)”といいます。

介護を必要とする患者さんが1回でも多く口から食事する時間が増えればいいな、と思って診療しています。



訪問歯科診療は多くの人と連携しなければ成り立ちません。


ケアマネさんや言語聴覚士さんお医者さん看護師さん介護士さん相談員さん栄養士さん・・・


いつも本当に助けられています。ありがとうございます。


これから高齢化が進み通院困難になる人は増えると思いますが、まだまだ訪問歯科の認知度は低いです。


特に" 歯科 "と" 介護 "の橋渡しをしてくれるケアマネさんともっと関わることができたらうれしいな、感じています。


1人でも多くの人に「あー訪問歯科ね」「頼んでみようかな」と思ってもらえたら幸せです。


追記して欲しいことがあればTwitterでおしえてください。




【人生で後悔したこと】1000人以上の高齢者が歯医者のボクに話してくれた内容には未来へのヒントがつまっていた!

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これまでに「後悔したことはない」と胸を張って言える人は少ないと思います。

少なくともボクは後悔をネガティブに考えてしまうことがありました。


そんなボクは老人ホームに入居している1000人以上の患者さんの歯を治療してきました。

診察の前後、患者さん色々なお話をします。

そのなかで【今まで生きてきて後悔したこと】をお話してくる患者さんが多くいます。


「あの時こうしておけばよかった」

「もっとああしていたらよかったのに」



死を間近に感じている人の話はありがたく重みがあります。そこには「それを活かしなさい」という無言の意思を感じることができます。


『後悔』という言葉にはネガティブなイメージがありますが、それ以上にそこから学べることがも多いのではないでしょうか。


老人ホームに聞いた人生で後悔5つをランキングでお伝えしていきます。

自分の人生を後悔しないためのヒントになると嬉しいです。

人生で後悔したこと

1位:挑戦しなかった


特に男性の高齢者の2人に1人はこのように感じています。


「多く聞かれるのは若いときにもっとチャレンジしておけばよかった。」

「人の目を気にしすぎて自分の主張ができなかった。」

このようなに感じている人は多く、人生の岐路に立たされた時の選択を後悔しています。


「思い通りに生きられなかった。」

「当時の生活を捨てることはできなかった。」

女性の場合はこのようなニュアンスでお答えする人が多いです。



今の生活を捨ててすぐに挑戦!というのは難しいかもしれません。

ですが「今やれること」「やりたいこと」を一度自分自身でみつめなおすことはすぐにできますよね。

みつめなおすだけでも『誰かの人生ではなく自分の人生を生きるための意識』がうまれ、行動するキッカケになります。

挑戦する準備をする。挑戦するイメージを持つ。

たったそれだけで昨日の自分より成長できるはずです。

2位:大切な人との時間をとらなかった


これも特に男性の高齢者の方に多い回答です。

自分の時間を仕事に捧げて、他に時間をつかうことができなかった。

もっと家族との時間を過ごせばよかった。


子供と疎遠になっていまい、寂しい思いをしている方もいます。

仕事に集中するがあまり、大切なものを失っていることにそのときは気づかなかったのかもしれません。




大切な人との時間を作るために、工夫できる余地がないか検討してみるのはどうですか?

今はテレワークなので業務の効率化することができます。

もっと細かい単位でもよいので(たとえ1分でも)、時間を作ることに意識を向けると少しずつ変わってきます。



家族、友人、恋人。自分自身でもいいです。それぞれに大切に思う人がいます。

普段は居るのが当たり前だと思ってしまいがちです。

その当たり前に感謝をしましょう。

いまスマホを開いて感謝の言葉を伝えてみましょう。

どんなに忙しい人でもそのくらいの時間はとれるはずです。



3位:あの人と結婚してしまった


少し悲しくなってしまいますが、これは女性に多かった回答です。

平均寿命は女性の方が長く(女性87歳、男性81歳)、ご主人が亡くなった後にのびのび生活している奥様が多い印象をうけます。

逆に男性は「奥様がいないと何も成り立たない」という場合が多いです。


男女でかなりギャップがあり衝撃的な回答でした。

ある意味女性の強さを感じます。

以前は「男性が外で働き、女性は家を守る」という家庭がほとんどで、離婚も少なかった世代がゆえ我慢を強いられてきたのかもしれません。



現在は結婚した夫婦の1/3が離婚する時代です。

僕の周りでも盛大に結婚式を挙げた1年後に離婚した夫婦がいます。

結婚直後から喧嘩が絶えなかったようです。


結婚なんてしなければ・・と強く思うのであれば、別れるという選択肢が昔に比べ選ばれやすくなっている時代です。

別れる選択肢もありですよね。


でも「あの人」と結婚したことには理由があるはずです。

それはきっとポジティブな理由だったはずです。

まだ離婚をこころに決めていないのであれば、一度相手に感謝を伝えてみるのはいかがでしょうか。


大切なことはこの先どのような選択をしたとしても、それは自分の糧になり今後に活かせる材料となります。


4位:健康に気を使わなかった


みんな自分だけはいつまでも元気だと思っています。

健康の管理の大切さは健康を失ってはじめて気がつきます。


仕事や子育てで多忙を極め、自分の健康を省みる時間もなく人生を過ごしてきた人も多いです。

それでもやはり自分の身体があってこそです。

余談ですが不思議なことに老人ホームでは喫煙する人はほぼいません。(入居者の1%くらい感覚です)




定期検診は受けていますか?

健康は将来への重要な投資です。


普段の良質な食事と睡眠そして適度な運動。

特に30歳や40歳といった節目を超えると、 自分の体調の変化に気づくことも多いですよね。


タバコを吸い酒を飲み・・自由気ままに生きているといえば聞こえはいいですが、未来の自由を失うことになります。

何事もやりすぎは自分の体を蝕んでしまいます。


大切な人と少しでも長く時間を共有するために、今日から健康を考えてみましょう。

5位 :子供と仲が悪い


子供と仲が悪くなり疎遠になってしまったという高齢者もいます。

ほんの些細なきっかけにもかかわらず、音信不通になってしまうこともあります。


老人ホームでは身体的な理由で外出の難しい人も多く、 家族が来なければ会えません。

頻繁に家族が来る人もいれば、 一度も来ない人もいます。




今は子供がいないという人も増えてきています。

そのため必ずしも子供と仲が悪いということが後悔する要素になるとは限りません。


仲の悪くなってしまった友達や兄弟はいませんか?

