「訪問歯科の対象者」をわかりやすく解説します【利用条件はゆるめ】
訪問歯科の対象となる人を知りたい方へ。
・訪問歯科の「対象者」を知りたいな
・歩くことができても依頼してよいのだろうか
・口の中が心配。どのような症状でも頼んでよいのかな
本記事ではこういった疑問にこたえます。
■ 本記事の内容
この記事を書いている私は認知症や高齢者の方の治療を専門にする歯医者です。
毎日、患者さんの自宅や老人ホームのような介護施設に訪問しています。
Twitterで情報発信しています。記事の信頼性担保につながれば嬉しいです。
世の中の平均寿命がのびてるからといって、油断してはいけない。
— しろたぬ@歯の人☘お豆腐メンタル (@shirotanu_dds) 2020年9月18日
元気で自立した生活をおくれる「健康寿命」は平均寿命より10年も短い。つまり、最後の10年は何かしら不健康を抱えながら生きることになる。こう考えると、思ったより人生は短い。嫌なコト、嫌なヒトに関わる時間はあまりにもったいない
『世の中の平均寿命がのびてるからといって、油断してはいけない。元気で自立した生活をおくれる「健康寿命」は平均寿命より10年も短い。
つまり、最後の10年は何かしら不健康を抱えながら生きることになる。こう考えると、思ったより人生は短い。嫌なコト、嫌なヒトに関わる時間はあまりにもったいない』
「訪問歯科の対象になる人」をわかりやすく解説【利用条件はゆるめ】
結論からいうと、下記の通りです。
✔︎ 訪問歯科の対象になる人
・疾病や傷病により、自分自身での通院が困難な方
これだけです。
記事で、もう少し深掘りしていきます。
訪問歯科とは
自宅や施設にいながら、歯科診療が受けられる医療サービスです。
身体的、精神的な理由で歯医者に通院できない人のために、歯医者や歯科衛生士が直接訪問して治療します。
高齢化社会を迎えるにあたり、国が促進している制度のひとつです。
訪問歯科を利用できる対象者【条件はゆるめ】
繰り返しですが、下記の通りです。
✔︎ 【訪問歯科を利用できる対象者】
・疾病や傷病により、自分自身での通院が困難な方
疾病や傷病により、自分自身での通院が困難な方が対象となります。
主に高齢の方、認知症の方が多いですが、この限りではありません。
要介護認定の区分で形式的に決められるものではなく、歯科医師が個々の症例ごと判断します。
>>参考:訪問歯科を利用するための「訪問理由」を解説します【根拠は必須】
内科などに通院していても、状況によって訪問歯科の対象者になることは多いですので、積極的に確認して大丈夫です。
※【訪問歯科を利用するときの注意点】
医療保険を使うためには、住んでいるところから半径16km以内の範囲にある歯科医院に依頼する必要があります。
よくある質問【訪問歯科の対象者について】
訪問歯科の対象者についてよくある質問に答えていきます。
✔︎ 利用に年齢制限はありますか?
年齢制限は利用条件に含まれません。上限も下限もありません。
訪問歯科診療はあくまで「自分自身での通院が困難な方」が対象です。
✔︎ 1人〜診察してくれますか?
人数は関係ありません。1人でも診察できます。
逆に、自宅で夫婦で住んでいる場合や、施設に入居しているなどの複数人でも対象です。
✔︎ 自宅以外でも訪問できますか?
住んでいるところであれば利用可能です。
住んでいるところというのは、「寝泊りしているところ」です。
そのため16km範囲内の自宅、施設や入院中の病院は対象ですが、デイサービス、障害者通所施設、公民館などには訪問できません。
✔︎ 本人は無症状でも大丈夫でしょうか?
本人が無症状でも訪問歯科を利用することができます。
認知症の進行した高齢者の患者さんでは、自分の意思がはっきり表せない人の場合も多いです。
痛そう、傷がある、口が匂う、歯磨きできない..など介護者が客観的に気づいたときでも、訪問歯科の対象になります。
>>参考:【簡単なコツ】歯磨きできない認知症の人への対処法を解説します【嫌がる・拒否あり】
✔︎ 訪問歯科の利用には保険が使えますか?
医療保険、(あれば介護保険)が利用可能です。
繰り返しですが、半径16kmの範囲内の歯科医院で受診してください。
なお、訪問歯科の探し方の具体的な手順は訪問歯科の探し方【5つある / 選ぶ基準も解説します】が参考になると思います。
訪問歯科で対象となる症状【可能な治療は多い】
訪問歯科の対象となる症状を紹介します。
結論、普通の歯医者さんでできる治療はほとんどできる、と認識して問題ありません。
訪問歯科の対象となる症状
✔︎ 【訪問歯科で対象となる症状 具体例】
・歯がかけた
・歯に穴があいた
・歯ぐきが腫れた
・歯がグラグラする
・銀歯が取れた
・差し歯が取れた
・入れ歯が壊れた
・入れ歯が合わない
・入れ歯をなくした
・ムセる
・出血する
・口臭がする
・顎が外れた
これらは一例ですので、口や歯に関わるものであればすべて治療可能です。
虫歯を削るだけではなく、歯を抜いたり、レントゲンをとったりもできます。
>>参考:【ほぼできる】訪問歯科の治療内容を解説します【症状もわかりやすく】
訪問歯科での対応が難しいもの
訪問歯科での治療が難しいものを紹介します。
✔︎ 訪問歯科での対応が難しいもの
・ホワイトニング
・インプラント
・矯正
癌のような難しい症例は大学病院紹介することができるので、診察自体は可能です。
ホワイトニング、インプラント、矯正はできないというよりは需要が少ないというのが現状です。
多くの人は訪問歯科の利用条件を満たす対象者【でも..頼りすぎない】
今回の記事をまとめます。
多くの人が利用条件を訪問歯科の対象者になります。
・訪問歯科の対象者は「疾病や傷病で自分自身での通院が困難な人」すべて。
・住んでいる所から半径16kmの範囲内の歯科医院が条件。
・年齢の制限は上限も下限もない。
・訪問歯科はほとんどすべての症状に対応できる。
通院が困難な患者さんにとって、自宅や施設で歯科治療を受けられるというのはメリットです。
移動がないだけでなく、生活や介護の状況を確認しつつ診療をうけることができるからです。
痛い腫れたを治療するのはもちろんですが、 口から食べるということは単純に命に直結します。
そのため訪問歯科に「頼りすぎない」ということも大切です。
口から美味しく食べるためには口の中を衛生的に保っている必要があり、それには「毎日の歯磨き」「口腔ケア」が一番重要だからです。
日々の歯磨きをがんばりつつ、訪問歯科でチェックをうける、というスタンスがオススメです。
>>参考:【簡単なコツ】歯磨きできない認知症の人への対処法を解説します【嫌がる・拒否あり】
おすすめの歯磨き粉や保湿剤は歯科医院で使っているものが理想です。
ですが、少し高いので、市販のものでもOKです。
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・歯科用保湿ジェル【リフレケア】
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まずは磨く、保湿する、を意識することが大切です。
特に、高齢の方や認知症の方では、口の中をきれいにすることで肺炎や窒息の予防にもつながります。
訪問歯科をうまく利用しつつ、日々の生活の質を上げていきましょう。
今回は以上です。
訪問歯科の探し方【具体的な手順】>>訪問歯科の探し方【5つある / 選ぶ基準も解説します】
訪問歯科で可能な治療内容>>【ほぼできる】訪問歯科の治療内容を解説します【症状もわかりやすく】