親しかった人と険悪なムードになった経験は1度くらいありますよね。


あなたに歩み寄れる余地があるのであれば、こちらから連絡してみるのはオススメです。

もしこちらから歩み寄ってその結果拒絶されたとしても、歩み寄った経験は必ず自分の役に立つはずです。



番外編①:戦争に行った

戦争に行った世代はすでに90歳を超え、戦争の話を生で聴ける機会は減ってきています。

僕が老人ホームでは戦争の話をしてくれるおじいさんは貴重な存在です。


戦争は行きたくなかった。怖かった。

そんな話を聞くと、平和ボケと言われても平和に暮らしている今がとても幸せだと感じます。

番外編②:食事の肉が固すぎる


ステーキを噛みちぎれる。マグロをバクバク食べれる。

好きなものを好きなだけ食べられるというのは当たり前のように見えて当たり前ではありません。


年を取り体の機能が低下してくると噛む力も弱くなってきます。 飲みこむ力も弱くなってきます。

歯医者という職業柄口の中を見ることが多く、食事に苦労されている人は多いです。


食べるということはものすごく幸せなことです。

1回1回の食事をじっくり味わってくださいね。

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まとめ

『後悔』は必ず未来に活かすことができます。


今まで後悔したと感じたことも、あの出来事は自分が成長するために必要だった・・

そう思える日が必ず来ます。

いや、そう思えるように今日から行動していきましょう(自問自答)


生きている中で今が一番若く、今しか経験できないことはあるはずです。

たとえお金を失ったとしても、自分が得た知識や経験は誰からも奪われることはありません。


今、突然世の中からいなくなっても後悔しないという人は少ないと思います。

「もういつ死んでも後悔しない!」

いつかそう思えるように、できることを一つ一つ積み重ねていきましょう!




【図解:入れ歯が壊れた!】すぐに訪問歯科を依頼して。当日中に治りやすい順で紹介してみました。家族やケアマネさん、介護士さんたちに知って欲しい。

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こんにちは。しろたぬき(歯医者)です。


訪問歯科の対象となる通院困難な人(認知症であったり体が不自由であったり障害持ってる人)の入れ歯が壊れてしまったこんなときは訪問歯科を依頼して、修理をしてもらうようにしてください。※訪問歯科の探し方は記事の下に貼り付けておきますね


入れ歯が割れてしまうと食事や会話をするのに困ってしまいますよね。
特に総入れ歯を使っていたり、大きめの部分入れ歯を使ってご飯を食べている人にとっては食事が取れなくなってしまいます。


なるべく早い修理が望ましいです。


入れ歯の壊れ方によってその場で治せる状態と修理に時間のかかる(3日から7日ほど)状態があります。症状ごとにどのような修理が必要になるかを紹介していきます。目安の費用も参考にのせておきます。


今壊れてしまった入れ歯がどのような状況でどの程度の期間で修理が終わるのか参考にしてくださいね。


そもそもの結論を先に行ってしまうと、通院困難な人の入れ歯が壊れてしまった場合は訪問歯科を依頼するのが基本です。「食べる」ために、「話す」ために、まずは早急に依頼しましょう。

入れ歯の壊れ方は6つ(上から修理しやすい順)



入れ歯の壊れ方は6つに分かれます。どれかに当てはまるはずです。ひとつひとつ解説していきます。


上から修理のしやすい順(その場でなおりやすい順)に並べています。下にいけばいくほど当日中の修理が難しくなってしまいます。

①入れ歯が欠けた

②歯がとれた

③入れ歯が(破折)割れた

④バネがとれた

⑤バネが壊れた

⑥入れ歯が粉砕した



①入れ歯が欠けた

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主な原因は入れ歯を落としてしまうことです。入れ歯の縁や細く弱いところが欠けてしまいやすい場所です。


部分的に欠けた状態であれば当日の修理は可能です。欠けた破片があればくっつけることもできますし、欠けた部分は尖っていることが多いのでそこを丸めます。

欠けたものを無くしてしまったときでも、その場で入れ歯と同じ材料で修復できます。

②歯がとれた

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入れ歯が欠けたと似ていますが、これは入れ歯本体(ピンクの部分)ではなく歯の部分(人工歯と呼ばれる白い部分)が取れてしまった場合です。


取れた歯があればそれをそのまま修復することができます。


無くてもその場で作ることができます。実際、歯自体がなくなっている、もしくは捨てたということが多いです。


歯の欠片が小さいため見つけられなかったり、食事中に欠けたときには食べ物と一緒に飲み込んでしまっている可能性もあります。本人が認知症などを患っていたりでその時の状況が確認できないときは、咳やむせなどの症状が頻繁にみられる場合はかかりつけ医に連絡しレントゲンを取ってもらいましょう。


③入れ歯が(破折)割れた

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原因は落とした、硬いものを噛んでしまった、元々ヒビが入っていた、と色々考えられます。この状態でも当日の修理がほぼ可能です。


割れたところを合わせて特殊な材料で固定していきます。割れた部分金属の線を埋め込み補強することも多いです。


ただし唯一修理がしにくい状況は、割れた面が金属でできている場合です。


多くの入れ歯では、本体のほとんどがピンクのプラスチックの部分がほとんどでできています(金属は少し埋め込まれている程度)ですが、保険外(自費)で作製した入れ歯では金属が多く使われます。


この金属部分が割れた場合の修理は難しいです。これは金属が割れた面を頑丈にくっつけることができないからです。そのためその時は再製作になります。


④バネがとれた

総入れ歯を使っている場合は読み飛ばしてください。

部分入れ歯使っている場合、入れ歯を歯に引っ掛けるための金属のバネ(クラスプ)が付いています。

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このクラスプが入れ歯本体から外れてしまうこともあります。


原因は落としてしまうこと意外に、何度も出し入れすることによる接続部の劣化です。入れ歯の出し入れの際、このクラスプ部分に指を引っ掛けることも多いので、時間が経てば経つほど、外れやすくなります。


この場合もその場で本体に装着することができます。他にバネがたくさんついてるような入れ歯だったり、 長時間口を開けることが難しい場合はあえてバネを取り付けないこともあります。そのときは他のバネをきつめにして調整します。


⑤バネが破損する

ここからは当日の修理が難しい症状になります。


バネの一部が破損することがあります。これも「④バネがとれた」と同じで、落としてしまったか、長年の出し入れによる材料の劣化が主な原因です。


特に壊れやすいのは歯を囲むようにして支えているバネの腕の部分です。


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壊れてしまった部分が金属と金属の場合は修理することはできません。 そのため歯型を採りバネを作り直すことになります。期間としては3日から1週間程度かかります。


また「④バネがとれた」でも書いたように他にバネがたくさん付いている場合は他のバネを調整してそのまま使うこともあります。その際は壊れてしまったバネの尖った部分は丸め、痛みの出ないようにします



⑥入れ歯が粉砕した

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木っ端微塵の状態はその場での修復は困難です。

落とし方が悪かったり、 踏んづけてしまったり、あとは認知機能低下した人でよくあるのが自分で粉々にしてしまうような状況です。


細かい破片ばかりになってしまうと修復するのは基本的に困難ですが、まれに修復できる部分だけ修復して使うことも可能な場合もあります。


再製作になることが多いです。再製作する場合は1ヶ月ほどかかります。 自ら粉々にしてしまったような場合は作製後の入れ歯の管理が重要になってきます。


ほとんどの修理は当日にできる

紹介したように割れた入れ歯のほとんどは当日に修復することができます。


できないのは以下の通りです。

・金属と金属の部分で壊れてしまった時

・あまりにも細かく粉砕されている状態


また一緒に自分の歯が取れてしまっている場合もあります。そのときは入れ歯の修理だけでなく、歯そのものの修復も必要になるので期間はかかってしまいます。


費用

訪問歯科の費用は医療保険と介護保険に分かれています。


生活環境(個人宅なのか施設なのか)や壊れ方によって複雑に定められているため一概にはいえません。


訪問歯科診療の対象となる1番多いケースで「個人宅に住んでいる窓口1割負担の人」を想定して紹介おきます。これを基準に予想すること方法も書いておきます。


「個人宅に住んでいる窓口1割負担の人」が入れ歯の修理をした場合、一度の診療で約3000円前後の負担になります。

※バネを修理したなどの理由で治療を二度おこなった時は場合は約2倍かかると考えてください。
※窓口3割負担の人は3倍になります。
※施設に入居している人は1000円程度負担の減ることがあります。



修理後の違和感には注意

入れ歯は硬い材料でできているため、それが柔らかい歯茎の上とどうしても違和感が出やすいです。


特に修理した後は痛みや違和感が出やすいので、治療直後は外す時間を作りながら使うことも大切です。


訪問診療の場合は自分で歯医者に行くことが難しいため、痛い時にすぐ対応することが難しいので、あわてず対応してください。


入れ歯の良いところは痛みや違和感があった時に外す外すことができることです。


無理をせずなじませながら使用するようにしてください。

haitter.hatenablog.com




【感染症流行時の訪問歯科】この症状は連絡すべき?介護をしている家族やケアマネさんに伝えたい「訪問歯科を依頼する基準となる症状」を紹介します。

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ケアマネさんや家族、介護士さんに知ってほしい「訪問歯科を依頼する基準」


感染症が流行している時期での「訪問歯科を依頼する基準」について紹介したいと思います。蔓延が長引けば長引くほど、口のトラブルも増えてきます。


訪問歯科の対象となる人は通院困難な患者さんです。それはつまり高齢であったり認知症が進んでいたり障害を持っていたりと自分で歯医者さんに行くことが難しい患者さんのことです。


新型コロナウイルスの感染で悪化しやすいといわれている基礎疾患をもっている方がほとんどで、人との接触を避けるため出来る限り外出を自粛することが大切です。外からの出入りを制限をしている介護施設も多く、元々訪問歯科を依頼していた場合でも不要不急の治療以外はおこなわない所もふえています。


(これから依頼したいという方は以前の記事を参考にしてくださいね)
haitter.hatenablog.com



今の時期に「歯が痛い」「腫れた」「ご飯が食べられない」・・このような状況に陥ってしまった場合、歯医者に診てもらうかどうか迷うと思います。どのような症状であれば訪問歯科を依頼した方が良いのでしょうか?逆に頼まなくてもできることはないのでしょうか?


具体的な症状をあげながら対処法を紹介していきます。


本人、家族はもちろん患者さんの周りにいる人々たち(ケアマネージャーさんや介護士さん相談員さん)がこの記事に書いてある内容に沿って実践するだけで、感染リスクを最小限に抑えつつ患者さんのつらい痛みを取り除くことが出来ると思います。

『時間』『場所』『程度』『食事量の変化』

歯の痛み

ここで大切なのは『時間』『場所』『程度』『食事量の変化』です。急激な歯の痛みは基本的に歯科受診をする理由になります。そのさいに何時から、どこが、どの程度痛いかということは確認してみてください。


例えば朝は痛くなかったのに昼から食事が食べれないくほど痛くなり、手でほっぺたをずっと抑えているような状態。このような状態は急性症状ですので歯科を依頼しましょう。『食事量の変化』も減少しているはずです。


3日前からじわじわ痛みが続いている・・のような耐えられないほどではないけれど、長い間続いている症状の場合はまずその箇所を歯磨きしして汚れを落としましょう。キレイに清掃することで痛みが軽減することもあります。それでも今より痛みが強くなってくる場合は歯科を依頼しましょう。


認知機能の低下がみられる患者さんによくみられるのが、痛みの場所がその都度違う症状です。まず口の中を清潔にして様子を見てもいいでしょう。周りの人達が何時からどこからどの程度痛いかを把握してくださいね。

歯ぐきの腫れ

歯ぐきの腫れの場合も歯の痛みと同様に『時間』『場所』『程度』『食事量の変化』を注視しましょう。


数時間前は腫れていなかったのもかかわらずいま急激な腫れになっている時は歯科を依頼しましょう。多くは痛みを伴います。膿をぬいたり薬を服用することで落ち着きます。


数日前から腫れぼったい感じがする・・このような場合は該当箇所を確定しまずはしっかり歯磨きで汚れを落としましょう。常温の水(水道水)で冷やすことも有効です。歯ブラシで出血するような場合も傷をつける強さではなく柔らかめの歯ブラシで磨くようにしてください。歯ブラシは安くてお勧めがあるので記事したに紹介しておきます。参考にしてみてくださいね。

入れ歯の痛み

入れ歯の痛みの場合も『時間』『場所』『程度』『食事量の変化』が大切です。まずはいつからどこがどのくらい痛いのかを確認しましょう。明らかに傷があるような場合は調整が必要です。


入れ歯の場合、痛みの訴えがあった直後に考えられることは装着時に変な方向から入れ歯を入れてしまったり、入れ歯と歯ぐきの間に物が挟まっていたりする可能性があります。そのためまず一度取り外し口で歯を綺麗にしてもう一度装着してみてください。もしそれで傷がいると、直後はまだ痛む場合も多いので、食事と食事の間に外す時間を作り歯ぐきを休めてみましょう。


それでも痛みが続くようなとき、例えば朝痛みが出てお昼まで外しお昼ご飯の時も痛くてその後も外したにもかかわらずオヤツを食べられなかった・・ような場合は歯科を依頼しましょう。


入れ歯の痛みの場合、『食事量の変化』は『入れ歯の大きさ』にも強く影響されます。例えば総入れ歯を使って通常の食事を食べている人が入れ歯の痛みで食べれない状態になってしまったときは、栄養の低下に直結します。依頼した方が良いでしょう。


反対に、部分入れ歯を使っている人で入れ歯がなくても不自由なく食べれるようなときは外す時間を作りながら様子を見ても良いかもしれません。入れ歯を装着しなくても食べられるような柔らかい食形態を食べている人も、様子を見て定期的に不具合が続くのかどうかを確認しても良いでしょう。


入れ歯の破損・紛失


入れ歯の破損は元々のどの程度の大きさで入れ歯を使っていたか、そしてその使用感によります。入れ歯にどのくらい栄養確保を依存しているかで『食事量の変化』が顕著にあらわれます。


入れ歯の痛みでも書いたように、総入れ歯を使って普通の食事を食べている人であれば割れて使えなくなった場合は緊急の修理が必要です。


その一方入れ歯がなくても食べられるような状態の人はまずは本人や家族の意向を確認してもいいかもしれません。栄養は摂取できる状態であることを共有することで安心感の生まれることがあります。


入れ歯の紛失も同様で総入れ歯に総入れ歯に近い人は早急に作成する必要があります。入れ歯がなくても栄養が取れるような人は感染症流行時の緊急性としては優先順位がさがるため家族や本人に確認してみましょう。



顎が外れた


顎の修復を依頼しましょう。なかには自分で整復できるひともいます。介護施設の看護師さんでも整復できる人がいました。身体の機能低下により定期的に外れてしまう場合もあります。

出血

口の中がきれて出血していたり、歯ぐきから血が止まらないような場合は一度依頼すると良いでしょう。


歯周病の場合は朝起きると枕が血まみれという状況も予想できます。特に口腔ケアができなくなってくると出血傾向、口臭の症状がでてきます。そのため今までとの比較がとても大切です。


全く出血していなかった人が急に枕が血で染まっていたような場合やそれが数日続いてるような場合は診察を依頼しましょう。


外傷による出血は緊急性の高い症状ですが訪問歯科というよりは緊急搬送をおこないましょう。

その他

患者さんの状態は一人一人違います。緊急性の症状ではなくても、歯科往診の必要な時があります。


例えば少し歯がザラザラするような内容では緊急性はありませんが、ザラザラすることで眠れなくなったり落ち着きがなくなったりするような不穏な状況になってしまう。このような患者さんの場合は一度診察をするだけで落ち着くことがあり、依頼して良いと思います。


また本人は希望していなくても家族が心配してどうしても見てほしいという場合もあります。 そういう場合も依頼しましょう。

最終的判断の指標

最終的な判断材料のひとつは「栄養が取れるかどうか」です。これは大きな判断基準になります。食事が取れない、食事量が激減するような状態は歯科受診におこなうべきでしょう。


入れ歯を装着することが可能かではなく、そのことで栄養が取れるか否かが最終的にはとても重要です。特にこういうこのような感染症蔓延時は「感染するリスク」と「症状」を比較することが大切です。


事前に訪問歯科へ伝えてほしいこと

前回のエントリでも書いたように以下のことは訪問歯科を依頼する病院に伝えるようにしてください。


・歯の症状(いつから、どこが、どの程度)

・食事量の変化

・味覚障害や聴覚障害がないか

・海外渡航や帰国者への濃厚接触がないか

・患者やその家族に14日以内の発熱はないか

・14日以内に新型コロナウイルス感染者との接触はないか

・14日以内に屋内で50人以上が集まる集会に参加していないか



通院困難な患者さんは身体的にも精神的にも環境的にも一人一人状況が違います。 そのため本人だけではなく周りにサポートしてくれている人たちが状況を把握することは医療側にとってとてもありがたい情報になります。そしてなによりも双方の感染防止にもつながります。かならず共有してくださいね。

まとめ

繰り返しになりますが、依頼するか迷ったときに確認することは『時間』『場所』『程度』『食事量の変化』の4つです。


症状やその感じ方は患者さん一人一人が違います。そのためそれぞれに合わせた対応が必要です。そのためには事前の情報収集を行い、正確な状況を把握することが大切です。


途中でも書いたように通院が困難な人の場合は最優先事項は『栄養確保』だと思っています。特にこのような感染流行時期では「感染のリスク」と「症状」を比較して訪問歯科を依頼するかどうかを決めるのは有用な診断基準です。感染のリスクを下げながら症状を治める対処を決めていきましょう!


最後にボクの患者さんにオススメしている歯ブラシです。「スーパーソフト(SS)」というのがポイントです。その名の通り毛先はかなり柔らかいので、硬めの歯ブラシを使用している人にとっては始めは磨いた気が全くしないようです汗

それでも慣れてくることが多いです。柔らかい分、毛先が開きやすいですが歯ブラシは消耗品です。都度取り替えてくださいね。1本だと送料がかかって高くなってしまうようなので、気に入ったら5本とかでまとめって買う方がお得だと思います。




【訪問歯科】新型コロナウイルスへの対策を考えてみたら、結局身も蓋もない結論になってしまった。

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今回は感染症蔓延時に訪問歯科診療でおこなうべき対策について書いてみます。


新型コロナウイルスは基礎疾患のある人に感染すると悪化する可能性が高いと言われています。そのため老人ホームのような介護施設への感染は被害が甚大なることが予測されます。


訪問歯科診療の対象となる患者さんは高齢であったり障がいを持っていたり認知症を患っていて、それに加えこの基礎疾患を持つ人がほとんどです。いや、全部といってもよいです。



またこのウイルスの感染ルートは飛沫感染や接触感染といわれており、口を開け唾が舞う歯科診療は高リスクになる可能性を捨てきれません。そのため訪問歯科診療は存在意義が問われる状況になっています。


現在、不要不急の歯科治療は延期すべきとの判断が共有されつつあります。しかし緊急性のある場合はどうしても診療することが必要になります。



すでに外部からの出入りを一切禁止している介護施設も多くなってきたとはいえそこで働くスタッフさんの出入りを禁止することは難しく、常に感染のリスクにさらされています。


介護施設を利用している患者さんや在宅介護の必要な患者さんに緊急の歯科治療が必要になった場合、医療者側もそして患者さん側も不安を感じやすい状況ですよね。感染の蔓延が長引けば長引くほど、緊急の治療が必要な機会は増えてしまいます。



そのようなとき、どのような対策をおこない、どのような診察をおこなえばよいかを紹介していきます。

  



治療の延期!

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感染拡大を防止する観点からいえば、結論は簡単です。訪問歯科診療を延期することです。身も蓋もない話ですがこの対応は感染のリスクを大幅に下げることができます。


つまり不要不急な処置検査は延期を検討すべきです。そのためにまずは訴えのある症状が不要不急かどうかを判断しなければなりません。


それには患者さん(またはその家族やケアマネージャー)の話を事前によく確認し、結果不要不急の場合は他の対処の方法の提案をするようにしましょう。


例えば入れ歯の痛みに関して、食事中以外は外して歯ぐきを休めることでまた使用できるようになることもあります。小さめの部分入れ歯であれば装着しなくても食事を取れる可能性は高いです。


元々キザミのような柔らかい食形態を食べている方は入れ歯を外しても食べられるかもしれません。栄養を確保することが最低条件と考えるのであればこのような対応を家族や介護スタッフさんに促すことはできます。


入れ歯本体が破折したならば緊急性があるかもしれませんが、 入れ歯の歯が一本取れた程度では訪問歯科を控えるという選択をする家族もいるかもしれません。


差し歯が取れたなどの理由も同等で、一本の被せ物が取れたのであれば様子を見るという選択をする可能性もあります。


歯茎が少し腫れているという状況でも、 普段のブラッシング状況が悪く出血の多い人は痛い箇所の汚れをしっかりとることで痛みや腫れが引くこともあります。


反面、入れ歯を外すだけで不穏になってしまう場合や家族の強い要望がある場合などは実際の状況に比べ前向きに往診を考えなければいけません。「感染リスクの高さ」と「今の症状」を比較するいうことはひとつの判断基準になります。


詳しくは「緊急性のある歯科治療」についてのリンクを貼っておくので参考にしてみてください
>>参考:感染症が蔓延しているとき「受けるべき歯科治療」と「延期すべき歯科治療」


それでも訪問歯科診療を行う必要があるとき、どのような対策をすればよいでしょうか?



訪問する前の確認事項

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訪問前に電話で状況を確認することはとても重要です。患者さんの状態がわかる人(本人、家族、ケアマネージャー、相談員さんなど)に以下のことを確認しましょう。


・味覚障害や聴覚障害がないか

・海外渡航や帰国者への濃厚接触がないか

・患者やその家族に14日以内の発熱はないか

・14日以内に新型コロナウイルス感染者との接触はないか

・14日以内に屋内で50人以上が集まる集会に参加していないか


この確認事項で該当した場合は治療の延期をオススメし、各都道府県に設置された「新型コロナウイルスに関する帰国者接触者相談センター」に相談するべきです。 ←これは後半に説明します。


訪問歯科診療をおこなうときの対策

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簡単なフローチャートを先にあげておきます。


・検温(出発前)
  ↓
・車内の消毒、換気
・車内の座席距離確保
  ↓
 到着
  ↓
・手洗い、うがい
・グローブ着用
・ゴーグル着用
  ↓
・必要最低人数での診察
・狭い場所の診療回避(可能な限り)
・診療スペースの消毒、換気
  ↓
・必要最小限の治療処置
・治療時間、滞在時間の最小化


スタッフの検温は必須です。特に介護施設では入る前の検温がおこなわれるところがほとんどですが、出発前におこなうことは基本です。


スタッフに37.5°以上の場合は同席させず 適切な医療機関を受診してもらいます。(そもそもこの時点で訪問診療すべきはありません)車内の消毒をおこない訪問先に到着するまで換気をしながら座席距離の確保して座ります。


必要最低人数で訪問し、狭い場所での診療を避けます。施設などでは理美容室を使用することもありますが、換気の悪い場合はリビングや居室で診療しましょう。


診療前に診療スペースの消毒と換気をおこないます。マスクやグローブなどの個人防護具を装着し、スタンダードプリコーションを徹底し診察を開始します。

※スタンダードプレコーション(標準予防策)http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~ict/yobousaku_hyoujun_keirobetsu/hyoujun.htm


治療中は患者さんとの距離を保つことは難しいです。なるべく短時間で必要最小限の処置をおこないます。滞在時間そのものを短くするようにしましょう。


訪問先を出たあとも、消毒と換気は忘れずにおこないます。検温してもよいと思います。


診療延期は「応召義務」に違反しない?

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コロナウイルス感染の疑われる患者さんをいま断っても(延期しても)よいのでしょうか。


厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症が疑われるものの診療に関する留意点について」で応召の義務について以下のように書かれていますhttps://www.mhlw.go.jp/content/000607654.pdf

3.応招義務について
患者が発熱や上気道症状を有しているということのみを理由に、当該患者の診療を拒否することは、応招義務を定めた医師法(昭和 23 年法律第 201 号)第 19 条第1項及び歯科医師法(昭和 23 年法律第 202 号)第 19 条第1項にお
ける診療を拒否する「正当な事由」に該当しないため、診療が困難である場合は、少なくとも帰国者・接触者外来や新型コロナウイルス感染症患者を診療可能な医療機関への受診を適切に勧奨すること。


一方で「応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について」(令和元年12月25日付厚生労働省医政局長通知)に次のように書かれています。 
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000581246.pdf

特定の感染症へのり患等合理性の認められない理由のみに基づき診療しないことは正当化されない。ただし、1類・2類感染症等、制度上、特定の医療機関で対応すべきとされている感染症にり患している又はその疑いのある患者等についてはこの限りではない。


基本的に発熱やかぜのような症状だけを理由に診療拒否はできません(厳密にいうと拒否ではなく延期の斡旋ですが)。しかし新型コロナウイルス感染症は指定感染症とされています。


そのため一般の歯科医院で診療困難と判断した場合は受診できる病院を斡旋、つまり相談窓口である「新型コロナウイルスに関する帰国者接触者相談センター」を紹介すれば十分と考えられます。


少しでも感染が疑われる場合、適切な装備を持たずに診察することには感染の危険を伴います。


途中にも書いたように、訪問前の確認事項で該当した場合は治療の延期を提案して各都道府県に設置された「新型コロナウイルスに関する帰国者接触者相談センター」に相談するべきです。


患者さんに口頭での指示や投薬などの処置のような柔軟な対応をおこなうことも大切です。

www.mhlw.go.jp



やっぱり1番の対策は延期

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個人的には嚥下のリハビリもやりたいです。せっかく今まで患者さんや周りのスタッフさん達と訓練してきて、やっと好きな食事を食べられるようになってきた人もいて。

でもどう考えても今は延期が基本なんですよね。


今仮にN95のような適切な防護具を備えていたとしても、知識と経験がなければ感染のリスクにさらされます。そもそもそれだけ緊急性のある患者さんがどれほどいるでしょうか。


さらにいうと適切な防護具を持っているのであれば、今は最前線の医療現場に手配するべきだと思います。


感染の拡大を防止し少しでも早く終息にむかうため、一丸となって頑張っていきましょう!
>>参考:新型コロナウイルス感染症流行期における口腔ケア。今日から介護士さんや衛生士さん、ご家族にできること。そして歯科の役割。



【歯科医院で新型コロナウイルス】感染者が発覚したときに院内でおこなう3つの対応

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歯科医院で感染症が発覚したときにおこなう対応について紹介していきます。

歯科を取り巻く環境は厳しい

いま新型コロナウイルスが蔓延し爆発的な広がりを見せています。 病院には疑いのある患者さんが殺到し医療従事者は疲弊するだけでなく感染のリスクにさらされ続けています。事実、全国の多数の病院で医師や看護師などの医療従事者の感染が発覚し、病院そのものの機能が失われる事態が起こっています。


テレワークの啓蒙により外出自粛が促されていますが、医療や介護や物流や小売といった在宅ワークの難しい職種の人たちは常に感染のリスクにさらされています。


先日歯科医院は危険というニュースが流れました。感染経路が飛沫や接触である以上、口を開け唾が飛び散る歯科医院のリスクの高さは考えられます。他と比べて高リスクと言う確証のあるデータは今のところを出ていませんがしかし他の業種と比べ低いう断言もむずかしいです。


定期的な検診や不要不急の治療を延期するなどそれぞれの歯科医院で感染対策はとられ始めていますが、それでもすでに大学病院、個人医院問わず歯科医院による感染が報告されています。地域も首都圏だけでなく、北海道北陸、四国、東海、関西と広い範囲で発生しています。(一例載せておきます)

www3.nhk.or.jp

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新型コロナウイルス感染者について(4月2日現在) | 日本大学歯学部



ここまで広がっていると病院をあげて感染対策に取り組むということは(元々やっておくことが)基本で、それにに加えて感染が発覚した場合におこなうべき事後対応についても共有しておくことはとても大切です。対策をせずに感染するのと、対策をして感染するのでは結果は同じであれ、健康的社会的の今後が大きく変わってきます。


なにより感染発覚後の対応が適切で迅速であればあるほど、自分の身も他人の身も守ることにつながります。今回のエントリーでは感染後の歯科医院での対応を紹介します。ポイントを押さえておくだけで迅速に対応ができると思います。

歯科医院で感染発覚後におこなう対応3つ

基本は以下の3つになります。

  1. 消毒・滅菌
  2. 濃厚接触者の特定
  3. 管轄の保健所に連絡


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1. 消毒・滅菌

消毒を行う時はゴーグルマスク、手袋、キャップ、ガウンを着用しておこないます。発症者からの飛沫血液などが飛散された可能性のある場所を消毒します。咳やくしゃみによる飛沫は1.5メートル周囲に拡散します。

病室や物品の消毒には以下の薬品が有効です。

・グルタラール(ステリハイド®、グルトハイド®、サイデックス®)

・フタラール(ディスオーパ®)

・次亜塩素酸ナトリウムム(ミルトン®、ピューラックス®、テキサント®、ハイポライト®)

・消毒用エタノール

・ポピドンヨード(イソジン®、ポピヨドン®)

・80℃ 10分の熱水洗濯




ユニットやチェア、ドアノブ、トイレ、水道ノブなどはアルコール清拭します。

使い回しているシーツや毛布エプロンなどのリネン類に関しては80℃10分の耐熱洗剤が行います。(耐熱洗濯機の設備がない場合は0.05%次亜塩素酸ナトリウムの30分の審尋を行いましょう)

手指の消毒は速乾の消毒用エタノールを使用します。

器材や物品に関してはオートクレーブをかけます。

感染エリアから物を運び出す時は0.05%次亜塩素酸ナトリウムで清拭します。

使用後の防護服もオートクレーブ後に破棄します。

[参照〕
感染症法に基づく消毒・滅菌の手引きについて 
https://www.mhlw.go.jp/content/000548441.pdf




2. 濃厚接触者の特定

「国立感染症研究所による新型コロナウイルス感染者患者に対する積極的疫学調査実施要領2020年4月20日暫定版」に濃厚接触者の定義がされていますので引用します。

●「患者(確定例)」とは、「臨床的特徴等から新型コロナウイルス感染症が疑われ、かつ、検査により新型コロナウイルス感染症と診断された者」を指す。
●「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」の感染可能期間に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である。
・ 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
・ 適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者
・ 患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・ その他: 手で触れることの出来る距離(目安として 1 メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と 15 分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的
に判断する)。

これらをまとめると以下の場合が「濃厚接触者」と判断されるので、これを基準に誰が濃厚接触なのかを把握するようにします。濃厚接触の確定後は2週間の自宅待機(症状により入院措置)、保健所の指導、病院の休診、その間のスタッフや患者さんへの対応(事情説明や給与、再開時期など)を決定していきます。


・確定者と同居または長時間同じ車内や飛行機内にいた
・適切な防護服(PPE)なしで診察した
・1 メートルを基準に15分以上接触 した
・分泌液に直接ふれた


[参照]
新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(2020年4月20日暫定版)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9357-2019-ncov-02.html


3. 管轄の保健所に相談

今までの①と②をやりながら同時並行すること効率的です。発生状況や疫学調査に基づいた患者やスタッフの接触結果を踏まえながら、地域の保健所と協力して対応を決定していきます。

事前に管轄の保健所の住所電話番号は調べておくようにしましょう。


以下に厚生労働省の管轄保健所のリンクを貼っておきます。

www.mhlw.go.jp


以上が歯科医院で新型コロナウイルスが感染が発覚した場合におこなう対応です。


まとめ


緊急事態宣言が発言されて約1ヶ月(さらに延長との報道がされています)。世の中の状況は毎日激変しています。今までは発症しないための対策に力を入れれば、あとは大学病院や基幹病院などの医療機関が何とかしてくれました。けれども今は発症後も自宅待機や施設待機を余儀なくされるどころか、歯科医師にPCR検査実施の依頼がくるほど状況は逼迫しています。そのため発症しない対策に加え発症した後の対策もやっておくことがとても重要になります。


冒頭に紹介した歯科医院が感染しやすいという情報もいまはまだ参考資料が少なくどのくらい危険なのかを確定できないとはいえ、他の仕事と比べてリスクが低いとかリスクゼロであるということを断言することはできないのは容易に想像できると思います。


歯科医院は地元に密着して診療しているため、感染確定の告知をすると潰れてしまうという恐怖と隣り合わせです。そのためしっかり事前対策を行い、そして万が一の時も適切な対応を行うことができるようにしておきましょう。いまは3密が危険と言われていますが、患者さんやスタッフとのコミュニケーションだけは密にとっておくべきだと思います

感染発覚後に診療を再開した歯科医院も報告されています。チカラをあわせてこの難局を乗り切っていきましょう!少しでも早く終息しますように。




【感染症流行中】緊急性のある歯の痛みってどんな痛み?歯医者を受診するまでの流れ。

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前回のエントリーで緊急性のある歯科治療の話をしました。その中で通院すべきなのか延期すべきなのかの判断基準法をまとめてみました。

haitter.hatenablog.com

簡単に言うと「痛いとき」や「腫れたとき」「根っこの治療中」では治療に行くべきという話をしました。今回はさらに少しだけ掘り下げて、"どの程度"の痛みなら歯医者にいってもよいのかを紹介してみます。

どのくらいの痛みなら歯医者に行くべき?


人によって痛みの感覚は全く違います。腫れているという状況も一人一人自覚症状が異なります。痛みに強い人もいれば、少し触っただけでも痛みを感じる人がいます。つまり緊急性があるかどうかは患者さん一人一人の感覚によるところがかなり大きいです。

そのためどの程度の痛みで通院するのか、どの程度の腫れがあれば電話して良いのか、迷ってしまいますよね。その場合判断基準の一つとして『自分の今の症状』と『感染するリスク』を比較することは有効です。

簡単に言うと『今の自分の症状』が『感染するリスク』を上回る場合は受診すべきです。逆に感染するのは怖いから少しこのくらいなら様子を見てみようと思うなら、しばらく様子をみてもよいでしょう。極論誰から感染させられてもいいくらい痛い場合は間違いなく受診しましょう。



必ず事前に電話して。メリットしかない。


感染症の蔓延している場合、歯科医院の感染リスクが高いといわれています。どれほど危険かという指標は具体的に確立されていませんが、飛沫感染や接触感染が感染源とされている以上、口の中を診察するということにリスクをゼロでは語れません。ここで言うリスクの高さというのが、患者さんが歯科医師などから感染させられるリスクだけではなく、患者さんから歯科医師や病院スタッフへ感染してしまうというリスクも含んでいます。

治療するためにマスクをはずした口に接近する歯医者は飛沫を浴びまくるからです。もちろん歯科医師が感染してしまうと感染源になりますから、そこから患者さんであるあなたにうつしてしまう可能性もあります。

そのため緊急性のある治療の受けるためにひとつだけ守っていただきたいことがあります。それは受診の前に事前に電話をするということです。これはあなたの身だけではなく医療従事者の身を守る意味でも大切なことです。事前に電話をすることで患者であるあなた、治療する側の両者にかなりのメリットがあります。

病院としては以下のメリットがあります。

・あなたの体調を確認できる
・開いている時間の提案ができる
・処置内容の予測と準備ができる


歯科医院はこれらの把握をすることで可能な限りの感染対策を行うことができます。短時間で効率の良い侵奪につながります。それは患者さんにとってもメリットしかありません。

このようにお互いにってメリットしかありません。ぜひぜひ電話を一本いれてください。

まとめ

歯の痛みはいつ起こるか予想が出来ません。実際に痛みが出てしまうとイライラしてパニックになりやすいです。今回のようにそのに感染症が流行っている状況であればなおさら行き詰ってしまいます。

電話をかける

症状を伝える

予約を取る

スムーズに診察台に座る


この流れに乗ることが全ての人の感染対策になります。しっかり治療をして症状がおさまったら、毎日の歯ブラシをしっかり行い予防に努めてくださいね。



感染症が蔓延しているとき「受けるべき歯科治療」と「延期すべき歯科治療」

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2020年4月28日現在新型コロナウイルスが蔓延し自粛の生活を続けています。


今は人と人との接触を極力断つことが自分の身も大切な人の身を守ることにつながります。自分への感染を防ぐだけでなく、他人へ感染させるために、そして病院の負担を軽減するために感染症の流行しているときには、緊急性のある歯科治療のみをおこなうことが大切です。


緊急性のある・・といわれてもわかりにくいですよね。一概に歯科診療を受けるなと言っているわけではありません。歯が痛くなることはとてもつらいです。歯茎の腫れもつらいです。そのような症状を我慢して放置する必要は一切ありません。


どのような症状のときに歯科受診をすべきか、どのような症状であればしないべきか・・をまとめてみました。最初に紹介するまとめは「症状ごと」にまとめています。後半のまとめは少し専門的な病名だったり症状を具体的に列挙しています。参考にしてみてください。(最初に紹介するまとめで十分対応できると思います。)


緊急性のある歯科治療とは

まず緊急性のある歯科治療とはどのようなものでしょうか。それは「生命に関わる状態」「激しい痛み」「進行性の出血」「感染防止するために即時治療が必要なもの」をいいます。


逆に緊急性のない歯科治療とは基本的に無症状のものをいいます。感染症が蔓延しているときは飛沫が飛ぶやすい処置は特にNGです。


「通うべき症状」「延期すべき症状」をそれぞれ紹介していきます。

歯医者に通うべき症状

まずは通うべき症状です。

【通うべき症状】

・痛い
・腫れた
・根っこの治療中
・食事困難な入れ歯の破損
・早期に必要な被せ物の装着



補足していきます。


「痛い」は緊急性ありです。遠慮なく歯医者へいきましょう。
「腫れた」も同様です。痛みもある場合もありますが、痛みのない場合もあります。どちらも病院へいきましょう。


「根っこの治療中」も神経の穴を塞ぐまでは通いましょう。途中でやめてしまうと再発したり治りが悪くなってしまいます。 神経の穴を塞いだか確認するには、次回型取りをするとなった時は根っこの治療が終わっている目安になります。また神経の穴を塞いだ日は必ずレントゲンを撮ります。 神経の穴に薬がしっかり詰まったか確認するためですこの薬は白く映ります。


「食事困難な入れ歯の破損」も緊急性の高いものです。例えばほとんど歯が残っていない状態で入れ歯が使用不能になる場合など。

「早期に必要な被せ物の装着」も多くの場合はこれで治療がひと段落するはずですので終わらせてしまいしょう。とくjにブリッジと呼ばれる3本以上つながった被せ物は装着してしまいましょう。

歯科治療を延期すべき症状

つぎに延期すべき症状です。

【延期すべき歯科治療】

・定期検診
・歯石とり
・痛みのない虫歯
・症状のない抜歯
・積極的な型取り
(・前歯がとれた)
(・入れ歯の作成)



延期すべき歯科治療はこれらに限定されているわけではなく特に()は個人差あります。


例えば前歯が取れてしまった時、見かけを気にする人もいれば全く気にしない人もいます。奥歯が欠けてしまっても食べられないことを気にする人もいれば、 一本ぐらいと気にしない人もいます。

今まで使ってた入れ歯がなくなってしまって困っている人は緊急性がありますが、今ある入れ歯以外にもう一つ作って欲しいという場合は緊急性は薄くなります。



迷ったときは・・

緊急性とはあくまで個人の主観に大きく影響されます。そのため「歯の治療」と「感染リスクの高さ」と比較して考えると良いと思います。迷ったとき極端な話をすれば、このくらいの痛みなら感染するよりマシと思えるかどうかを判断基準にするとよいでしょう。その判断基準は以下のエントリーで紹介しています。
haitter.hatenablog.com

通院前に電話をしましょう


通院前に電話を入れるのはとても良い方法です。自分の身を守ることにもなりますし、事前に症状を伝えることで治療時間の短縮効率化を期待できますし、医療者側の負担を少なくすることもできます。




普通の患者さんはここまでで十分だと思います。

次はもっと細かく症状を分けたい人のために、アメリカ歯科医師会のガイドラインを参考に専門的な症状を挙げています。これを基準に通うべきか通うべきでないかを紹介します。

詳細な症状による緊急歯科治療の例

【緊急歯科治療の例】
・歯髄の炎症による痛み
・感染根管の痛み
・親知らずの痛み
・ドライソケット
・膿瘍または局所的細菌感染
・骨折
・外傷
・縫合糸除去
・腫瘍患者の義歯調整
・矯正ワイヤーによる損傷
・障がい者など定期的なメンテナンスの必要な場合


ズキズキしたりバクバクするような痛みは緊急性のあるものです。夜間痛を生じるものも通院した方が良いでしょう。歯を抜いた後に出るドライソケットという症状は、薬だけではなかなか治りにくいので注意が必要です。骨折や外傷など原因の明らかなもので痛みがある場合は通院しましょう。


腫瘍で顎を切除してるような場合の義歯は調整が必要です。歯を抜いた後の抜糸や矯正ワイヤーによる損傷は歯医者による原因の除去が必要です。虫歯が広がってしまうリスクがある人にも定期的なメンテナンスはかかせません。


【緊急性のない歯科治療】

・定期検診
・クリーニング
・急性以外の矯正手順
・無症状の抜歯
・無症状の虫歯治療
・審美的な歯科処置


これらは含まれますが、限定されません。無症状であればこれら以外にも当てはまると考えてください。


まとめ


時間ができたからと歯のクリーニング屋定期検診にの問い合わせを受けることがあります。けれども感染症が蔓延している時期に積極的に歯科治療をおこなうことは感染のリスクを上げてしまうことになります。「感染する」可能性もあれば同時に「感染させる」可能性もあります。そのために自分が「やれることはやる」「やらないことはやらない」の区別をハッキリさせておきましょう。


歯科治療においても同様で、自分にとって本当に必要な治療を受けるべきで、すべての歯科治療をうけるべきではないということではありません。歯の痛みが出ないようにメンテナンスをおこなうこともとても大切です。そのためにはまずは毎日歯をしっかり磨きましょう。

最後に繰り返しになりますが、歯医者に行く前に電話を一本いれることを忘れないでくださいね。
>>参考:新型コロナウイルス感染症流行期における口腔ケア。今日から介護士さんや衛生士さん、ご家族にできること。そして歯科の役割。





歯医者によるPCR検査実施の現時点でのまとめ【2020年04月27日】

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昨日の夜(2020年4月26日)【PCR 検査実施を歯科医師に協力要請】というニュースが流れました。

詳細は近く提示されるようですが今の時点で分かっていることはこんな感じです。

①医師や看護師がの確保が難しい場合を想定し歯科医師にも検体の採取を認める

②そのために必要な研修を受ける(4月中の開始をめざす)

③患者の同意が必要である


新型コロナウイルスの蔓延により医療従事者特に病院に勤める医者や看護師に大きな負担がかかっています。そのため厚生労働省は新型コロナウイルス感染を調べるPCR 検査の数を増やすため、医師だけでなく歯科医師も認める方針を決めました。(2020年4月26日)

詳しいことは近日中に発表されることになりそうです。これらを踏まえ現時点での私見を書いていきたいと思います。


街の歯医者でPCR 検査ができるわけではない

ニュースだけ見て勘違いしそうな人たちが少なからずいそうです。検体採取には適切な感染防御対策が必要で街の歯医者さんに立ち寄ってフラリと検査してもらうわけではありません。おそらく勘違いした人たちが電話してきたり殺到しそうな予感もします。感染防御設備の整った地域の病院や医師会が設置する検査場に歯医者が出向いて検査をすることになるはずです。
(ちなみに歯医者で怒ら PCR 検査とは赤く染め出して歯の汚れを調べる検査です。直接行っても、赤く染められるだけですよ)

大学病院に所属している歯科医師に協力要請される可能性が高い

感染する危険性を考えると、より専門的な知識が治療の経験のある歯科医師に依頼される可能性が高いです。そのため大学病院や医科に付属した口腔外科、地域の基幹病院に勤務する歯科の先生たちに依頼される可能性は高いと思います。

教育研修はどこでやる?

基本的にオンラインで行われることは間違いないと思います。実施の研修は難しいかもしれないので実際の検査時に医師が立ち会いながらかもしれません。研修は4月開始予定のようです。もう27日なので言う時間が半端ないです。



精度の懸念

研修を受けているとはいえ突貫工事感は否めないので精度の懸念はついて回ると思います。ただそれを考慮しても PCR 検査の増加をしたいという現状がただならぬ有事感を感じさせます。

有志の歯科医師の立候補は可能かもしれない

今のところあくまで専門知識のある人に協力を求めるというスタンスですが、状況によっては自ら研修を受け協力したいという歯科医師の募集はあるかもしれません。

街の歯科医院にとって利益になる情報ではない

街の歯医者さんで検査をできるわけではないので、気楽に検査して保険請求・・できるわけではありません。むしろ電話が鳴ったり飛び込みできたりと手間が増える可能性もあります。事前にポスターなどで掲示しておいてもよさそうです。


あくまで患者さんの同意が必要

最終的に患者さんの同意が必要ということなので、歯科医師だから拒否すると権利が患者さんにはあります。アイドルの握手会みたいになっちゃうのかな。


まとめ

歯科医師による PCR 検査実地(現時点)


✅次元的特例的であること
✅医師の確保が難しい場合に行う
✅今月開始予定の研修を受ける必要がある
✅街の歯科医院で検査をおこなう制度でははない
✅感染ん対策のできる病院や検査場に歯科医師が出向いておこなう
✅大学病院や基幹病院で働く歯科医師に協力要請がいく可能性が大きい
✅最終的に患者の同意が必要である


いろいろな意見があるとは思いますが、有事感がビシビシ伝わります。
今後の動向を注視していきます。



ケアマネさんから聞かれた「訪問歯科」についての疑問と質問。今まで100人以上のケアマネさんと会った歯医者がまとめてみた。

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今回はこれまでケアマネージャーさんから受けた『訪問歯科に対する質問』をまとめてみます。


歯医者さんが介護や福祉のことで知らないことが多いように、ケアマネージャーさんからも『訪問歯科』について質問を受けることがあります。ボクはこれまでに100人を超えるケアマネージャーさんとお会いする機会がありました。お話をさせてもらうなかで、医療側にとっては当然だと思っていたことが、周りの人たちにとって疑問だったり不安に思っていることがたくさんあることに気づきました。

通院困難なひとへの歯科治療(訪問歯科)を行うにあたって、歯科医師とケアマネージャーさんの連携はとても重要でお互いの風通しの良い関係が患者さんの良好な治療結果に繋がります。ボクも今までケアマネージャーさんに「そんなことも知らないの?」みたいな質問をたくさんしてしまったにもかかわらず、色々教えていただきました。

今回は訪問歯科とすでに関わっているケアマネージャーさんはもちろん、これから訪問歯科を依頼するかもしれないケアマネージャーさんにとっても少しでもお役に立つように、今まで受けた質問の中から数が多かったものを紹介していきます。



自宅(または介護施設)まで来てくれますか?

いきます!よんでください!
訪問歯科はまだまだ認知度が低く10年前に比べるとだいぶ変わってきましたが、地域によってはケアマネージャーさんに訪問歯科の存在自体を知られていないことがあります。ボクたちがもっと頑張らなきゃ。

どんな人が利用できるのですか?

通院困難であれば誰でも利用できます。「まだ介護申請が下りていない」「介護申請が申請中」「要支援」このようなのときによくこの質問をうけますが、問題ありません。持病や身体的不自由のような通院が難しい理由を教えてください。要介護を受けている人はもちろん問題なく訪問歯科を依頼できます。

訪問歯科の受診基準は通院困難というだけで具体的な線引きはされていませんので基本的には訪問歯科のサービスを受けることができます。身体は元気だけれど外に出るのが面倒くさいだけのようなウーバーイーツ感覚では受けることができません。

ケアプランに影響しますか?

影響しません。
訪問歯科で算定する介護保険はケアプランで使う介護保険とは別枠になります。ケアプランの内容を変更する必要はなく、訪問歯科を受けている医療機関名を記載すれば良いだけです。

どんな治療ができますか?

普通に歯医者さんに通うような治療することができます。
削ったり抜いたり作ったり、 何でもできます。治療の詳細も知りたい方は過去の記事を参考にしてみてください。

haitter.hatenablog.com


費用はどれくらいかかりますか?

費用に関係するのはこの3つです。
「医療保険、介護保険の負担割合」「治療の内容」「治療の頻度」

このぐらいかかります!と一概に伝えることは難しいです。目安を知りたい、もっと詳しい費用を知りたいという人はこの記事を参考にしてみてください。
haitter.hatenablog.com

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保険はつかえますか?

訪問歯科診療は保険適応です。

交通費はかかりますか?

かかりません。保険の範囲内の診療費以外はかかりません。

痛いとき対応してくれますか?

病院によって対応が違いますが、早ければ当日対応してくれます。
最短日数で来てくれることは間違いないです。

痛みや腫れがあった時に自分から行ける患者さんではないので、提携歯科医院に急患を依頼することになります。 病院の状況によって 迅速に対応してくれます 。


飲み込みが悪くなってきた人を診てくれますか?

先生によって可能です。
ムセがあったり飲み込みが悪かったりする場合は嚥下(えんげ)障害の可能性があります。摂食嚥下と呼ばれる歯科では少し特殊な分野になります。とはいえ最近は摂食嚥下の治療も可能な先生も増えてきています。

生活保護の人は診察できますか?

もちろん可能です。
医療券の発行手続きも歯科医院でおこないます。

デイサービスの人を診察できますか?

できません。
デイサービスやデイケアと訪問歯科診療を行うことは認められていません。ただしデイサービスではない日付やデイサービスの終わった後の時間であれば診察することは可能です。

家族の同席はできますか?

もちろんできます。
むしろボクはウェルカムです。時間を合わせられる限り同席してほしいです。治療の内容や説明も直接伝えることができますし、家族が直接診療を見ることで納得感を増すと思います。

寝たきりの人も診察できますか?

もちろん大丈夫です。
むしろ専門です。

暴れたり拒否する患者さんも診れますか?

もちろん大丈夫です。
成功することで身体状況に異変が起きる可能性がある時は中断することもあります。


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いかがだったでしょうか。

訪問歯科診療って意外に範囲が広い!やってくれる!と感じて頂けたら嬉しいです。

口から食べることは 喜びで生きる活力になります。歯の健康を維持することは命にもつながります。
少しでも多くの人がスムーズに歯科治療を受けされる環境になるようにこれからも頑張っていきたいと思います。



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